組織運営」カテゴリーアーカイブ

《企業の組織文化》

※強い文化 対 弱い文化

 最近企業の組織文化において、強い文化と弱い文化を区別する考えがますます高い指示を得ています。これは、強い文化は従業員に対する影響がより強く、転職を減少することに直接関連するという議論です。

 強い文化の特徴は組織の中心的価値観が強く保持され、しかも広く共有されているということです。中心的価値観を受け入れる従業員の数が多く、このような価値観への関与が強いほど、強い文化となります。

 一方弱い文化は、あいまいさ、不明確さ、あるいは一貫性の欠如を特徴とした文化ということになります。前述の定義によれば、強い文化はそのメンバーの行動に対して強い影響力を持ち、高いレベルの共有意識と価値観へのコミットメントの度合いにより、メンバーの行動が厳格に管理される内部環境がつくり出されることになります。

 たとえば、ノードストロームというアメリカの有名な企業は、小売業界において最も強力なサービス文化を構築した一例です。ノードストロームの従業員は、自分たちに期待されていることを明確に理解しており、こうした期待が彼らの行動を形成するうえで大きな役割を果たしているのです。

 強い文化の具体的結果は従業員の転職率の低さとして確認することができます。強い文化では、組織が拠り所とする基盤に関して組織メンバーの強い一致が見られます。そのような目的の一致から、団結、忠誠および組織関与が生じ、これによって従業員が組織を去る傾向が減少するのです。

《リンゲルマン効果》

 “リンゲルマン効果”という言葉を聞いたことがあるでしょうか!
 心理学者リンゲルマンは、こんな実験をしました。
 綱引きに参加する人数によって1人当たりの力の出し方がどう変化するかといった実験です。その結果、一人の場合を100とすると、2人では93に、3人では85になり、人数が8人になると半分以下の49まで低下したのです。これを『リンゲルマン効果』といいます。
 集団の場合に『自分一人くらい力を抜いても大丈夫だろう』といった行動が現れるのでしょう。なんとなく感覚的に分かるような気がします。

 このような“リンゲルマン効果”への対応策を挙げてみます。
①集団を小規模にする。
②集団目標への合意を促進する。
③他の集団との競争を促進する。
④集団全体に報酬を与える。
⑤個々人の役割分担を明確にする。

 メンバー相互で仕事の途中経過や成果を確認し合うことにより、各メンバーに連帯感や仕事に対する達成感等を持たせることが効果的です。

《組織とシナジー効果》

 組織のひとり一人の違いや個性から、チームシナジー・イノベーションが起きることについて“7つの習慣”から紹介します。

 違いを尊重することがシナジーの本質である。人間はひとり一人、知的、感情的、心理的にも違っている。そして違いを尊重できるようになるためには、誰もが世の中をあるがままに見ているのではなく、『自分のあるがまま』を見ているのだということに気づかなくてはならない。
 
 もし私が世の中をあるがままに見ていると思い込んでいたら、自分との違いを尊重しようと思うだろうか。『間違っている人』の話など聴くだけムダだと切り捨ててしまうだろう。『私は客観的だ、世の中をあるがままに見ている』というのが私のパラダイムなのだ。『他の人間は皆些細な事にとらわれているけれども、私はもっと広い視野で世の中を見渡している。私は立派な視野を持っている。だから私は上に立つ者としてふさわしい人間なのだ』と自負しているのである。
 
 私がそのようなパラダイムをもっていたら、他者と効果的に協力し合う相互扶助の関係は築けない。それどころか、自立した人間になることさえおぼつかないだろう。自分の思い込みで勝手に条件付けしたパラダイムに縛られているからである。
 
 本当の意味で効果的に人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があるということを認められる謙虚さを持ち、心と知性の交流によって得られる豊かな資源を大切にする。そういう人が個々の人の違いを尊重できるのは、自分とは違うものを持つ他者と接することで、自分の知識が深まり、現実をもっと正確に理解できるようになるとわかっているからなのである。自分の経験したことしか手元になければ、データ不足であることは明らかである。

《運動会での綱引き競技》

 昨日は、地区の運動会で盛り上がりました。晴天の中で、けが人・熱中症もなく無事終了して“ホッ”としております。自治会の役員として準備から参加するようになって三回目ですが、だいぶ要領も分かるようになって楽しみながらのイベントでした。

 午後の部で“綱引き競技”があり、私は応援団として遠くから見ていました。13チームがトーナメントで戦って勝敗を決めるのですが、残念ながら我がチームは1回戦で敗退でした。何故か例年決勝戦は、ほぼ同じチームで争うことになります。この2チームは、我がチームと比較すると力を合わせて綱を引くタイミングが全員ピッタリなんです。我がチームは、とりあえず掛け声をかける人はいるのですが、皆が勝手に自分のペースで綱を引くので、どうも・・・・?です。

 組織活動について色々と勉強をしていますが“チームシナジー”を創出する為には、ひとり一人の力を1点に集中することと、タイミングを合わせることが大切だということを再確認しました。

 余談ですが、優勝チームの監督に“綱引き競技”のポイントを聞いたところ、一つは一番前の人が綱をなるべく高く上げること、二つ目は一番後ろの人は綱が常にまっすぐ一直線になるように気を付けること、と言っていました。
 確かに一直線にして力を入れたほうが効率的です。

 組織も目標や方針がネジ曲がってきた時には、まっすぐになるように調整をしないといけないのかもしれませんね!

