《行動を改めない部下の指導》

 行動心理学の考え方の中に『ガスリーのコート』という話があります。

 まずは、質問です。

 子どもが外出先から帰ってくると、コートを掛けずにポーンとそこに放り出して出かけてしまいます。親のあなたとしては当然『コートを掛けなさい』と注意します。しかし子どもはその時だけ『ハーイ』と生返事をして、翌日学校から帰るとまた、コートを放り投げます。 
 さあ、あなたはこの子どもにどうやってコートを掛けさせますか?

 『叱りつける』『コートを掛けるまで外に出てはいけない、と言う』『コートを掛けるまでご飯を与えない』『コートを掛けたくなるような、かわいいキャラクターのハンガーを買ってあげる』等々いろんな意見が出そうですね。

 この場合の正解は次のようになります。

 子どもに放り出したコートを着せて、もう一度ドアの外に出して、改めて『ただいま』と言って入ってこさせる。
 つまり、まったく同じシーンを繰り返させ、コートをハンガーに掛けることができるまで、繰り返しトレーニングする、というのが《ガスリーのコート》の教訓なのです。

 無意識で行っていることを意識させて、行動習慣が変わるまで繰り返すことで身に着くのです。『言葉だけ』での指導とか、注意とかに気をつけないといけませんね。