トヨタ生産方式 大野耐一著を読んでいます。1973年に初版が出ていますね。私は、学生時代を謳歌していた頃なのですが、当時マーケティング論の授業では『マスマーケティング』という言葉が随所で使われていたように思います。(今も記憶に残っているくらいです)『マスマーケティング』を日本語で表現すると【大量生産、大量消費】というように説明を受けた気がします。要するに、戦後高度成長の時代の波に乗って大量生産することでコストダウンが実現でき、消費者には安く物を供給すると同時に企業は利益を生み出す、といったことでしょうか。
大学の授業では、当時先端の考え方として講義がなされていたのですが、“トヨタ生産方式”を読んで驚きました。トヨタは昭和の20年代から物作りに対する考え方が【多種少量で安く作ること】だったようです。【大量生産、大量消費】のまったく逆だったわけです。現在では、当たり前の考え方ですが、当時としては画期的だったのでしょう。それと、学問の分野と生産現場のギャップのようなものを垣間見た気がします。
トヨタの生産に対する考え方は、精錬され『ジャスト・イン・タイム』『自働化』へと発展していきます。