私たちは、相手を偏りのない目で見ているようで、実際には自分の思い込みで見ていることが多いです。
そこで、今日は注意すべき人事考課エラーについて書きます。
【ハロー効果】
※内 容 特に優れた点、劣った点または全体の印象に惑わされて、被考課者の個々の特性も同様に優れ、あるいは劣っていると考えること。
※対 策 ①一つ一つの特性を分離して考課すること。②イメージや印象によって考課することなく、被考課者の具体的行動を事実をとりあげること。③被考課者一人一人について、考課要素全体をつづけて考課するのではなく、考課要素一つ一つについて被考課者を変えて考課すること。
【寛大化傾向】
※内 容 考課が一般に甘くなる傾向をいう。
※対 策 ①部下に対して厳しく批判することをためらわないこと。②他の考課者の考課結果とのバランスを考慮しないこと。③成績を見分けることについての自己の考課能力を身につけ自信をもつこと。④考課の基準が低すぎないかを反省すること。
【厳格化傾向】
※内 容 考課が一般に辛くなる傾向をいう。
※対 策 寛大化傾向と表裏をなす。
【中心化傾向】
※内 容 考課が中央に集まってしまう傾向をいう。
※対 策 ①良い悪いと断定できる程度に、十分に被考課者についての具体的事実を知ること。②その他、寛大化傾向①~③に準ずる。
【論理的誤差】
※内 容 考課要素間に(例えば、積極性と責任感)一般的に密接な関係があると考える為、事実の要素へのあてはめを誤ることをいう。
※対 策 ①考課要素ごとに何を考課するのかの区別をはっきりと認識しておこなうこと。②制度上の取り決めをよく理解すること。
【対比誤差】
※内 容 自己の専門的事項について、基準が高く、非専門的事項については低くなる傾向をいう。(寛大化・厳格化傾向と深い関係がある)
※対 策 ①客観的事実をもとに、その事実の各特性を切離して考課すること。②自己を基準におかないこと。
【逆算化傾向】
※内 容 結果としての処遇、既存の社内序列を念頭に置き、総合結果から逆算して考課を行うことをいう。
※対 策 ①考課という部下の行動評定機能とその処遇とは、明確に区別して行うこと。②考課要素別の分析考課を経て、最終の総合考課を行う手順をふむこと。