コンサルタントの船井幸雄は、“長所伸展法”という考え方を本の中で紹介されていますが、私も“なるほど!”と共感して読んでいました。以後“長所伸展法”という考え方を研修の中で取り入れています。
長所に着目をして伸ばしていくといった考え方は理解できるのですが、実際は仕事等で他人の長所に目を向けることが中々難しいのです。特に我々世代は、“欠点矯正法”で教育され躾を受けてきた感があるので、それがしっかり身についてしまって“欠点”ばかりが見えたり気になったりしてしまうのです。
私は、毎日見る手帳の1ページ目に“長所伸展法”と大きく書いていますが、それでもついつい欠点・短所に目がいってる自分に『ハッ』としてしまいます。あのP・ドラッカーも『短所は治らない。長所を伸ばすと短所が消えていく』と著書の中で書いています。長所に意識が向くことが習慣になるまで頑張らないと、と思っています。
先日NHKの番組で、発達障害の特集を放送していました。ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の方の仕事ぶりをカメラが追っていたと記憶しています。印象に残っていることが何個かあるのですが、一つは【言語認識】です。上司に『観葉植物に適当に水をやっておいて』と指示されるのですが、鉢から水かあふれてフロアーが水浸しになっても、まだ水をやり続けている。『適当に』という言葉の認識が出来ないのです。また、経理の仕事が良く出来るようになったので、経理以外の仕事を少し担当してもらうように進めていくのですが、うまく進まないのです。【業務の幅を拡げることにストレスを感じる】といったことが起きていました。人は、基本的に【長所・得意なもの】がいいんですよね。このような事例は、長所伸展法を理解する上では参考になるように感じました。