組織運営」カテゴリーアーカイブ

《個別面接プログラム》

 弊社では、定期的にお客様に対して《個別面談プログラム》を提供しています。上期が終了する九月は、毎年個別面接の対応に追われています。

 通常、“法人のトップ・社員・私”の三者面談の形式で進めます。一組20分の時間で、事前に配布して当日まで記入を済ませた【業務質問票】に基づきながら、私が質問をします。最後に法人のトップに、労いの言葉を言葉をかけていただき終了です。

 効果としては“社員がトップに話を聞いてもらった”という、納得感が生まれます。そして、継続して実施している法人の離職率は極めて低いという結果も出ています。

 組織運営は、【トップダウン】と【ボトムアップ】の両方の機能が必要だと思います。組織規模が50名程度でしたら、【トップダウン】経営でうまくいくと考えますが、100名を超えてくると【ボトムアップ】機能が働かないと運営に支障が出てきます。個別面接は、ファーストラインの社員と直接コミュニケーションが取れますので、【ボトムアップ】としての働きをします。

 現場では、『パワハラ』『いじめ』『嫌がらせ』等の問題が発生しているケースも見受けられます。予防の視点からも個別面接を有効に活用してほしいものです。

《組織の問題》

 人生案内・・・・・読売新聞から

 50代の女性。最近になって、保育士の資格をとり、保育所で働いています。新人いびりがひどいです。

 資格をとってすぐに働き始めた公立の保育所では、相談したいと思った上司も、嫌みを言われている私の姿を見て、笑っていました。私が仕事ができないからだと思います。

 わずかな希望を持って、別の保育所に転勤しました。そこでもどなり散らされ、人権を無視した発言や、あからさまな無視などが続いています。助けてくれる人はいません。怖くて上司にも言えません。

 円形脱毛症になり、体調も悪化しました。子供たちの前では明るく振舞っていますが、家族も心配しています。

 甘い世界ではないと分かっています。年度途中なので、この一年間は行かなければならないと思っています。年度末までは長い道のりです。心の持ちようを教えてください。(兵庫県・T子)

 回答は省略しますが、回答者の最相 葉月(ライター)さんは、励ましの言葉をかけていますね。

 保育現場でのいじめ問題は多いのでしょうか!医療・福祉の現場でも共通する問題であるかもしれませんが、園児・患者・利用者の方々にストレスの矛先だけは向かないように注意したいものです。

《離職率改善》

 少子高齢化の社会と向き合いながら業務を進めていますが、《離職率》について時々話題になります。

 私見ですが、“離職が全くない”という状況も?がついてしまいますが、年度内に20%~30%も離職が発生するような組織も当然?ということになりますね。一般的には【5%以下の離職率】を目標とするのが、よろしいかと考えています。

 私はこの時期個別面接の立会をしています。前期は500名ほどの社員の方々の面接を複数の組織で実施しました。一人あたり20分の面接時間ですが、事前に記入していただいたシートに基づきコミュニケーションを取ります。法人のトップも同席して質問をしたりします。基本的には社員の方々の話しを聴くことに集中しますが、色々な話を聴くことが出来て大変に勉強になります。 

 テーマは、離職率ですが、個人面接を丁寧に実施している組織の離職率は、【極めて低い】状況です。離職率の高いと考えられる組織には是非丁寧な面談をお勧めしたいと思い、今日はこんな内容にしました。

《コミュニケーションを考える》

 弊社では、人事考課制度の運用を通じて【組織内コミュニケーションの活性化】を実現したいと考えています。
 
 具体的には、年四回程度の面接ということになりますが、《目標面接》《評価面接》《フィードバック面接》《中間面接》等をきっちりと実施していただくことが重要です。上司と部下がしっかりと向き合って業務に関することを中心にして、《コミュニケーションシート》の内容に沿って進めていただきます。

 コミュニケーションを円滑にすることで、どのような効果があるのでしょうか。
※お互いのことをよく解りあえることで安心して業務ができる。
※コミュニケーションを密にすることで誤解を防げる。

 結果として、組織内に『和』の文化が生まれ【相互扶助】【共生感】につながると考えています。

 最低、年四回の面接をしっかり実施してほしいものです。

《長所を伸ばす人材育成》

 コンサルタントの船井幸雄は、“長所伸展法”という考え方を本の中で紹介されていますが、私も“なるほど!”と共感して読んでいました。以後“長所伸展法”という考え方を研修の中で取り入れています。

 長所に着目をして伸ばしていくといった考え方は理解できるのですが、実際は仕事等で他人の長所に目を向けることが中々難しいのです。特に我々世代は、“欠点矯正法”で教育され躾を受けてきた感があるので、それがしっかり身についてしまって“欠点”ばかりが見えたり気になったりしてしまうのです。

 私は、毎日見る手帳の1ページ目に“長所伸展法”と大きく書いていますが、それでもついつい欠点・短所に目がいってる自分に『ハッ』としてしまいます。あのP・ドラッカーも『短所は治らない。長所を伸ばすと短所が消えていく』と著書の中で書いています。長所に意識が向くことが習慣になるまで頑張らないと、と思っています。

 先日NHKの番組で、発達障害の特集を放送していました。ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の方の仕事ぶりをカメラが追っていたと記憶しています。印象に残っていることが何個かあるのですが、一つは【言語認識】です。上司に『観葉植物に適当に水をやっておいて』と指示されるのですが、鉢から水かあふれてフロアーが水浸しになっても、まだ水をやり続けている。『適当に』という言葉の認識が出来ないのです。また、経理の仕事が良く出来るようになったので、経理以外の仕事を少し担当してもらうように進めていくのですが、うまく進まないのです。【業務の幅を拡げることにストレスを感じる】といったことが起きていました。人は、基本的に【長所・得意なもの】がいいんですよね。このような事例は、長所伸展法を理解する上では参考になるように感じました。 

