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《ビリーフチェンジ》

 人は、いろんな思い込み・信じ込み・固定観念を持っています。今日は、これらを一まとめにして【ビリーフ】について考えてみたいと思います。

 よく引用されるケースで、コップに半分の量の水が入っていたとします。この半分入っているという事実に対して、『もう半分しか入っていない』と否定的(ネガティブ)に捉える場合と、『まだ半分も入っている』と肯定的(ポジティブ)に捉える場合の二つがあると考えられます。コップに半分水が入ってるという事実は、ポジティブでもネガティブでもなく中間(ニュートラル)です。

 この違いはなんでしょう!

 これは、思考習慣の違いです。小さい時から現在までに身に付けたものです。もう少し詳しく言うと、自分自身の中にある【コア・ビリーフ】といわれるものの違いなのです。【コア・ビリーフ】とは『考え方の癖』です。この【コア・ビリーフ】がポジティブな人は、ほとんどの出来ごとに対してポジティブな捉え方をし、逆に【コア・ビリーフ】がネガティブな人は、物事をネガティブに捉えがちなのです。

 誤解のないように伝えておきますが、私は決して『ポジティブがいちばん』『ポジティブ最高』と言っているのではありません。人には両面が必要なのです。時には、苦しい・つらい・悲しい感情としっかり向き合うことも大事だと考えています。だから、ネガティブな考えを無理やりにポジティブに変えたり、消し去ろうとする必要はないのです。

 大切なことは、ネガティブな捉え方だけでなく、【色々な視点から出来事を捉えられるようになる】ことです。

《言葉を考察》

 ある事例です。

 ゴルフのコンペから帰ってきた部下が、『今日は何度かミスをしてしまい、せっかくの優勝のチャンスを逃してしまいました。せっかくアドバイスをもらったのに』としょげかえっています。

 あれっ!と思い、『誰がアドバイスをくれたの?』と聞いたところ・・・・・ 『もちろん優勝した男ですよ。右はバンカーだぞ、打ち込むなよって、三度も注意してくれました』

 人の良い彼には失礼ですが、思わず笑ってしまいました。気の毒に彼は、優勝者の仕掛けたワナに見事にはまってしまったのです。

 人は、『ミスをしてはいけない、とイメージすると緊張して』かえってミスをしてしまうものです。『ミスをするなよ』というアドバイスの裏には、『ミスをしろよ』という意図が隠されていたのです。

 ヨチヨチ歩きの子供に、親は『転ばないで!』と声をかけることがあります。もちろんこれはワナではありませんが、『転ぶなよ』と声をかけられた子供は、無意識に【転んでいる自分をイメージ】してしまい、実際に転んでしまうということが起きてしまいます。

 ポイントは、起きてほしくないことを言葉にするのではなくて、【起きてほしいことを言葉にする】ことです。

 

《アドラー心理学》

 アドラー心理学“嫌われる勇気”の著者、岸見一郎さんの記事(父親の介護の様子)が読売新聞に掲載されていました。

 アドラー心理学は、オーストラリア出身の精神科医アルフレッド・アドラーが創始した。
 『人は“原因”ではなく、自らの“目的”によって行動する。過去や周囲がどうであれ、自分が変わろうとすれば変われるとする考え方だ』

 『怒りをぶつけたくなった時、相手とどんな関係を築きたいのかを考える。行動を支配するのではなく、相手に“お願い”する。聞くか聞かないかは相手が決める。これを実践するだけで、感情的になる頻度は確実に減らせます』

※編集後記
 相手の言動にイライラしたり怒りを感じたりして、感情的になってしまう。これは、介護の世界だけでなく夫婦関係や子育てにもあてはまることだと思う。家族という距離は近すぎて遠慮がなくなってしまうのか、大切な友人には決して言わない言葉を投げつけ、関係を悪くしてしまう。配偶者や子供とも、いつかは別れの時が来る。だから今、共に過ごす時間を大切にしたいという岩見さんの言葉に深く共感した。

 【嫌われる勇気】の本では
※課題の分離
※劣等感と劣等コンプレックスの違い等、
 ひきこもり・赤面症を事例に興味深いことがたくさん書いてあります。

《失敗をかてにしましょう》

 誰にでも、忘れてしまいたいような失敗はあるものです。

 失敗をきれいさっぱり忘れられれば、たしかに気持ちは楽になるでしょう。しかし、その一方で失敗から学び、大事な教訓として活かすこともできるのです。

 江戸幕府を開いた徳川家康には、堂々とした、威厳のある肖像画が残されています。それとはまったく異なり、憔悴しきった家康の姿を描いた【家康のしかみ像】と呼ばれている画があります。

