“ドラッカーの実践経営哲学”から!
投資の専門家が言っている鉄則に『スリッパに履き替える会社に投資すると儲からない』という『スリッパの法則』がある。同じく『作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない』という『作業着の法則』もある。
スリッパに履き替えたり社長が作業着を着て内部に目を光らせている会社は、外部志向でなく内部志向だからだ。
言うまでもないがマネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない。
儲からないといって嘆いている企業に共通していることは、幹部が社内を歩き回ってお客(得意先)を回っていないことである。
お客を回る時も一人で回らずにお供を連れて回るのが特徴だ。会社はつぶれないものだと勘違いしているから、外部で起きている変化に無関心で社内に座っていたり、お供を連れてお客を回ることができるのだ。
お供を連れてお客を回っても、お客は顔なじみの担当者の顔をたてるから、お客からホンネの話を聞き出すことはできない。私の経験では、幹部が連隊を組んでお客を回っている企業の業績は悪い。本当に強い幹部は裏口から一人で入ってくる。
マネジメント(経営管理)の根幹は会社をつぶさないことであり、そのために自らお客をつくる活動を行うことである。お客をつくる活動を行うために社内を管理しているのである。
売上不振の原因は、お客と話をする以外に本当の原因は分からない。そうしてはじめて不振の本当の原因をつかむことができるのである。