この話をすると私が今後営業しづらくなるので、ホントは誰にも教えたくなかった話なのですが、とても効果的なので読者の方にだけ特別にお伝えします。
私はプレゼンテーションの時に、「もったいない」という言葉をよく使います。
「お客様の現状の問題点」と「ゴール(あるべき姿)」と「ギャップ」との関係性を一言でお客様にイメージさせる言葉が、「もったいない」なのです。本来、お客様の持つ強みを活かすことができれば、現在もうゴールが達成できていても良いにもかかわらず、それができていないのは、単にやるべきことをやっていなかったからです。やるべきことをやれば、ゴールが達成できているはずなのに、「もったいない」ということです。
お客様の現状を示し、解決策を提案した後、「もったいない」と言うと、ほとんどの案件を成約に導けます。
「せっかくいいものを持っているのに、活かし切れてないからもったいない」「あと、これだけがそろえば最強なのに、もったいない」という感じで使います。
「御社は商品力があって市場性もあるのに、今は戦略や営業力がないから売れてない。商品力や市場は持っているのに、もったいなくないですか?」
こう言われると、お客様も「確かに」とすんなり納得します。
このとき、「弊社の商品はいい商品なのに、買わないなんてもったいない」と自社の商品やサービスに結びつけないこと。あくまでお客様のいい面を誉め、その上で「もったいない」と言うから、お客様も「うちのことを分かってくれているんだ」と喜び、信頼関係が生まれるのです。
ある時はじめての提案に向かう新入社員が私にアドバイスを求めて来ました。「何か必殺技はないですか?」と。もちろん、付け焼刃の殺し文句などあるわけもないのですが、彼に「『もったいない』を10回以上言って来なさい」と指導しました。すると、驚くことに、905万円のサービスを一発クロージングしてきたのです。
それぐらい最強の言葉なのです。
皆さんもぜひ使ってみてください。使わないのは、「もったいない」ですから(笑)。