 家康は、31歳の時、三方ケ原の合戦で武田信玄に散々に打ちのめされ、恐怖のあまり、脱糞しながら敗走したといいます。

 この敗戦を肝に銘ずるため、家康は己の惨めな姿を従軍絵師に描かせ、いつも身近において、慢心を自戒したと伝えられています。

 失敗は苦い経験です。しかし、眼をそむけずに真正面から受け止め、《大事なことを教えてくれる有難い先生だ》と謙虚に教えを乞い、自己成長のかてとする時、失敗は一変して輝く宝物となるのです。

 ※職場の教養より

《燃え尽き症候群》

あなたにも思いあたるフシ、ありませんか?

 念願のマイホームを手に入れた。第一志望の大学に見事に合格した。子育てが終わった・・・・等々、ある目標を成し遂げた後にフッと虚脱状態に陥ることがあります。このような症状のことを『空の巣症候群』と呼んでいます。

 また、教師が一所懸命に生徒を指導したり、カウンセラーが心身を削ってクライアントを治療しても、一向に成果が出ないときなども、やはり虚脱状態になります。

 この虚脱状態があまりに長引くと様々なところで支障をきたします。もう何をやっても興味がわかず、中途半端になる、何もする気が起らないといった無気力状態に陥ってしまうのです。

 このような状態を『燃え尽き症候群』と呼んでいます。

 性格的には、几帳面で真面目に物事にあたり、何事にも手を抜けない人が陥りやすいといえます。

 ゲシュタルト心理学によると、人は目標を実現してしまうとエネルギーの供給を制限していまいます。それは、目標を実現してしまうと維持するためのエネルギーを除いて消滅してしまうということなのです。ですから、エネルギーの供給を維持するためには、目標の実現に近づいたら“目標を拡大する”か、“次の目標を設定する”ことが必要になるのです。

 私たちは、目標を常に持ち、睡眠さえ普通にとっていればエネルギーが無くなるということはないのです。 

《影響の輪・関心の輪》

 【関心の輪】(自分ではコントロールできない事柄)と【影響の輪】(自分でコントロールできる事柄)のどちらの輪に、自分のエネルギーや時間を集中しているかを判断する一つの方法は、『持つこと』と『なること』を区別することです。

 【関心の輪】から生じる望みは、『持つこと』に満ちています。
 『家さえ持てれば幸になれる』
 『もっと親切な上司を持っていたら・・・』
 『もっと忍耐強い夫を持っていたら・・・』
 『もっと素直な子どもを持っていたら・・』
 『一流大学を卒業してさえいれば・・・・』
 『もっと自由な時間を持っていたら・・・』

 これに対して、【影響の輪】から生じる望みは、『なること』に満ちています。
 『私はもっと忍耐強くなる』
 『私はもっと賢くなる』
 『私はもっと優しくなる』

 私たちは、『目標の明確化』という知的創造に対しては、大いなる自覚を持って自ら責任を引き受けなければなりません。

 もしそこで責任を回避すれば、【影響の輪】(自分でコントロールできる事柄)の外にある※他の人や※周りの状況に、自分の人生を方向づける力を委ねてしまうことになってしまいます。

《自己コントロール》

 7つの習慣“S・R・コヴィー”著の中で、私の好きな考え方があります。それは、【関心の輪】と【影響の輪】という事柄に対する二つの捉え方です。

【関心の輪】
 関心の輪(自分ではコントロールできない事柄)の中で自分の人生の意味を探し求めることは、主体的(積極性に富み、前向き)な責任を放棄し、知的創造のプロセスを周囲の状況や他人の手に委ねること。

一方【影響の輪】
 ※直接的にコントロールできる問題(自分の行動と関係している問題)
 ※間接的にコントロールできる、あるいは影響できる問題(他人の行動と関係している問題)
 ※全くコントロールできない問題(誰も影響できない問題、過去の出来事など)

 これらはすべて、私たちの“影響の輪”(自分でコントロールできる事柄)の中に入っています。
 
 そうです、直接的・間接的・全くコントロールできない問題のいずれにしても、解決の第一歩は自分の手に委ねられているのですね。

 

