《報告責任とは》

仕事を教える中で徹底しておきたいのが、責任の所在です。
うまくいけばいいが、失敗したら誰が責任を取るか、それが明確でないとなりません。
それには、責任という範囲の広い言葉を明確にする必要があります。責任は3つに分けられます。そしてそれぞれについて、上司・部下のどちらの責任か明確にしておきます。

① 結果責任は上司
② 遂行責任は部下
③ 報告責任は部下

これが徹底されていれば、次の通りになります。
上位から見れば、部下は決して途中で投げ出さないし、報告はきちんとするという条件付きで、結果責任は自分にある。これなら上司も納得できるでしょう。逆に、部下からすれば、自分が投げ出さずにちゃんと報告をしていれば、仮にうまくいかずとも、上司が責任を取ってくれるという安心感がある。これで、前向きに新しい案件にも取り組めます。
部下が一番嫌い恐れることは、「進めてもいいよ」と言いながら、うまくいかなかったときに「なんでそんなことをしたのか」と言い出す上司です。しかしこの原則では、そういう無責任が通せないのです。
本来は、部下が途中で投げ出したり、報告をしなかったりすることで、その仕事が失敗したとして、それは上司の責任です。こういう場合、「どうして、こいつのために私が責任を・・・・・・」と腹立たしい気持ちになりますよね。しかし、部下が「投げ出さないこと」と「報告をしっかりすること」を約束するのであれば、責任は負えるでしょう。
現実的には、「報告をしっかりすること」を守らせるのが重要です。
これが徹底さえしていれば、途中で軌道修正もできます。ちょっと頼りないと思えば、「これは任せるが、毎日の進捗状況を報告してほしい」と言えばいいのです。
どのような報告を求めるかは次に説明します。
「教え方の教科書より」