組織運営」カテゴリーアーカイブ

《リーダーに期待すること》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【リーダーに期待すること】

 当法人としての方針を実行するためにリーダーは自分で理解し部下に伝えてまとめていく役目です。

 職場リーダーは、リーダーと言っても現実にはプレーヤーとして一般職員と同じように日常業務の一部を担当することが多いですが、期待される役割意識や役割行動には大きな違いがあり、そこに職場リーダーとしての意識付けの必要性が生まれてきます。

 職場リーダーはチームの責任者です。チームとしての業務を責任をもって遂行しなければなりません。しかもこれは自分がプレーヤーとして遂行するのではなくチームメンバーである職員を活用し、育成しながら相乗効果を高めなければならないのです。そしてリーダーは上下左右をつなぐ連結ピンの役割行動が期待されるのです。

 実際に方針どおり実行してみて自分たちにとって不具合な点があれば単にその部分だけをとらえて“きつい”とか“できない”とか言うのではなくて、どうしたら可能になるか!提案してほしいのです。

 組織というものは一般的に保守的です。仮に変化の必要性が認識されたとしても自分にとって都合の悪いものは、できれば取り入れたくないもので“大した問題でない” “一生懸命やっていれば悪いはずがない”といった理由づけをして関わろうとしないものです。長い年月の中で培われて身につけた考え方や価値観・行動形態はなかなか自分では変えれないのです。

 従って組織の体質・風土を変えるには組織運営の仕組みや人事制度の変更等による制度面の改革によることが大切で、それに伴い組織員も変わるものなのです。

※次回は【リーダーとして人を動かすには】です。

《集団の選択》

 読売新聞の“編集手帳”より

 迎える宴会シーズンの余興に加えてもいいかもしれない。

 コインでもあめ玉でもガラス瓶いっぱいに詰め込み、一番近い数を言い当てた人が賞品として受け取れるとする。

 誰が当てるかは時の運だが、確実に正解に近づく方法ならある。まず、個々の参加者が周囲に惑わされず、一人で答えを考える。次に答えを持ち寄って平均すると、個々の答えのバラツキにかかわらず、ほぼ必勝と言える精度に至る。・・・・・物理学者レン・フィッシャー氏の“群れはなぜ同じ方向を目指すのか?”にあった。

 正解のある問題で、ガラス瓶で言えば重さや見た目といった相応の情報がもたらされる場合には、個々の考えを集めた『集団の選択』に間違いはないという。

 仏ルイ16世の革命裁判でも、公正な審理を求めた数学者が、独立した陪審員による多数決を提案した。それは退けられたが、集団の選択を社会にどう反映させるかは、今も変わらぬ難題だ。

 英国の国民投票や、米大統領選の後だけに強く思う。瓶の中身のような正解はなくとも、まずは周囲に惑わされず、相応の情報を集めてじっくり考えることから始めたい。 

《飲み二ケーション》

 新年度に入って500人弱の社員の方々と面談を実施してきましたが、多くの組織で“コミュニケーション不足によるトラブル”がありました。積極的に上司・部下の双方からのコミュニケーションの必要性を当事者は感じているようなのですが、中々進まないといった実態があるようです。

 読売新聞に『職場・飲みニケーション、推奨』という記事がありました。農機製造会社・クボタの社内居酒屋“クロッシング”が取り上げられています。

 “クロッシング”は社員が終業後も気軽に交流できる飲み二ケーションの場を作ろうと、2011年に開設。日中はカフェレストランとして稼働して、午後五時に居酒屋に変わる。閉店は午後八時とあって『さっと飲んで帰宅しやすい』『深酒しないで済む』といった声が多いという。居酒屋時間帯の利用は、1日平均40~50人もいるそうだ。

 400円~500円のメニューが中心で種類も豊富な様子が写真で紹介されています。

 社内に居酒屋は、中小企業では難しいかもしれませんが、福利厚生の一環として部ごと・課ごとに予算を計上してあげることは必要と感じました。 まずは、コミュニケーションの量を増やす為にも有効かもしれません。