《ビジネスコーチング》

 先週は、一日カン詰で《ビジネスコーチング》の研修を受けてました。久しぶりにしっかり勉強をしたので、心地よい疲れで帰ってきましたが、定期的にサビ落としをしないといけないと感じています。

 《ビジネスコーチング》の目的とするところは、組織目標達成の支援になります。当然組織を構成しているのは、個人ですから個人の目標達成を支援することが、最終的には組織の目標の達成に繋がるという仮説に基づいて進めていきます。
 
 基本的にはセルフコーチングがベースになっていますが、これはとても重要なことです。組織、個人が永続的に目標達成を実現する為には【自らをコーチングすることができる】ことがポイントだからです。

 《ビジネスコーチング》は、脳科学・認知心理学から≪目標設定≫≪動機づけ≫≪快適ゾーン≫≪セルフトーク≫≪セルフイメージ≫について理論的に説明していきます。十数時間の研修になりますが、活力ある組織を創るために大変役立つ理論だと実感しています。特に目標管理制度を運用している組織では、効果が高いと思います。

 閉塞感を感じる時代になりました。打破する為に《ビジネスコーチング》を推薦します。

《心の健康を守る》

 双極Ⅱ型 安易な診断も・・・・・読売新聞の記事から

 東京の大手企業に勤める30代の男性は5年前、過労と睡眠不足が続く中で生じた落ち込みや焦燥感を『うつ病』と診断され、抗うつ薬が処方された。だが激務は変わらないので治らず、別の精神科医が“双極Ⅱ型障害”と診断した。うつ状態なのに仕事に打ち込む男性の行動を、病的な気分の波とみたのだ。実際は強い責任感ゆえだったのだが。

 今度は気分の高揚を抑える薬などが処方され、倦怠感が強まり働けなくなった。男性は休職が長引き、昨年、困って相談したのが、独協医大越谷病院だった。治療の経過を聞いた、診療科教授の伊原さんは思った。『うつもそうも軽い。妙な薬物治療で気分の波が増幅され、苦しんでいるだけだ』

 伊原さんは、十分な睡眠と規則正しい就寝・起床のリズムで、気分の波は緩やかになると説明し、7時間以上の睡眠を勧めた。酒は眠りの質を悪くするため、回復するまでは厳禁とし、薬を少しずつ減らした。間もなく男性は復職し、現在は薬も飲まず、睡眠時間の確保だけを意識しながら元気に働いている。

 伊原さんは『寝不足で元気が出なかったり、感情の起伏が激しくなったりするのは自然な反応で、それを病気だと騒ぐ医者こそが問題だ。現在の治療に疑問がある人は、是非セカンドオピニオンを受けて欲しい』と勧めている。

《自信って!》

 読売新聞 人生案内より

 質問
 20代の男性。大学生です。就職の内々定をいただいたのですが、やっていける自信がありません。
 内々定が出たのが5月で、営業職として働くことが決まっています。
 しかし、私は会話をするのが苦手で、途中で言葉がつかえてしまうことがよくあります。大学のグループ討論や発表の時、まず失敗を恐れてしまう消極的でひきょうな性格です。
 こんな私が就職したら、会社のお荷物になってしまうのではないか、と不安な毎日を送っています。
 ただ、私自身ものを売る営業の仕事を通じて、お客さんに喜んでもらいたいという気持ちだけはあります。
 どうしたらいいでしょう。

 回答
 就職内々定おめでとうございます。
 あなたは正直で真面目な方とお見受けします。おしゃべりでおもしろいことを言う人が営業パーソンとして優秀とは限りません。
 顧客の信頼を得るためには、相手の話をよく聞き、相手の立場になって一緒に考える能力が重要なのです。
 今の採用担当者の目は節穴ではありません。あなたを採用した企業は、あなたにそのような能力があることを見込んで内々定を出したのではないですか。多少話すのが苦手でも、練習すれば大丈夫です。
 採用してくれた企業に感謝し、そこで一人前に育ててもらう心構えがあれば、あなたも一流の営業パーソンになれますよ。
 自分を過小評価するのが、あなたの悪い癖かもしれません。あなたが会社で活躍している姿をイメージし、そんなふうになれるんだという思いを持ち続けてみては。
 心配せずに、残り少ない大学生活を有意義に過ごしてください。   回答者 山田昌弘

 自信をについての内容ですね。社員のモチベーションにもつながる重要なテーマです。