通信簿に詳しい鳥取大の山根俊喜教授によると、通信簿は学校が児童生徒の学習状況などを家庭に伝える連絡手段として1890年前後から普及した。『通知表』『通信箋』などとも呼ばれ、戦前は【甲・乙・丙・丁】の4段階、国民学校では【優・良・可】が主流だった。
その後、高度成長にかけて数字の5段階評価などが広く使われるようになる。だが、『数字が並ぶだけでは、学力の具体的な状況が分かりにくい』との批判があり、1970年代以降は各教科を数字で評価するだけでなく、【関心・意欲・理解力】といった観点別に、『よくできる』『できる』『もう少し』などの言葉で評価する方式が小学校を中心に広まった。
2000年代に入ると、小学校の7割は観点別の評価だけを行い、中学校では観点別と数字による教科の評価を併せて行う方式が多くなった。名称は『あゆみ』など親しみやすい呼び方が定着した。
『最近は、欠点ではなく良い点や進歩した点を強調する傾向にある』と、教育調査研究所の小島宏さんは話す。
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