 

 

《ストレスのセルフケア》

 ストレスを味方につける方法・・・・相場聖 著から

 近年“ストレスチェック”が中堅企業を中心に実施されています。

 著者も、企業のご依頼により、このストレスチェックの結果に基づく組織分析をすることがあります。

 組織分析とは、ストレスチェックの結果に基づいて、企業全体/部署ごとの組織の問題点や今後の課題、具体的な取り組などを分析に基づいて導き出していくものです。この分析によって、組織の風土や特徴・傾向など、さまざまなものが見えてきます。

 ところで、同じ企業内でもストレス度の高い部署と低い部署があるのはどうしてだと思いますか?ストレス度の高い部署の特徴には次のような原因が見受けられます。
※業務過多
※管理職の支援不足
※管理職の管理能力不足
※人間関係の悩み
※職場内コミュニケーション不足

 もう一つ分かっていることは、セルフケアの実行率とストレス度との間には反比例の関係が成立するということです。ストレス度の高い部署のセルフケアの実施率は低く、ストレス度の低い部署のセルフケアの実施率は高いということです。『自分の心は自分で守る』という意識を持ち、小さなことでも良いので、自分なりのセルフケアやストレスマネジメントを行ってみては如何でしょうか!

 

  

《中小の新卒採用・厳しい夏》

 来春卒業予定の大学生らを対象にした、中小企業の採用活動が本格化しています。

 人手不足に直面している中小企業の多くは、例年以上に採用に力が入っていますが、『売り手市場』の雇用環境を背景に中小企業の求人とのミスマッチが広がっています。

※読売新聞の記事から

【求人数と就職希望者のミスマッチ】
 《社 員 数》  《求 人 数》  《就職希望数》
 5千人 人以上   4万9千人    8万3千人 
 1千人~5千人  12万8千人   11万5千人
 3百人~1千人  14万7千人   12万5千人
 3百人以下    40万9千人    9万8千人

 大手の企業にエントリーする新卒者の傾向が見て取れますね。

 中小企業として何か“人事戦略”を考えないといけない時代になりました。 

 

 

《マニュアルのあり方》

 マニュアルを作りさえすれば、業務改善が進んだり業務効率が良くなるのではないか?と考える人がいると思いますが、この点について考えてみたいと思います。

 一般にマニュアルは二種類に大別できます。一つは、皆が忠実に守るべきルールをまとめたものです。マナー・サービス・接客マニュアルになると思います。

 もう一つは、各人の工夫をしたもので、要するに『マニュアルに記載されていることを規範としつつも、それに各自が工夫をして行動する』といったものです。この場合は『マニュアル通りにする』のではなく、『マニュアルをもとに工夫する』ことになるわけです。

 前者のマニュアルを作るか後者のマニュアルを作るかが、『それしかできない社員』を育てるか『自発的な社員』を育てるかの分かれ道になります。

 問題が発生した時に前者のマニュアルを導入していると『マニュアルどおりにやっておけば間違いはなかった』『マニュアルに書いてないことはやるべきじゃなかった』という危険回避になってしまいますが、後者のマニュアルを導入すれば、『マニュアルにはこう書いてある。しかしこのようにしたら、より効率的なことがわかった』『マニュアルよりも、もっといい方法があるはずだ』といったように自分で考えて行動する癖がつきます。

 スターバックスでは、接客マニュアルを廃止したと聞きました。マニュアル化に対しては、いろんな角度から検討してみる時期かもしれません。 

 

《個別面接の効果》

 私自身も顧問先の個別面接をお手伝いする機会があります。先日も、300名規模の企業の役員の方々に個別面接の提案をさせていただきましたところ、担当役員4名で各事業所ごとに役割分担をして、6月~7月上旬にかけて実施していただきました。昨日、人事プロジェクト会議の場で、各担当役員から報告と感想を頂戴しました。

