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《人間の土台》

 職場の教養四月号に“人間の土台”をテーマにした内容が掲載されていました。
 少しご案内をします。

 人間の能力には、目に見える部分と見えない隠れた部分があります。
 一般的に能力を評価する時、目に見える部分を指す場合が多いようです。それは形や数値によって判断される部分です。企業においては、技術や技能を高め、磨き、そして向上させる為の努力が求められます。
 しかしながら、ある程度までいくと、自分の能力に限界を感じることがあります。頑張っているにもかかわらず思うような結果が出ない。努力しているのに成績が伸びない。これはスポーツなどで言うところのスランプ状態です。
 ここで大事になってくるのが、目には見えない能力です。その一つが【人間力】と言われるもので、人間の土台とも言うべき精神的な部分です。
 日常に感謝する心、自己の未熟さを知って学ぼうとする謙虚な心、そして他者をいたわる思いやりの心などの形成が、人としての土台を築きあげます。
 人間の土台を強固にすることで、自己の能力は強化されていきます。今以上の更なる飛躍のためにも、人間力を高めていきましょう。

 英語で表現すれば“EQ”【感性指数・感じる知性】ということになるのでしょうね。対極にあるのが“IQ”【知能指数・考える知性】です。
 一般的には社会に出たら、IQ 20%  EQ 80% と言われます。ここで、EQの定義を確認してみましょう。
①自分の本当の気持ちを自覚し、心から納得できる決断を下す能力
②衝動を自制し、不安や怒りなどのストレスの元になる感情を制御する能力
③目標の追及に挫折したときでも、楽観思考で自分自身を励ます能力
④他人の気持ちを感じ取る能力
⑤集団の中で調和を保ち、協力し合う社会的能力

 定義を整理すると、
①他人に対する心の持ち方 
 まわりの人に思いやりの持てる人ほど、EQ型人間
②自分に対する心の持ち方
 同じことでも、前向きに考えることができるのが、EQ型人間
 EQが高いということ、すなわちそれは、社会で他人とうまくやっていけること!!
 
 土台を強化したうえで、知識・スキルの教育をしていきたいものです。

《意識レベルの限界》

 前回に引き続き《意識》について考えてみたいと思いますが、M・チクセントミハイが興味深いことを本に書いていますのでご紹介します。

 現在の科学は、中枢神経系がどのくらい情報を処理できるかを見積もることがようやく出来始めたところである。我々は一時にせいぜい7ビット(例えば1枚のコインによる占いの結果は1ビットの情報量)の情報・・・・・・異なる音や視覚的刺激、認知可能な情報や思考のニュアンスの差異など・・・・・しか処理できないようであり、1組のピットを他の組から区別する最短時間は18分の1秒程度らしい。この数字を使えば、最大1秒間に126ビット、1分間に7560ビット、1時間にほぼ50万ビットを処理できることになる。1日16時間起きているとすれば、70年の生涯で処理する情報量は、1850億ビットになる。
 他者が何を話しているかを理解するには毎秒40ビットの情報を処理しなければならないということは、意識には限界があるということを示している。我々の最大情報処理容量を1秒当たり126ビットと仮定すれば、同時に3人の話を理解することが可能ということになるが、それは他の全ての思考や感覚を意識から閉め出すことによってのみ可能となる。例えば話し手の表情を感知したり、話し手が言っていることについて何故そうなのかを考えたり、彼が何を着ているかに注目したりすることはできない。  M・チクセントミハイ “フロー体験”より

 聖徳太子は7人の話を同時に聞くことができたといいますけど???

