人事考課制度の運用では、自己評価と上司評価のギャップ、現状と期待人材像とのギャップを埋めていくといった作業は極めて重要になると考えますが、『ザ・ゴール』の著者 エリヤフ・ゴールドラットの本に参考になるような事が書いてありましたので、ご紹介します。
そもそもよくない関係、調和のない関係とはどのようなものだろうか。仲間意識や忠誠心といったものではなく、不平や不満にあふれている関係は当然、良好とは言えない。例えば、一方がほとんど全面的に相手に依存しているのに対し、その相手が他にいくつもの選択肢を有している場合など、両者の間に大きな不釣り合いがある時はそうなる場合が多い。
問題は、こうした状況の時、多くの場合、強者の方が相互の関係には特に問題などないとしてしまうことだ。自分の行為が相手にどのような敵意を抱かせているのか、強者には見えなくなってしまう。
では、どういう場合に、こうした両者の関係、調和とは程遠い、よくない関係が表に露呈してくるのだろうか。
それは、自らの利益のために、一方が相手に対し大きな変化を求めた時だ。
どういう時に、そうした大きな変化を要求するだろうか。
例えば、一方が自らの利益を増やすために必要な分析を行ったとしよう。そして分析が終わって、その変化によって利益が大きく増えるという結果が出たとしよう。すると、その変化は非常に重要な変化、根本的な変化で、それを実現するためには、相手側にも同じ変化を求めるべきだということになる。しかし、相手にそれを求めるのはそれほど簡単なことではない。私の経験では、変化が重要であればあるほど、根本的であればあるほど、相手が異議を唱える可能性が高くなる。そして、関係がもともとそれほど良好でなければ、相手の反応はおそらく否定的か、場合によっては非常に攻撃的にもなり得るのだ。
人事考課のフィードバック面接でギャップを埋める作業というのは、まさに相手に変化を求めることになりますね。面接の進め方によっては、博士が書いているように、『否定的』『攻撃的』になったりします。十分に注意をしながらの面談が必要になるものと思います。