最近社員研修を実施して《問題解決思考力》と《定量的説得思考力》が不足していると感じることが多くなりました。お話を聞くと《スキルの研修》とか《マナー研修》等実務的な研修に多くの時間を使っているようです。
今日は、不足気味だと感じている《定量的説得思考力》について書いてみたいと思います。
例えば、ある自動車の販売会社で売上のない部下に対して、上司が『お前はダメな社員だなぁ。営業マンとしては失格だ。なんで一人前の仕事が出来ないんだ!そんなんじゃ奥さんや家族からも嫌われるぞ!』と叱ったとしましょう。
この場合感情にまかせ叱ることで得られるのは上司の自己満足と部下の屈辱感だけなのです。
もし目的をしっかり理解し、達成させようとしている上司であれば、次のように語るでしょう。
『うちの商品が優れていることは君も知っていると思うが、値段は他社に比べると20%程低く設定しているし、顧客満足度指数・リピーター数も高水準を維持している。もっと自信を持ってお客様に接しなさい。見込み客リストを現在の2倍にする為のアクションプランを明日一緒に検討してみよう。君の年収は、現在360万円だが、毎月売上を15%増すると520万円程に上がる可能性がある。自分自身の為、家族の為に頑張ってみるか!応援しているからな』
このような感じで上司が語ったとしたらどうでしよう。部下は上司の話に納得し、気を取り直し、自分の為に、家族の為に、そして上司と会社の為に、きっと仕事に精を出してくれることでしょう。
ここで大切な事は、具体的な目標・数値・方法などを示すことだと思います。『頑張れ、頑張れ』と励ますだけでは、ナカナカ成果は上がらないと思います。