《意識レベル》

 コーチングでは、《顕在意識・潜在意識》あるいは、《意識レベル・無意識レベル》のような区分の仕方で“こころ”といったものを説明します。
今日は、意識レベルについて考えてみたいと思いますが、まずは意識の4つの機能から確認していきます。
①知覚機能
 知覚は、感覚を通じて認識することです。私たちは、自分なりの解釈をベースに現実についての情報を集めています。ところが、この知覚や解釈は、必ずしも正確で完全ではありません。
②連想機能
 連想は、知覚した情報が無意識レベルに蓄積されている情報と連動して観念を呼び起こす心的作用です。全ての新しい情報は、蓄積された情報と連動します。
③評価機能
 評価は、受け入れた情報を無意識レベルに蓄積されている情報と連結して、その価値判定をすることです。私たちは、受け入れた情報が自分にどう影響するかを考えます。『その情報は、自分をどの方向に向けるのか』『今までの情報と比べてどうか』などを考えて評価します。
④決定機能
 決定は、緊急性や目標に基づいて行動を決めることです。

 例えば、あなたが車を運転していたとします。高速道路で自分が追い越したり逆に追い越されたりするたくさんの車がありますが、実際には認知していません。すぐに忘れ去られてしまいます。しかし車線の間を不安定に蛇行している車に注目することが時々あります。その普通でない車は意識の中心に入り私たちはそれを知覚します。次に蛇行している車は、無意識レベルに蓄積されている情報と結び付けられ、はたして酒酔いか・居眠りか・はたまた初心者か等々連想機能を働かせます。これは注意すべきことなのかを評価し、速度を落としたり車線を変更したりするといった決断をするということになります。
 
 私たちは、五感を通じて世の中の現実を知覚し、現実との接触を保っているのです。

 次回は、この意識レベルの限界について書いてみたいと思います。

《セルフイメージ》

 仕事や人生全般で高い成果を出している人たちは何を持っているのでしょうか?
※学歴
※行動力
※国家資格etc.

 確かに有った方が有利なものですが、これで上手くいくとは限りません。私が、色んな方々との出会いの中で気付いたことは【セルフイメージの高い人が、成果を出し幸せな人生を過ごしている】ということです。

 セルフイメージとは、自分に対する期待・自分に対する意見・自分はこんな人間だ・これが自分だ等、人は自分自身のイメージを持っています。セルフイメージの形成プロセスには、セルフトークが大きな影響力を持っているのですが、コーチングではこのセルフトークをコントロールする技術を学習して頂きます。

 このセルフイメージは、私たちの日常の様々な場面で恐ろしいくらい影響していきます。
 例えば、身近なところから言うと、思考パターンや行動パターン、立ち居振る舞いに大きく影響します。さらには、年収、これから就くポジション、出会う人やパートナー、これらすべてに影響していきます。

 セルフイメージは、生れてから何年もの歳月を重ねて形成されてきました。母親からの影響もありますが、基本的には生れてから自分で身につけてきたものです。【後天的に身につけていますから、後から変えていくことが可能な訳です】ポジティブ思考・ネガティブ思考、セルフトークをコントロールすることで理想の自分に変化できるのです。

 マーティン・セリグマン博士が、『世界でひとつだけの幸せ』の本に“楽観的で前向きな人は、幸せで、長生きで、成功する!!”と書いています。

《ロミオとジュリエット効果》 

 若者の行為に親が圧力を加えることが逆効果を招いてしまうことを最も鮮やかに描き出したものに『ロミオとジュリエット効果』として知られている現象があります。
 ロミオ・モンタ―ギュとジュリエット・キャピュレットは、お互いの家同士の不和のために二人の愛を裂かれてしまったという、シェークスピア劇の悲劇の主人公です。
 彼らを離れさせようとする親たちの企てに逆らって、このティーンエイジャーたちは、自由意思を行使する究極的な手段、すなわち心中という悲劇的行為によって永遠の愛を勝ち取ったのです。
 どうして、こんなに若い二人の間に、愛の炎があれほど急速に燃え上がったのでしょう!心理学者たちは、『親の干渉と障壁』が置かれたことで、情熱の炎に油を注いだことになったと指摘する。

