組織運営」カテゴリーアーカイブ

《価値観の共有とは》

 今日は、【価値観の共有】ということについて考えてみたいと思います。
 
 社内研修のプログラムの中に、【業務質問シート】というワークが有ります。チーム目標・個人目標・業務課題等複数の問いに対して記入をして頂くものなのですが、その質問の一つに『あなたの担当している職務のなかで、重要だと考えるものから順に5つ記入して下さい』という項目があります。受講生の皆さんにゆっくり考えて記入してもらい、私が一人一人にヒヤリングをしていきます。社内研修ですから、同じチーム・同じ課の方々で、上司と部下、同僚という立場で参加していますが、以外に一人一人が重要だと考えるものに【バラつき】があるのです。
 何を言いたいかというと、『各人が、重要・大事だと考えていること』所謂【価値観】が共有されていないのです。もちろんしっかり共有されている組織もありますが、多くは共有されていないように感じます。《共有する》という言葉だけが独り歩きしているような気がします。時々立ち止まって、我社の・我が課の・我がチームの価値観の確認をする必要があるかもしれませんね。

 ちなみに、《共有する》ということを、私は『一緒に考え、一緒にゴール設定すること』と伝えています。

《ジャック・ウェルチ流の人材の見方》

 少し古い話になりますが、2001年にGEの会長を引退した、J・ウェルチの人材に対する4つの見方をご案内します。

 彼は、【価値観の共有】と【成果・業績】という二つの視点から次のように4つのタイプに人材をわけます。
※タイプ1
 成果・業績を達成していて、組織の価値観を共有している人材
※タイプ2
 成果・業績を達成せず、組織の価値観を共有できない人材
※タイプ3
 成果・業績を達成できないが、組織の価値観を共有している人材
※タイプ4
 成果・業績は達成できているが、組織の価値観を共有していない人材

 そこで問題は、どのタイプの人材を2番手の人材として評価するのか?ということなのですが、あなたはどのように考えますか。
 まずは、1番手と4番手は判り易いですよね。1番手は、タイプ1、4番手はタイプ2ということになります。次に、業績を挙げている人材と価値観を共有している人材のどちらを2番手として高く評価するのか?ということになるわけです。
 J・ウェルチ流の表現をとれば、『手前勝手にスタンドプレーをして今は業績が挙がっているが、そんな奴は、やがて干されるから気をつけろよ』《タイプ4》『今は業績が挙がってはいないが、組織の考え方が理解できて頑張って奴は、やがて成果を出してくるから心配するな』《タイプ3》と言ってます。
 価値観の共有を大切にしているわけですが、とても興味深い人材に対する視点ですね!

《О・J・Tのポイント》

   О・J・Tを扱った本には、次のようなポイントが記載されています。

①知識(解答)を与えるのではなく、考え方やアプローチの仕方を身につけさせる教育
②一方的に教えてやる、教えてもらう関係でなくなる
③同等の、若しくは異質での知識や経験レベルの相互啓発が大事になってくる
④上司は教育・育成における先生であるよりも、学習のリーダー・成長のための相談相手になる
⑤個性や創造性を尊重する教育
⑥やりがい、生きがいを発見していく教育
 とあります。

 最近の読売新聞のインタビュー記事に、このような内容のものがありました。

 恩師の担当は数学。余計な事は言わず授業を淡々と進めるが、簡潔で明快でした。おかげで数学は苦手にならずに済んだ。当時は特に感じなかったが、大学で教える側に立つと、論理的でなければ授業は簡潔で明快にならないと実感しました。論理は、知性の基本です。恩師の姿勢は、『教え過ぎない』だったと思います。大学教育でさえ懇切丁寧な指導が良しとされる風潮が出てきているが、それでは学生の自分で考える力が育たない。

 慶応大学塾長 清家篤さんのインタービューより

《コミュニケーション心得》

今日は、前回の《ホー・レン・ソー》に引き続き《コミュニケーション》のポイントを案内します。

①上司からの伝言や指示は、内容を確認し理解した後、メモをしてすぐに報告をする。
②業務上の話し合いや打合せの際、次の行動が明確になるまで話し合いを切り上げない。
③相手の解釈に任せず、自分の意思表示をはっきり示す。
④常にプロ意識を持って、自ら意思決定をし、自信のないことは、質問や相談をする。ただし同じ質問、相談を繰返さないよう心がける。
⑤担当業務の引き継ぎは、同僚または部下に引き継ぐことを原則とし『とりあえず仕事』は次に取りかかる行動が明確になってない限り引き受けない。また『不良品』も受け取らないし、次の人に渡さない。気づかずに受け取った場合は、元の人に戻す。
⑥他人の言葉や行動を第三者に伝える場合は、※事実と自分の解釈を分けて、はっきりと伝える。※本人の意図を最優先し、誤解の生じないよう伝える。※情報不足により、解釈の相違が生じた場合は、伝えた者が自ら誤解の解消に努める。

