誰にでも、忘れてしまいたいような失敗はあるものです。
失敗をきれいさっぱり忘れられれば、たしかに気持ちは楽になるでしょう。しかし、その一方で失敗から学び、大事な教訓として活かすこともできるのです。
江戸幕府を開いた徳川家康には、堂々とした、威厳のある肖像画が残されています。それとはまったく異なり、憔悴しきった家康の姿を描いた【家康のしかみ像】と呼ばれている画があります。
家康は、31歳の時、三方ケ原の合戦で武田信玄に散々に打ちのめされ、恐怖のあまり、脱糞しながら敗走したといいます。
この敗戦を肝に銘ずるため、家康は己の惨めな姿を従軍絵師に描かせ、いつも身近において、慢心を自戒したと伝えられています。
失敗は苦い経験です。しかし、眼をそむけずに真正面から受け止め、《大事なことを教えてくれる有難い先生だ》と謙虚に教えを乞い、自己成長のかてとする時、失敗は一変して輝く宝物となるのです。
※職場の教養より