 ヒヤリングシートを活用して行いますが、現場の雰囲気や指示命令系統の確認、業務の偏り等色々な発見があったようです。規模が徐々に大きくなってくると現場の第一線で起きていることがトップに伝わらなくなってきます。また、意識的か無意識的なのかはわかりませんが、ボトムアップで下から上がってくる提案・トラブル・不満が中間管理層でストップしているといったことも現実として起きています。

 下からの報告を待つだけでなく、たまには上の者が下に降りて行って話を聞いてみることが大切なことだと強く感じています。

 8月・9月とお客様の個別面談のお手伝いが控えています。皆様の会社でも是非個別面談を試してみてください。

 

《忙しい・忙しい病》

 あなたの周囲に“忙しい、忙しい”を連発する人はいませんか!

 こういう人を見ているせいか、私たちは無意識のうちに【忙しいそう=仕事が出来る人】というイメージを作り上げています。

 すると、忙しさを前面に出して仕事が出来る人を演出しようとする人が表れてくるのも当然の結果です。口癖は『忙しい、忙しい』ですが、本当に仕事の出来る人はこのようなことを自分から言うことは、まずありません。

 むしろ訪ねられてきた人から、『相変わらずお忙しそうですね』等と声をかけられると、『そんなでもありません。今ならお話を伺えますよ』等と答えるものです。

 仕事が出来るということを演出したい人は、誰もそう思ってくれていないから、自分で『忙しい、忙しい』と言わなければならなくなります。言うだけでなく、体も忙しそうに動かしています。まるで忙しそうにすることが癖になっているように・・・・・・。

 逆に忙しそうに動いていても、仕事が出来る人の動きには無駄がありません。頭の中で今何をすべきかといった優先順位がハッキリと見えているから動きに無駄がなく、テキパキしています。

 まずは、『忙しい、忙しい』という口癖から矯正していきましょう。言霊というように、言葉には力があります。意識して使いましょう。

《個別面談の進め方》

し 弊社では、トップによる定期的な“個別面談”をお勧めしています。規模の大小に限らず第一線の現場とトップとの間に乖離があり、トップが第一線で起きている問題やクレームといったようなことを把握していないことから、様々なトラブルに巻き込まれるといったことが起きています。そのようなことを防ぐためにも個別面談を是非実施してみてください。

 そこで、面接の際に使用している【業務の調査票】の内容をご案内します。
1 あなたの担当している業務内容で重要度の高い順に3つ書いてください

2 担当業務に、やりがいや達成感を感じますか

3 競合他社に比べて、当社の優れている点、劣っている点

4 お客様からの要望・苦情にはどのようなものがありますか

5 よりよい会社となるために改善すべき点は

6 あいさつや3Sは徹底されていますか

7 やってみたい業務や異動等の希望があれば書いてください 

 この程度の質問に回答して頂くだけで、現場で起きている情報がたくさん入ってくるようです。

《上司のイメージ》

 読売新聞の“編集手帳”より

 理想の上司を動物にたとえると・・・・・・今年の新入社員を対象に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した意識調査の設問である。

 『ライオン宰相』『鈍牛』などの異名を取った首相もいたことを思えば、あながち荒唐無稽な問いでもないのだろう。

 とはいえ、一番多かった答えが『犬』だと聞くと考え込んでしまう。仮に、自分が上司の立場にあるとして、どう振る舞えば、理想に近づけるのか。強いものに尻尾を振る等々の印象も犬にはある。

 挙げた動物のイメージなどを書くスペースには、『親しみやすい』『情が深い』といった記入があったという。ちなみに二番目以降は、ライオン・ゾウ・猫・・・・の順だった。

 米作家のジャック・ロンドンが著した動物文学の名作『野生の呼び声』が参考になるかも知れない。主人公は、10匹弱の犬ぞり隊で先導犬の地位に就くや、卓越した判断力・行動力・指導力を発揮する。その一方で人間の御者の指揮下にある点は、現実の中間管理職に重ならないでもない。

 終章で主人公は人間の支配する世界を離れ、生きる場を森に移す。それをどう考えるかは、また別のテーマである。

上司や先輩にたくましさや頼もしさを求めるのは、私だけなのでしょうか!