《昇格管理について》

 人事管理のなかで昇格は重要な役割を担っていますし、社員も関心が高い処遇のルールだと考えています。何故ならば、昇格するか否かで社内でのステイタスや賃金も違ってくるからです。早く昇格したいと思うのは自然であり、この制度はそれを狙っているわけです。

 そこで、一般的に昇格には“卒業方式”と“入学方式”とがあるといわれています。

 卒業方式は、現在格付けされている等級での職務・役割が充分遂行できると判定されたならば、上位の等級での職務・役割も遂行できるであろうということで昇格させる方法です。

 いっぽう、入学方式は、現在の仕事が十分出来た場合、上の仕事の一部を担当させて上の仕事を遂行する能力があるか否かを判定して、できると認定したら昇格させる方法です。

 下位等級は現在の仕事が出来れば、次の仕事のレベルも遂行できるであろうとの考え方で、昇格させる“卒業方式”で昇格させてもそれほど問題は無い場合が多いですが、上位等級では、求められる職務・役割レベルがまったく異なってくるため、仕事を実際に与えてみて、遂行できるか否かを十分検討して昇格させる“入学方式”をとるべきです。とくに、一般職から監督職階層への昇格、監督職から管理職階層への昇格は、求められる職務・役割が大きく異なるため、卒業方式での昇格には問題があるということになります。