1993年に出版された“リエンジニアリング革命”という本が本棚に読まれないままになっているようでした。中身を少し確認してみたのですが、読んだ気配はありません。20年前に購入した本を今読んだのですが、中々興味深いことが色々と書いてありました。
2000年初めに“イノベーション”と言う言葉がよく使われましたが、“リエンジニアリング”は、その前のものですね。
『諸国民の富』でアダム・スミスが叙述したピン工場の生産性の向上とコストダウンを実現する為の【分業】についての記載から話が始まります。(学生時代に学習したことを思い出したりしていました)ピンの製造工程を分化して労働者一人一人に各工程を分担させることで専門性や熟練度が高まり飛躍的に生産性が高まるというものでした。成果を数値で示してあり、とても理解しやすかったと記憶しています。
“リエンジニアリング”の考え方は、ビジネスプロセスの改善として【分割して単純化していたものを、一つにまとめてみる】ということです。アダム・スミスの分業に逆らうかたちですね。『垂直統合・水平統合』という表現で示しています。いま一つは、リエンジニアリングは物事の根から着手し、表面的な改革を行ったり、既存のものに手を加えたりすることではなくて、古いものを捨ててしまうことであり、既存の構造と手続きを全て無視して、仕事を達成するまったく新しい方法を発明すること、と定義されています。
過去の成功体験が足かせとなって変革へと進めない事例に時々出合います。