神谷美恵子著 “生きがいついて”を読み終わりました。
読みだすきっかけは、NHKEテレで取り上げられていたのを見たことでした。
普段“生きがい”について、じっくり考えることが無かったのでいい機会を与えてもらった感じです。
一番印象に残ったのは、読者からのコメントでした。
“慈雨のような一冊” 佐藤律子 一部ご案内します。
我が家の次男、拓也は、反抗期まっただ中で小児がんを発症し、苦しみながら、執着の一つひとつを手放していく様を見せてくれました。拓也にとって私は、あまりに不甲斐ない母親にすぎませんでしたが、私にとって拓也は、人としての生死を身をもって示してくれた先達でした。
『おとんもおかんも僕の看病で疲れたやろう。もう楽にしてやるな。ゆっくりお休み。僕も疲れた。』
なくなる前日、ねぎらいをこめてそういわれ、返す言葉がありませんでした。かつて朝毎に母親を睨みつけて登校していた反抗期の少年ではなく、自分の人生のチリを払い、長い別れを告げようとしている一人の旅人でした。
励ます私に向って、『分かった。僕の命をもう一度女神の天秤にかけてみる。けどどっちにしろ、今日明日が峠だ。』と言いおいて生涯を終えました。
“生きがい” それぞれ人によって違うものがあるのかもしれません。探しながら人生を送りたいと思いました。