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《任意後見制度》

 今日は成年後見制度の一つである“任意後見制度”について書いてみます。

 任意後見制度は、認知症などで判断力が不十分な人のために、後見人が財産管理や契約などを行う制度です。成年後見制度には、認知症などで本人の判断能力が低下した際、身内などが後見人を家庭裁判所に申請する『法定後見制度』がありますが、“任意後見制度”は、本人が元気で判断能力のあるうちに後見人と契約を結ぶ制度で、本人が後見人を選ぶという点で『法定後見制度』と異なります。

 任意後見が始まって、後見人に代行してもらう内容としては
【預貯金や不動産の管理】
【老人ホームの入居手続きや利用料の支払い】
【生活費の送金】
【要介護認定の申請】等々ですが、任意後見制度の契約内容は公証人役場で公正証書として作成します。

 制度の利用にあたっての注意点を池田利子(社会福祉士)さんは次のように説明しています。
 任意後見制度は、親族がいない人向けと考えられがちだが、親族がいても自分らしく一人で老後を送りたいという人にも考えてほして仕組みだ。
 後見人は介護などをしてくれる人ではなく、自分の望む老後の生活に必要な契約や金銭管理を代行してくれる人。まずは、どのような老後を送りたいのか、自分で主体的に考えておく必要がある。例えば、自宅か施設か、どこで介護を受けたいのか、財産を取り崩す時はどの財産から処分したらいいのか、などだ。
 後見人は、自分より先に判断力が衰えては困るので、20歳くらい年下の人がいいだろう。信頼できるか見極めるのは難しいが、その人にキャッシュカードを預けてもいいと思えるかどうか、といった点が一つの目安になる。

《消費税と介護業界》

 消費税の増税が1年半先送りされることが発表されました。4月に消費税が8%になってマスコミの報道にもあるように、住宅や自動車などの駆け込み需要が瞬間的にありましたが、全般的には消費は落ち気味という結果になっています。

 消費税の増税分の一部は介護業界に予算をつける計画でしたので、財源が不足しますので介護報酬に大きな影響が出ることが予想されます。来年度の報酬改定では『ディサービス』への報酬がダウンするようです。以前はドル箱と言われていたディサービス部門は、事業者の増加による競争激化で利用率の低下とダブルのダメージを受けることになります。

 厚生労働省は、施設から在宅での看取りを狙って介護報酬や診療報酬の制度設計をしていることが最近の流れで読み取れますが、個人的には在宅での介護は、『老老介護問題』として取り上げられているように大変厳しいものがあるように感じています。

 今後、人件費コントロールも含めた人事管理が経営者に求められています。管理者から経営者に変わらなければならない時期になりました。

《牛丼業界は?》

 学生時代にゼミの課外研修で“牛丼の吉野家”さんのコンピュータールームを見学して早40年が経過しました。当時は吉野家さんも飛ぶ鳥を落とす勢いで、私もお腹をすかせてはお店に飛び込み腹を満たしていました。感謝です。
 
 見学したコンピュータールームは、今のパソコン一台分にも相当しないレベルのものを一定の温度で空調を管理して、電算機が広いスペースを占領していました。私の記憶では、全国に点在している各店舗の売り上げを本部で電算機によって集中管理しているということだったようにおもいます。

 当時の牛丼一杯の値段より40年経った現在のほうが安いです。まったく驚きですが、今期の牛丼大手3社の中間決算が発表されていましたので見てみたいと思います。

      すき家  吉野家  松屋 (単位 億円)
 売上高   2515 889 397
 
 営業利益   11 17 6

優良な企業の営業利益率を仮に3%とした場合に、2500億の3%は75億円になります。アルバイトの時給が1000円以上に達し、牛肉の市場価格は1年前に比べて1.4~2倍に達しているといいます。厳しい経営を強いられていますね。 

《お泊りディサービス》

 弊社のお客様には【特別養護老人ホーム】や【老人保健施設】がありますが、特養への入所は特に難しいというのが実情です。入所を待っている待機者の数は、定員の二倍・三倍というのがあたりまえの状況です。
 高齢者施設が以上のような中で【お泊りディ】の利用に最近注目が集まっています。