《今春の新入社員意識調査》

 【勤務外の付き合い『イヤ』30%】 読売新聞の記事より

 公益財団法人『日本生産性本部』などが今春の新入社員に行った調査で、“職場の同僚・上司らとは勤務時間以外は付き合いたくない”との回答が過去最高の30.8%(前年比10.1㌽増)に上がった。

 分析担当者は『深夜に及ぶ飲み会の準備などが問題となった電通事件が影響した可能性もある』としている。

 調査は1969年から実施しており、今年度は3~4月、新入社員1882人から回答を得た。

 プライベートを大切にする傾向が続いており、“仕事は人並みで十分”は57.6%と、過去最高だった昨年度の58.3%からほぼ横ばい。“仕事中心か・私生活中心か”の質問では、【私生活】が14%と、【仕事】の6.9%を3年連続で上回った。最多は【両立】の79.1%だった。

《教えないのススメ》

 萩本欽一さんの“教えないのススメ”

 50歳になった時から『これからどうするの』と未来のことを聞かれたら、『教えない』って答えるようにしている。これはおすすめ!

 実際には何も考えていなくてもいいの。でも、これを言われた相手は、『おや、何かすごいことを始めそうだな』と受け取ると思うんだ。周囲から『何かやりそうだ』と思われるってちょっとワクワクして気持ちいいよ。それに自分でも、まるで何かすごい計画があるかのように錯覚できる。

 50歳を過ぎると、多くの人が、『定年後はどうしよう』とか『今の生活を変えなくちゃいけないな』と考えるだろうし、家族から聞かれることもあるでしょう。

 そんなときは『教えない』って答えようよ。そして『今自分には秘密の計画があるんだ』と思い込んでみる。そのうちに何か見つかるはず。それが、50代以降を楽しむコツだと思う。

 コント55号を見て育った世代としては、中々含蓄のある話です。 

 

《忖度について》

 読売新聞の投稿より 埼玉県 村中理恵子 様

 最近、学校法人『森友学園』を巡る問題で、官僚の【忖度】という言葉がテレビなどで飛び交っている。

 忖度とは、『他人の心中をおしはかること』だ。行政側が権力者の意向を忖度して、不適切な行いをすれば批判されてしかるべきだが、まるで忖度そのものがいけないかのように言われている気がする。

 身勝手な考えから、犯罪まで起きている世の中だ。忖度しながら行動し、周囲とよい関係を保つことも、社会人ならば、当たり前のことだろう。

 悪いイメージの言葉としてだけ使われてしまうとしたら、何だか残念に思う。

 共感したので、ご案内しました。

 相手の気持ちを推し量ることは、コミュニケーションのスキルとしても大切なことだと感じています。 

《部下の問題行動について》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【部下の問題行動について】

 一般に問題行動といった場合の現象として
※規律を守らない ※ミスが多い ※協調性に欠ける ※チームワークに乏しい ※仕事の能率が悪い ※マナーが悪い ※ホウレンソウが出来ない・・・・等があります。

 ダメダメと言う前に『問題とは何か』を明確にしておく必要があります。職場における問題は、単に管理職や指導職の職員の主観的な意志や好みでとらえてはいけないし、問題の本質を正しくとらえなければなりません。

 通常、問題とは“あるべき姿と現状の姿とのズレを誰かが感じること”である、と定義づけられます。この定義に従えば職員の問題行動を見る場合には、次の視点(見方)
をもっておくことが必要です。

Ⅰ あるべき姿としての一定の目標や期待値、基準やルールが示されているか
Ⅱ 現状の姿 つまり現時点でのその職員の達成度合や取組姿勢がどの程度の未達成や不具合の状態にあるのか
Ⅲ そのズレを誰がどの程度具体的に感じており原因はどこにあるのか、特に職員自身が“問題”と感じている否か

 上記の事柄は現在取り組んでいる人事考課制度の業務・能力考課における考課基準や基本職務遂行チェックリストによって各項目を明確にしていくことと、リーダーとの面談により問題のズレは少なくなっていくことと考えます。

《リーダーとして人を動かすには》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【リーダーとして人を動かすには】

 人は動機づけられた時に自ら変わります。このことをモチベーションと言いますが、これには外的なもの(外側からの強制)と内的なもの(納得して動く)とがありますが、持続性があり効果が高いのは言うまでもなく《内的な動機づけ》です。従って、部下を育てていくには内的モチベーションが基本となります。

 そして内的動機づけを起こさせるもっとも有効なのが『状況が人を動かす』というセオリーです。これは『人は命令によって動くのではなく自分がおかれている状況を正しく認知し、行動の必要性を納得できた時に自ら動くものである』という考え方です。

 ですから行動に移す時には、お互いがその時の状況認識の共有化が大切ですし、何のために動くのかその要望事項について具体的に示していくことが必要です。

Ⅰ 必要性(何故そのことが必要なのか)
Ⅱ 目標水準(どこまでやれば良いのか)
Ⅲ 結果のメリット(どのような期待・成果があるのか)
Ⅳ 支援策(実現のためにどのような支援が必要なのか)

※次回は引き続き“部下の問題行動について”をご案内します。