人事考課者トレーニングで“考課エラー”に関して説明をする機会がありますが、今回は《自信過剰エラー》について考えてみたいと思います。
※自信過剰エラー
『判断や意思決定において、自信過剰ほどよく見られて最悪の結果をもたらすおそれのある問題はない』と言われます。自信過剰のバイアスによって、人は実際よりも多くのことを知っていると思い込んでしまうのです。
事実に基づく質問を受け、自分の答えが正しいと思う確率はどのくらいか?と尋ねられた場合に、人は非常に楽観的に答える傾向にあります。例えば、自分の回答が70%の精度で正しいと答えた場合に、実際の正解率は50%にすぎないという結果が出ています。また、100%正しいと答えた場合の実際の正解率は70%程度であると言われています。
組織の観点から自信過剰に関連する興味深い調査結果があります。それは知的能力や対人能力が劣っている人ほど、自分の業績や能力を過大評価する傾向にあるということです。社員が知識を深めれば深めるほど、自信過剰という現象は小さくなります。逆に自分の専門分野以外に関しては、自信過剰が最も大きくなる可能性があるのです。