※1年超連泊者も  読売新聞の記事より

 日帰りが原則の通所介護事業所(ディサービス)で、宿泊サービスも行う『お泊りディ』が急増している。全国で約3900ヶ所あるとみられ、東京都内では402ヶ所と4年前と比較すると2倍以上になった。
 背景には、暮らしの場が見つからない認知症高齢者らの増加がある。厚生省によると、特養への入所待ちは52万人。過去4年で10万人増えた。同居家族が介護する世帯の半数は老老介護。低所得世帯も増え、こうしたサービスに頼らざるを得ない状況がある。
 お泊りディは一泊2食で2千円前後と安価なところが多く、急な依頼にも応じる使い勝手の良さが売りだが、宿泊は介護保険の対象外で、行政の目が届きにくい。1年以上の長期連泊者もおり、事実上の住まいとなっている。男女の区別なく雑魚寝させている施設もある。
 お泊りディに対する規制を強める自治体は増えているが、規制だけで長期宿泊が解消されるかは不透明だ。
 『連泊数を制限しても、自宅には戻れない。単に規制するだけでは、行き場のないお年寄りの居場所がなくなってしまう。一番困るのは本人と家族だ』宿泊ディの管理者の女性(60)は割り切れない思いでいる。

《訴訟社会》

“交通事故訴訟急増”
 最近上記のテーマ記事が読売新聞で大きく取り上げられていましたが、内容を少し紹介致します。

 自動車事故の被害から保険加入者を守るための弁護士保険が、物損事故の訴訟の急増と審理の長期化を招いていることが、最高裁の調査などから浮上した。訴訟の乱発によって、保険金の支払いが膨らむことに損害保険会社からは悲鳴が上がり始め、裁判所からも『弁護士が報酬目的で訴訟を引き延ばしているのではないか』と指摘する声が出ている。

 過払い金返済訴訟、物損事故訴訟、最近は時間外請求訴訟と労働問題にも拡がりをみせています。私のお客様の中にも労働問題での訴訟を受け係争中というところもあります。

 ある方のブログにこのような書き込みがありました。

 勤務先に対しての忠誠心が高く、上司のみならず本人の家族とも勤務先に対しては良好であった労使関係が、突然のこうした労働裁判によって崩れようとしています。弁護士が代理人になることで、本人と直接に話ができないのをいいことに、1のことが100と騒がれ、一つひとつ言葉を選ばなければならなくなりました。守るべきものは労働者ではなく弁護士の生活なのでしょうか!

 社内には色々とトラブルがあります。本人と使用者がキチンと向き合って腹を割って話し合うことで、多くの事は解決できるのではないかと考えます。

《デイサービスの見学》

今週は、山形県酒田市にあるデイサービス“福祉のひろば”さんの施設見学に同行してきました。今年の五月に宮城県の老人保健施設の職員さんが“福祉のひろば”さんの施設見学にお出でになった時に同行して以来二度目になります。

私は、酒田に住んでいますが“福祉のひろば”さんのことはよく知らなかったのです。今年の3月に顧問先である宮城県の老人保健施設様から『施設見学を実施したいのでセットしてほしい』との御依頼があり“福祉のひろば”様と連絡を取ったところ快く承諾してくださいまして施設見学の運びとなりました。

“福祉のひろば”様は、株式会社でデイサービスを経営され、現在山形県内に3カ所のデイサービスを運営されており、職員数は90名程度です。私は、酒田市内の施設を見学したのですが《パワーリハ》《水分捕球》《排泄》に力を入れておられます。要介護4の利用者を要介護2、要介護4の利用者を要介護3に改善させたといったようなことが起きています。

最近は、研修でお伺いした施設で“福祉のひろば”様の取組等を話したりしていますと『是非見学してみたい』ということになったりします。今回もそんないきさつで岩手県の特別養護老人ホームの職員さんが見学をさせて頂きました。

前回の見学時より更にクオリティーが高まっているように私には感じましたし、職員が生き生き元気に働いていることが強く印象に残りました。

福祉のひろば様には心より感謝申し上げます。有難う御座いました。

《セミナーのポイントⅡ》

 前回に続いて、岩手県中央ブロックで講義をした内容からポイントの二つ目を御案内します。

※ポイントの2
 解っていることと出来ることの違いを認めましょう。

 これは、知っていること(理解していること)と出来ることの間には、大きな溝・隔たりがあるということです。ここに時々勘違いがあったり、解ったことで出来るつもりになっていたりすることが見受けられます。この溝・隔たりを埋める方法には練習・トレーニングが必要なのです。

 例えば、水泳ができるようになりたいとします。水泳の理論は、人の話を聞いたり、本を読んだりすることで理解することはできますが、それだけでは泳げません。泳げるようになる為には体を使って水になじんで、水への恐怖感を取り除き、体験型の泳ぎの練習をするしかないのです。

 これ以外に泳げるようになる方法はありますか?このポイントを忘れたり、楽をしようとしたり、手抜きをしようとしたり、表面を取り繕うとしたりすると、あとからしっぺ返しがくるのです。