《win:winを考える》

 7つの習慣より

 次の例は、正式な人事考課制度を導入しようとしていた企業である。

 その会社の人事部長は、あるマネージャーへの評価点に不満を持っていた。『このマネージャーの評価はBが妥当なのですが、S評価をつけなくちゃいけない』と彼は言った。S評価は最高レベルの評定であり、昇進の権利がある優秀な社員ということだ。
『なぜなんです?』私は聞いた。
『好成績をあげているからですよ』
『それならS評価をつけてもよいのでは?』
『彼のやり方が問題なんです。人間関係で何かと問題を起こしているトラブルメーカーなんですよ』
『どうやら成果しか眼中にない人物のようですね。そういう人物に最高の評定というのは、確かに納得はいきませんよね。どうですか、彼と話し合って成果だけではなくて、態度の大切さも教えてあげたら!』

 人事部長が言うには、とっくに話はしてみたものの、効果はなかったという。
『それなら、win:win実行協定を結んでみるのはどうでしょうか。評価の基準は成果を半分、残りの半分は部下や同僚からどのように見られているかを基準にする。リーダーシップ・人材育成・チームづくりの視点で評価すればいい』
『そうか、それなら彼も聞く耳を持つだろう』

 多くの場合、問題があるのは人ではなくシステムのほうである。いくら優秀な人材でも、悪いシステムに入れたら悪い結果しか出てこないのである。

※構築時点ではベストの制度であっても、時間の経過・環境の変化によって、いろんな問題が出てきます。定期的なメンテナンスの重要性を私は感じました。

《仕組みを壊せ》

 社内に仕組みは必要です。
 しかし『間違った仕組み、ヘタな仕組み』は有能者をつぶすことになります。

 会社は学校ではありません。お客様に喜んでいただくことで利益を上げ、その利益を社員、株主、会社といったステークホルダーに分配する。レベルが高ければ高いほど、利益が上がり、いい貢献ができる。

 しかし、この流れを妨げるのが『間違った仕組み、ヘタな仕組み』です。
 人はいろんな仕組みを作りたがり、色々な情報を欲しがり、いらないものをたくさんつくる傾向がある。特に、失敗を恐れる人は、失敗しないようにいろんな仕組みをつくるのです。そして、これらの仕組みはたいてい能力の低い人にあわせて作るために、有能な人にとってじゃまである場合が多いのです。

 困ったことに、一度作った仕組みは、なかなか壊すことができない。その仕組みをなくして、たまたま失敗が起きると『何故なくしたのか』と上司に叩かれる。
 すると、触らぬ神に祟りなし、と無駄をなくすことをやめてしまう。こうして作業効率の悪い事務作業の負担ばかりが増えてしまうことになるのです。

 レベルの低い人に合わせて仕事の仕組みをつくるのではなく、出来る人に合わせて仕事の仕組みをつくることが大切です。
 他にも、複雑な仕組みをつくっているが、実はもっと簡単な仕組みでいいという箇所はないでしょうか。簡単にやれば10秒ですむようなことを、回りくどい仕組みにつくり過ぎてはいないですか。
 あなたの仕事でも一度じっくり考えてみてください。

 

《チェックは出口一カ所で!》

 管理をしている人は、ミスが起こらないように何重にもチェックをしなければいけない、という先入観を持っている場合があります。例えば、一度のチェックでミスが発生したのだから二回・三回とチェックの回数を増やそうとすることです。

 しかし実際には、そう何度もチェックする必要はありません。
《出口一カ所のチェックで十分》です。

 スーパーや小売店では、ゲートチェックで万引きを防止しています。
 レジを通さない商品や払い忘れた商品があれば、出口のゲートで警報が鳴る仕組みです。
 これを、入店時から見張ろうとすれば、お客様すべてを疑い、動き一つひとつを見張らなければならないことになります。
 仕事においても、一からすべてを管理してチェックをしようとすれば、大変な労力・コストが発生します。さらに、誰かがチェックするだろうという甘えも出てきます。

 時々、確認欄のたくさんある伝票を見かけることがありますが、確認欄にハンコを押してチェックした気分になっているだけで、実際には何もチェックできていないというケースも少なくありません。現場を知らず、そもそも確認出来るはずのない人がチェックしていることさえあります。

 ここさえ押さえておけば、という『社内から出ていく出口』でしっかりチェックすることがポイントだと考えます。

 仕事は真剣勝負!

