《マイナンバー周知不十分》

 来年1月開始 システム開発遅れ   読売新聞より

 国民ひとり一人に番号を割り振る共通番号(マイナンバー)制度の開始を来年1月に控え、政府や地方自治体は準備を急ピッチで進めている。個人情報を扱うだけに万全を期しているが、一部の基幹システムは開発が遅れ、国民の制度への理解も進んでいない。今年10月から国民に番号が通知されるが、ハード・ソフトの両面で課題は少なくない。

 マイナンバー制度の対象になるのは、社会保障、税務、災害対策の3分野が中心だ。年金や雇用保険の給付、所得税の確定申告、災害にあった人への支援金の支給などの手続きで利用される。例えば、年金の給付資格を得るのに、現在は申請書に住民票を添付して提出しなければならないが、マイナンバーを用いれば住民票は要らない。

 引っ越した場合、転居先の自治体が予防接種の履歴を前に住んでいた自治体から引継ぐなど、一部の医療分野でも使われる。個人の預貯金口座と番号を結びつけ、適切に納税されているかチェックすることにも利用される見通しだ。

 自治体は今年10月から、住民に12桁の番号を郵送で通知し、来年1月以降に顔写真付きの『個人番号カード』を交付する。利用者は17年1月から運用されるインターネットの専用ページ『マイ・ポータル』で、自分の番号がいつ、何に使われたかを確認できる。

 個人情報を自治体間で提供し合う基幹システムの開発は、当初の予定より4カ月遅れている。担当する総務省は『全体のスケジュールには影響しない』とするが、全国の自治体への導入が遅れると、つトラブルにつながりかねない。