 このような記事がありました。
 去年のクリスマスに私は27歳の男性と出会いました。当時、私は19歳でした。本当は私のタイプというわけではなかったのですが、交際するようになりました。たぶん、年上の男性とデートするのは一種のステータス、という気持ちもあったと思います。でも、私の家族が彼の年齢が高いことを心配し始めるまで、それほど強く彼に惹かれていたわけではありません。家族が二人のことについてうるさく干渉すればするほど、私は彼を恋するようになりました。結局、彼とは5ヶ月続きましたが、もし両親が何も言わなかったら1ヶ月で終わっていたと思います。

 自由を制限されることへの反発(リアクト)なのですが、まずは『二歳児のリアクト』として現れ、十代にも再度現れるそうです。

《さて、あなたは待てるか?》

 世にもめずらしい実験です。19匹のチンパンジーと40人の人間の競争です。
 どんな競争かといいますと、『目の前のおやつを我慢して、あとでもっとたくさんのおやつを貰うこと』
 その魅惑的なおやつは、チンパンジーにはブドウ、人間にはレーズン、ピーナッツ、チョコレート、ゴールドフィッシュクラッカー、ポップコーンです。
 
 まず最初に参加者全員に、好きなものを二つ貰うのと六つ貰うのとではどちらがよいかを選択してもらいます。これはすんなり決まりました・・・・・。人間もチンパンジーも二つより六つのほうがいいに決まっています。次に、少し条件をつけて複雑にします。【二つのおやつをすぐに貰うのと、2分たってから六つのおやつを貰う】のとでは、どちらがいいかを選ばせました。
 2007年に発表されたこの研究は、チンパンジーと人間の自制心を比較した最初の研究です。この実験結果から人間ならではの性質がわかっただけでなく、忍耐力の進化の根拠が明らかになりました。
 チンパンジーも人間も、待つ必要がなれけば二つより六つ貰うほうがいいに決まっていますが、待たなければならない場合には、チンパンジーと人間ではその選択に大きな違いが表れました。チンパンジーはおやつを余計に貰おうとして、なんと72%が待ちました。いっぽう、人間のほうは、19%しか待てなかったのです。

 実に興味深いですね。さて、あなたはどちらを選択しますか?

《意志力は感染する》

 組織文化を変える!為に、制度・人材・戦略等の面からアプローチをすることになるのだと思いますが、まずは組織文化を大きく二つに分けると【建設的組織文化】ポジティブカルチャー【破壊的組織文化】ネガティブカルチャーになります。そこで、このような二つの組織文化に多大な影響を与えているものは、その中に存在する人材にあると考えます。もう少し絞ると【リーダーとかマネージャー】ということになりますね。
 
 組織が成長・発展する為には【建設的組織文化】が望ましいわけですが、今日は《感情や意思は組織の中で感染する》といった点から考えてみたいと思います。
 まずは、こんな事例から。
 18歳で高校を卒業したばかりのジョンは、米国空軍士官学校でパスから降り立ちました。荷物はバックパックひとつだけ。士官学校の新入生が所持するのを許されたわずかな品々が入っています。小さな目覚まし時計、冬用の上着、文房具等など。
 じつは、他にもこっそり持ってきたものがありますが、それはバックパックには入っていませんでした。目には見えないので、ジョンと同じ飛行中隊に配属された士官候補生たちも気づきませんでした。やがてジョンが持ってきたものは、ジワジワと浸透し、彼らの健康や空軍でのキャリアを脅かすようになっていました。
 ジョンがもたらした災厄とは、いったい何だったのでしょう!
 他人にうつるなんて信じがたい話ですが、それは『不健康な生活習慣』でした。
 
 私たちは、自分の選択は他人の影響など受けていないと思いがちですが、心理学で示しているように私たち個人の選択は、他人が考えていること、欲しがっているものや、やっていること、さらには他人が自分に期待していることなどに、強い影響を受けています。

 今日私がお伝えしたいのは、組織運営のプロセスでも『このような感染が起こる』ということです。目に見えないプラス面・マイナス面の影響です。特にリーダーとかマネジャーの影響力が強いので注意したいですね。
 