《功には禄を、能には職を》

 人事考課の時期です。評価にあたり頭を悩ませている方々もいらしゃるのではないでしょうか!

 徳川家康は『功には禄を、能には職を』といった有名な言葉を残しています。

 どうゆうことかというと、忠誠心が強い三河以来の旗本には、禄高を抑える代わりに幕府の要職を与え、外様大名などには何十万石もの禄高を与えるけれども、幕府の要職には就かせないという家康流人事管理です。
 
 現代風にいえば、どんどん売上実績を上げてくれる社員には報酬で十分に報いるが、もし会社を愛する気持ちに欠けるのなら、昇進スピード(役職)を落とし逆に会社を愛してくれる人なら、昇進スピードをあげるといったことでしょうか!

 人事制度を構築・提案の際に意識していることは《頑張った人には頑張っただけ報いる》制度を出来るだけシンプルに創り込むことです。複雑すぎて“何を頑張ったら良いのか”が、ぼやけてしまっては本来の目的を達成することが出来ません。この『功には禄を、能には職を』という家康のコンセプトは、価値観をシンプルに伝えていてとても分かり易いです。

 定期的に我社の人事考課での価値観を確認してみる必要があるかもしれません。

《長所伸展法》

 先日、船井総研創業者の船井幸雄氏が亡くなりました。心より御冥福をお祈りいたします。
 私は、昨年の夏頃に船井先生の本を初めて読みました。現在数百冊の本を出されているようで、何冊か読んだ中から、今日は『長所伸展法』についてご紹介します。

※『好きなこと』と『長所=得手なこと』を伸ばし、活かし、愉しんで、自分のため、人のため、世のためになることを志して生きる。
 私の親しい教育家にマキノ正幸さんがいます。マキノさんは沖縄アクターズスクールをつくった人で、天才の卵を集めてきて天才にすることの名人です。マキノさんに匹敵する教育家は梅澤重雄さんです。梅澤さんは日本航空学園という学校の理事長をしています。驚いたことにこの学校の卒業生の就職率は100%なのです。一人に20ヶ所くらいから就職の依頼がきています。
 ここの卒業生は入社した途端に会社の役に立つような働きをしてくれて、しかも将来にわたって会社に忠誠心をもってくれるというのです。
 梅澤さんのやり方は、常人を集めてきて人財にしています。一方マキノさんは、天才の卵を天才にする。どちらがいいかは別にして、ポイントはどちらも生徒の一番好きな事、一番やりたいことを徹底して伸ばしているということです。短所を改善しようなんてしないことです。
 誰にでも長所や好きな事がありますから、特にトップは部下に対してはそれを認めて伸ばしてあげてください。部下の長所と好きな事を伸ばしてあげれば、生き生きと仕事をしてくれます。これが人財づくりのポイントです。

 ピーター・ドラッカーも同じことを言っていますが、もう少し強烈です。
『人の短所とか弱みは克服できない』と・・・・・!

 困ったことに、人の欠点ばっかりが見えてしまいます。

 

《デレゲーション(任せる)》

 マネージャー入門より

 デレゲーション(任せる)を行う
 
マネージャーの初期の段階では、部下に仕事を任せるのが苦手な人が多いのではないでしょうか。しかし、ひとりの人間が対応できる仕事量には限りがあります。部下と共にチームで仕事をすることで、自分ひとりで行うよりも何倍、何十倍もの成果を出すことができるのです。そこで必要となるのがデレゲーション(任せる)です。
 
デレゲーションとは文字通り“他の人に仕事を任せること”です。マネージャー初期の段階でデレゲーションを行う際に大切なことは『2・6・2の法則』における6割の中間層が対象と考えることです。
 
上位2割の優秀な社員は自分で考え行動できるので、必要以上の仕事の指示は相手のモチベーションを低下させかねません。一方、下位の2割の社員の場合、デレゲーションに固執しすぎると組織に悪影響を及ぼす可能性があります。あまりにもやる気のない人の対応は、プロジェクトメンバーから外すなどの組織的な対応が必要でしょう。
 
こうした理由から、6割の中間層がポイントになるのです。
 
そこで大切な事は、仕事を任せっぱなしの“放任”にならないように注意することです。『信頼すれど信用せず』の精神で上司の立場から確実にチェックし、指示した限りは最後まで面倒を見る必要があります。部下のやる気や行動を信用しても、失敗したら自分で責任をとるのがマネージャーの務めです。