《無意識に出来ること》

 きみの体は何者か・・・伊藤亜紗著より

 たとえば、「歩く」はどうかな。
 みんな、自分がどうやって歩いているか説明できる?
 えっと、右足のカカトを地面につけて、そこから徐々に体重を左足から右足に動かしていき、右足の裏が全部地面についたら左足を浮かせて膝をまげていって・・・・
 なんとか言葉で説明できたとしても、たとえば赤ちゃんがそれを聞いて「ふむふむ」って歩けるようになるかな?赤ちゃんに歩き方を教えることはできる?
 たぶん、無理だよね。
 そう、歩くことは体が勝手にやってくれていることだ。だから、言葉で伝えるのは難しい。考えなくてもできる。というか考えるとかえってできなかったりする。これが体のすごいところ。
 「走る」「跳ぶ」「自転車に乗る」「食べる」「呼吸する」「消化する」・・・
 「歩く」だけじゃない。たいていのことは体が勝手にやってくれている。最初は意識して練習してやっていたことも、慣れるにつれて意識しないでもできるようになる。あたりまえになる。文字通り「身につく」ということだ。

※習慣とか態度もいつの間にか「身につけたもの」です。このように自分自身で身につけた習慣や態度は変えることができます。
 身につけたい習慣や態度を最初は意識して行動します。何度も何度も繰り返すことで新たな習慣や態度が自然なものになります。