成績評価制度では、直接の管理監督者のみが評価者となる。それは、実際に部下に仕事を割り当て、管理・監督・指導を行い、結果について報告を受けて価値判断を加えながら評価を行うのは、直接の管理監督者であるからだ。もちろん、評価者の評価は信頼すべきだとしても、その評価結果に、評価癖が潜入する危険性があり、また、部門間の成績差も判断しがたいものがある。したがって、それらの評価誤差については、あとで別の上司が調整者として是正することになる。
※評価者・・・・・・・・評価者は、直接の管理監督者一人に限定される。間接の管理監督者や
上級者は、評価者の評価方法について指導のみを行う。
※調整者・・・・・・・・通常、直上の間接監督者がなり、評価誤差(甘辛誤差・成績格差の誤差
分散集中の誤差)を調整する。
【成績評価のステップ】
①等級レベルの確認(等級基準、職務レベルの確認)
本人が社内の人事等級、資格等級のどのレベルに位置付けられているのかをまず確認し、その等級に求められる職務レベル、つまり職務の困難度、責任度もしくは専門性の高さを確認する。
②目標方針の確認
その期の経営方針、部門方針とそのグループのアクションプランの再確認をする。
③職務行動の選択
実績評価、能力評価それぞれで本人の職務上の実績と職務行動のみをとらえて評価する。職務外の行動は対象としない。本人の人柄や人間性を評価するものではない。いわんや若い女性のマスクに惑わされるようではもっての他である。
ただし、それが流通サービス業での『顧客サービス』の評価になってくると、顧客満足度・顧客獲得度を大きくアップさせる要素となっているケースも多い。
④評価要素の選択
例えば、売掛金の回収が問題になるのはどの評価要素で評価するのか。『ホーレンソー』が悪く迷惑をかけたのは、どの評価要素を適用するのかを選択する。各評価要素ごとに、その成績評価基準に照らし、順次評価していく。
⑤評価段階の選択
各評価要素ごとに5・4・3・2・1の5段階の成績評価基準に照らして、評価段階を選択する。
5 特に優秀 《抜 群》
4 優れている 《優 秀》
3 期待どおり 《良 好》
2 不足あり 《努力要》
1 支障あり 《問題有》
次回に続く。