世にもめずらしい実験です。19匹のチンパンジーと40人の人間の競争です。
どんな競争かといいますと、『目の前のおやつを我慢して、あとでもっとたくさんのおやつを貰うこと』
その魅惑的なおやつは、チンパンジーにはブドウ、人間にはレーズン、ピーナッツ、チョコレート、ゴールドフィッシュクラッカー、ポップコーンです。
まず最初に参加者全員に、好きなものを二つ貰うのと六つ貰うのとではどちらがよいかを選択してもらいます。これはすんなり決まりました・・・・・。人間もチンパンジーも二つより六つのほうがいいに決まっています。次に、少し条件をつけて複雑にします。【二つのおやつをすぐに貰うのと、2分たってから六つのおやつを貰う】のとでは、どちらがいいかを選ばせました。
2007年に発表されたこの研究は、チンパンジーと人間の自制心を比較した最初の研究です。この実験結果から人間ならではの性質がわかっただけでなく、忍耐力の進化の根拠が明らかになりました。
チンパンジーも人間も、待つ必要がなれけば二つより六つ貰うほうがいいに決まっていますが、待たなければならない場合には、チンパンジーと人間ではその選択に大きな違いが表れました。チンパンジーはおやつを余計に貰おうとして、なんと72%が待ちました。いっぽう、人間のほうは、19%しか待てなかったのです。
実に興味深いですね。さて、あなたはどちらを選択しますか?