『とりあえず仕事』・・・・・『とりあえずやっておいて』に代表される、目的が不明確な仕事。
『不良品』・・・・・とりあえず仕事を含む5W2Hの不明確な仕事。

《ホー・レン・ソー》について

 人事考課シートの考課項目の中に、《ホー・レン・ソー》についての項目を設定し評価を実施している企業もたくさんあることと思いますが、今日はこの《ホー・レン・ソー》について考えてみたいと思います。

 ある方に言わせると、会社内で起きる問題の80%は《ホー・レン・ソー》の欠陥によるものなのだそうですが、ホー・レン・ソーとは【報告・連絡・相談】の頭文字をとって表現したものですね。

 弊社の人事考課項目《ホー・レン・ソー》の着眼点をご案内します。
① 上司・同僚等から指示・依頼され実行したことの結果については、すぐに相手に報告してい るか。
② 業務上で起こった【まずいこと】や【自分の失敗】についてはすぐに上司に報告しているか。
③ 業務上で得た社内外の情報は、関係のあると思われる部署の人間にその都度こまめに報告しているか。
④ 報告・連絡をする場合は、【事実】と【自分の意見】を明確に分けて行っているか。
⑤ 報告・連絡をする場合は、【5W2H1C】をきちんと押さえ、要点を的確に表現した話し方をしているか。
⑥ 指示や質問・相談や依頼をされたことに対しては、迅速に対応し、相手を【イライラ】させないようにしているか。
⑦ 上司・同僚などから指示されたり、頼まれて引き受けたことについては、その内容を正確に理解してから行動しているか。

 《ホー・レン・ソー》の着眼点でした。

《チームワーク・チームビルディング》とは

 今日は、チームワークとチームビルディングについて考えてみたいと思います。
 【何故チームを形成して行動をするのでしょうか?】
 それは、チームで達成したいものがあるから!
 達成したいものが確認出来たら【チーム員が役割分担して】【チーム員が相互支援して】チームとして達成したいものの実現に向かって進んでいくのでしょう。
 キーワードは、《チーム目標》《役割分担》《相互支援》ですね。

 エドガー・シャイン著『HELPING』より紹介します。

 一つハッキリしているのは、組織の全メンバーが、そのグループが達成しようとしていることに関連したなんらかの役割を果たさねばならない点である。これは、何かを共同で行おうとしているグループに所属した場合に特に当てはまる。
 チームのパフォーマンスを持続させるには、他のメンバーが自分の役割をずっと果たし続けていくという信頼が必要なのは明らかである。あるメンバーが急に姿を現さなくなったり、役目を果たさなくなったりしてチームを見捨てることほど、そのチームに打撃を与えるものはない。
 こうした観点からすると、成果をあげるチームとは、各メンバーが自分の役割を適切に果たすことによって、他のメンバーを助けているチームだと定義できるだろう。そうすれば、業績を達成するプレッシャーが大きい時でさえも、相互の信頼関係が確かなため、メンバーは公正さを感じられる。つまり、チームワークの本質とは、すべてのメンバーにおける相互の支援を発達させ、持続させるということだ。

《ОJTから》支援について考える

 今日は、ОJTプログラムから《支援》ということについて考えてみたいと思います。

 ОJT研修の中で、リーダーシップのスタイルについても説明します。以前書き込みをした記憶が有るのですが、再度復習をします。
リーダーシップのスタイルを四段階に使い分けます。
第1ステップ  指示・命令   【報告・連絡】
第2ステップ  コーチする   【気付かせる】
第3ステップ  支援する    【ヘルプでなくサポート】
第4ステップ  まかせる     【放任ではない】

 リーダーシップのスタイルについては今回はふれませんが、今日考えてみたいのは第3段階の《支援する》です。時々本で紹介されている説明は、お腹を空かせた子供にお魚を捕って食べさせることは【ヘルプ】、お魚の捕りかたを教えるのが【サポート】、というように書いてあります。『なるほど』と納得し、上手な説明だな!と感心します。
 もう少し付け加えてみれば、相手の主導権や自律性を奪わないようにしながら支えてあげることが【サポート】なんでしょうね。主導権を相手から奪ってしまうと、単に相手を操作することになるんだと思います。

 逆にあなたも経験があることと思いますが、通りでつまずいたり転んだりした人に『大丈夫ですか?』と声を掛けると、決まって『大丈夫です』と答えます。自分に主導権があると感じたい気持ちが強く支援を求めないのでしょう。特に男性の場合は顕著です。例えば仕事においての部下の、『大丈夫です』という発言の真意を上司は感じ取る必要があると思います。

話題の《なでしこジャパン》

 テレビのワイドショー・スポーツニュースは連日《なでしこジャパン》の話題で賑わっていますね。《なでしこ》って聞くと、私はさだまさしの追伸という歌を思い出します。♪なでしこの花が咲きました♪という歌い出しですね。今回ネットで《なでしこの花を》始めて見ました。私がイメージしていた花とはちょっと違いましたが、 続きを読む