《ファシリテーター》

 私が《ファシリテーター》という言葉を初めて耳にしたのは、およそ30年くらい前になります。当時は東京で仕事をしていたのですが、先輩に『面白いセミナーがあるから参加してみないか!』と紹介されて、3日間のセミナーに参加した時に『今回御一緒するファシリテーターの●●●です』と自己紹介があったときです。セミナーは、コミュニケーションを中心にしたワークショップをファシリテーターがリードしていくといったものですが、『気付き』を大切にした内容だったと記憶しています。

 ファシリテーターとは、ファシリテ―ト【促進する・容易にする・手助けする】が語源になっていますが、チームで高い成果を出そうとした場合には重要な存在です。特に、変革を求められている組織では『変化に抵抗する人々』に対して【変化することを受け入れて】【積極的に変化する】人材となってもらう為に、ファシリテーターの存在は大きな意義があります。

 また最近感じることは、【考える人材】の育成が急務であるということです。指示待ち人材・マニュアル人材からの転換と表現した方がよいでしょうか!従来は組織の中で手足のように思われていた部署や人材が、自発的に考えて動くことが求められています。組織全体が『考える集団』でなければならないのです。お客様と接する最前線が、考えて迅速に対応できることが求められています。そういう意味でも、ファシリテーターを社内で養成していくことが重要な課題であると考えています。

《聞く力》

 以前『聞く力』阿川佐和子著がミリオンセラーになったという話題を書き込みましたが、本の紹介に『分かりますは、安易に言わない』と書いてありました。どういうことなのか!気になっていたので、年末年始に本を取寄せて読んでみました。

 阿川さんが週刊誌の対談インタビューを続けるなかで気付いたことを【35のテーマ】にして本にまとめたものですが、有名人のインタビューの裏話があったりと、ナカナカ面白い内容です。
 私が気になっていた『分かります、と安易に言わない』ということについては、要約すると次のように書いています。
 『よく人は、あなたの気持はよくわかる、と言いますが、他人の気持ちがそう簡単にわかるはずはない。だから人に対して、わかる、わかると安易に言うものではありません。そして、わかる、わかると言うような人をたやすく信用してはいけません』
 阿川さんが学生時代に恩師に言われた言葉なのだそうですが、900回のインタビューを重ねるうちに次のように考えるようになったそうです。
 『わかる、わかる』は、そもそも親切心から発せられる言葉に違いありません。でも、言い方を少し間違えると、あるいは安易に使うと、ときに傲慢と受け止められることがあります。相手の話を聞きながら『ああ、わかるわかる』と思うことは確かにありますが、その瞬間『本当にわかっているのか、君は?』と自分に問いかける作業も、同時にするよう心がけています。
 少し、わかったような、わからないような!

《人生の教訓》

 ガツンとくる教訓でした。メルマガからの転用です。

※今、居眠りすれば、あなたは夢を見る。今、何かを学習すれば、あなたの夢が叶う。

※あなたが無駄にした今日はどれだけの人が願っても叶わなかった未来である。

※勉強に励む苦しさは今だけであり、勉強しなかった苦しさは一生続いていく。

※明日やるのではなく、今日にやろう。

※時間は絶えず去りつつある。

※学習は時間がないからできないものではなく、努力を欠いているからできないものである。

※幸福には順位はないが、成功には順位がある。

※学習は人生の全てではないが、人生の一部として続くものである。

※学習することが人生の全てとは言わないが、学習すらできぬ者に何ができるであろうか。

※人より早く起き、人より努力して、初めて成功の味を真に噛みしめる事ができる。

※怠惰な人が成功する事は決してない。

※時間が過ぎるのはとても早い。

※今の悔しさは将来喜びの涙となる。

※犬のように学び、紳士のように遊べ。

※今日歩けば、明日は走るしかない。

※一番現実的な人は、自分の未来に投資する。

※教育の優劣が収入の優劣になる。

※過ぎ去った今日は二度と帰ってこない。

※今この瞬間も相手は読書をして力を身につけている。

※努力無しに結果無し。

 さて、いかがでしたか?