《指示命令型のリーダーシップ》

 指示命令型リーダーシップのスタイルでの問題は、それを続けていると部下の創造性を奪ってしまうということです。仕事では常に不測の事態が生じ、プランどおりには進みません。つまり仕事では、不測の事態への対応能力が求められるわけですが、指示命令型リーダーシップのスタイルでは、言われたことしかできない人を育ててしまうのです。

 自分で考えて行動できる人が減っているとこぼしながら、指示命令型リーダーシップのスタイルをとり続けるのは矛盾しています。不測の事態に対応できる部下を育成したいと望むなら、自分の頭で考えさせるようにすべきです。

 人は元来、他人に指示されたり命令されたりすることを好みません。それでも緊急で重要な案件に対しては指示命令は有効です。これまでのマネジメントは、指示命令と厳しい管理でした。コーチングは、質問を繰り返すことで“気づかせようとする”アプローチ手法です。

 ここ十数年コーチングの考え方が組織運営に支持されるようになり≪一緒に考えるアプローチ≫≪気づかせるアプローチ≫が管理者のリーダーシップスタイルとして定着してきた感があります。ただし、上記にもあるように緊急な場面等では≪指示・命令≫することは、きわめて重要なことだと感じています。