 理解することと実践すること、どっちも大切なのだ!ということですね。

《研修を終えて》

 7月17日~18日と岩手県繋温泉を会場にして、岩手県老祉協中央ブロック施設長研修を実施致しました。当日は、40名程の施設長様たちが熱心に講義を聞いて下さいました。心から感謝申し上げます。二日目は前日の宴会が盛り上がり、ついつい飲み過ぎたようで、二日酔い気味で話をすることになってしまいました。
 私にとって大変に楽しい研修になりました。すぐにブログにアップしたかったのですが、その後出張が続きまして本日になってしまい申し訳ありません。本当に有難う御座いました。

 当日は、組織活動についての話を中心に進めたのですが、二つほどポイントを御紹介致します。

※ポイントの1
 組織でコミュニケーションをとる場合には、多くは言語を使用している訳ですが、その“言語の意味”を確認したり統一する必要があること。
 例えば『問題を共有する』という表現で部下や同僚に対して言葉を使います。そこで、この『問題を共有する』ということは『どういうことでしょうか?』と受講生の方々に問いかけることがあります。答えは、色々と返ってきます。
 もし、共有するという言葉の意味が当事者と相手の二者間において違っていたらどうなるでしょうか。いくらコミュニケーションの量(回数)を増やしたとしても、もともと意味がズレていますから、期待通りに伝わりません。もしかすると、期待していたことが実行されなかったりトラブルが発生したりするといったことも生じかねません。
 この『問題を共有する』という言葉の定義・意味を明確にすることでコミュニケーションの質を高めることが可能となります。色々な定義付けが出来ると思いますが、『問題を共有するということは、問題を一緒に考え・対策を一緒に設定すること』というように。
 部下・同僚等の中で『解ったつもり』になっているのは危険です。
 組織は言葉の上に創造されると言います、大切にしたいものです。

 ポイントの2は次回書き込みます。

《ブラックバイトに御用心》

 読売新聞の記事から

 アルバイトに責任の重い仕事や長時間労働を強いるトラブルが広がっている。若い社員を酷使し、使い捨てる企業を指す『ブラック企業』になぞらえ、『ブラックバイト』と呼ばれる。学生のバイトが増える夏休みを前に、専門家が注意を呼びかけている。

 東京都内の大学3年生の女性(21)は、1年生の時から飲食店でアルバイトをしている。当初の条件は『週2回、3時間』だった。だが、半年ほどたった頃から週3回勤務を要求されることが増えた。「勉強の時間がなくなる」と断ると、店長に「ほかにいないんだー」と怒鳴られた。
 急に電話で呼び出されたことや、休憩なしで8時間以上働いたこともある。サークルの行事と重なって勤務の変更を頼んでも「無理」と一蹴されたり、風邪をひいて「休ませてください」と伝えても「よく寝た後で出勤できないか」と催促されたりしたという。

 これからバイトを探そうという人に「面接の時に働けない曜日や時間を伝え、自分の都合と合わなければ、慌てないで他を探すこと。また、できるだけ、労働時間や業務内容、賃金などを記した契約書を作るよう、バイト先に要求したほうがいい」と弁護士の佐々木さんは話している。

《今日は3・11 でした》

 今日は、岩手県で研修をしていました。三月は人事考課の時期ですから、評価の方法・フィードバック面接・年上部下とのコミュニケーション等について説明をしていました。
 
 今日は、3・11なので2時46分に黙祷を皆で行いました。3年の月日は私にははやく感じました。

 読売新聞の記事から

 人生相談
 60代の女性。いつ来るかわからない地震におびえています。
 特に夜になって、暗くなってくると、心臓がドキドキして眠れません。
 新聞に地震という文字が書いてあったり、テレビで地震と聞いたりしただけで、もう怖くなってしまうのです。
 落ち着いて、心穏やかに過ごすには、どうしたらよいのでしょう。教えて下さい。

 回答
 「大丈夫ですよ!」と確実に保証できる人はありません。
 ただ、あなたの不安が本当の意味で解決できるのは、『人事を尽くして天命を待つ』という心境に至った時です。
 つまり、防災グッズをそろえたり、食料の備蓄をしたり、寝床の横に靴を置いたり、まだやっていなければ、是非行動を起こして下さい。動くことで不安が自体が軽くなると言われていますから、お勧めです。
 うまくいって、『地震?備えはバッチリ』という心境になれば完璧です。

 
 最近、震災の報道が多いですね!
 不安に怯えている人たちが多いことも事実です。