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《職場のトラブル》

 東京都産業労働局がまとめた『平成27年度における労働相談』のポイントです。

 この調査は、都内6か所の労働情報センターにおける平成27年度の労働相談・あっせんの状況についてとりまとめたものですが、そのポイントは以下のとおりです。

1 労働相談件数 51,960件(前年比▲2.2%)
  平成18年度以降、10年連続で5万件を超え、高止まりの状況
2 相談内容は、6年連続で『退職』が最多

3 『職場の嫌がらせ』の相談は引き続き増加している。
  2年連続で2位となり過去最高
4 非正規労働者からの相談が増加

 近年は、『職場の嫌がらせ』の増加傾向が見られていますが、件数で9,282件で前年比2.0%の+となっています。改めてハラスメント対策の実施が求められます。2017年1月にはマタハラ対策が義務化されますので、対応を検討されてはいかがでしょうか!

 【 事 例 】
※上司からの嫌がらせ
 相談者は、医療機関で医療事務に従事していた正規職員。
 相談者は、日頃から院長より些細なことで物を投げつけられたり、机を叩くなどの態度を取られていた。
 相談者は、母子家庭でもあり、勤務を続けてきたが、『お前なんか辞めちまえ』と怒鳴られたため、出勤が困難となって、来所に至った。

 色んな事例があるものですね。
 

 

 

《難しい仕事の受け止め方》

 入社五年目を迎えたS君は、これまでの営業部から、初めて総務部に配属されました。新しい部署では、上司から次々と仕事の指示が出されました。

 一つの仕事が終わらない段階で、『これも頼むよ』『今日中にやっておいてよ』という具合です。最初は素直に聞いていたものの、あまりにも多い仕事量に【担当以外の仕事もあるじゃないか】と、不満が募りました。

 半年ほど過ぎたある日、大学時代の先輩にその不満を伝えました。慰めの言葉を期待していたにもかかわらず、先輩から出た言葉は『良かったね』という意外なものでした。

 『できる人だと認められたから、それだけの仕事が与えられたのだろう。難しい仕事も、パニックになりそうな仕事の量も、喜んで受けてやっていくと、君の能力はさらに開発されるものだよ』

 S君は、その言葉に目が覚めた思いでした。難しいと思えることほど、成長の糧になるのだと受け止めて、向上のチャンスに変えたいものです。

 職場の教養より

《ホウ・レン・ソウを考える》

 ここ最近、何冊か続けて“報・連・相”に関する書籍を読んでいます。まず、実感したことは『報告や連絡は部下側からあるべき』といった考え方を変えなければならないということです。以下ご参考まで!

※一方通行はリスクを高める

 ホウレンソウ不足によるトラブルは、部下だけに責任転嫁できる問題ではありません。ホウレンソウが慢性的に不足すれば、組織全体の情報の循環がとどこおり、機能不全に陥ります。

 上司と部下の間でホウレンソウがキチンとなされていないと、チームワークが乱れて仕事の能率が低下したり、小さなミスが大きな問題に発展したりするなど、業務に対する様々な支障が生じます。人間関係が壊れてしまい、貴重な人材が辞めることになったり、病気になったりすることも起こるのです。

 つまり、ホウレンソウは、単に上司と部下といった担当者と担当者の間の問題ではなく、ましてや、部下から上司への一方通行のものではありません。

 ホウレンソウは、組織内で発生する様々なリスクを最小限に抑え、仕事を順調に進めるために欠かせないものなのです。

 

《リーダーを経験したい》

 どんな仕事につこうと、成功に欠かすことができないこと、それは対人関係スキルです。一般的には“コミュニケーション能力”といったことでしょうね。つまり、どこの会社や組織に関わろうと、そこには必ず人間がいて、その人たちと上手くやっていかなければ、自分の評価・価値・成果を出せません。当然組織全体としても上手く機能しないことになります。

 少し視点を変えてみると、よく学生時代にスポーツやサークル活動をやっていた人が会社に入ったら、俄然力を発揮したりします。よく観察してみると、彼ら、彼女らには共通点が見えてきます。まず、クラブ活動で鍛えた体力と根性。それに、活動を通じて、人をまとめたり、リードすることを学んできているのです。

 『私はリーダーに向いていないからリーダーをやれと言われても・・・・・』といったような、“役職者やりたくない症候群”とでもいったような雰囲気が蔓延しています。そこで一言!

 リーダーに向いてないからこそ、リーダーの経験が必要なのです。一度は職場でリーダーを是非経験してみてください。どれだけ大変か、とれだけ力がつくか、痛感することと思います。

 そうすると、上司を含めリーダー・役職者に対して敬意をはらうことができるようになり、感謝し素直に協力する気持ちになれるはずです。毎年新人が入社してきて、気が付いたら部署の中でもいつのまにかベテランさん。そして、もし推薦されたらチャレンジしてみてください。それが、あなたの為、組織の為であるのです。 

《離職の理由》

 看護職員の『離職を考えた理由』が掲載されていましたので、ご案内をします。

1 職場内の派閥
2 いじめというより、嫌がらせ(情報を流さない)
3 声の大きな人に振り回される(シフトや仕事のやり方)
4 経営者に対する不満
5 必要以上の利益を求める経営者とのズレ

 一般企業でも同様なことが起きているのだと思うのですが、派閥とかグループが一番の理由になっていることには驚きです。上位5番までは、給与とか処遇面の理由がありません。給与・賃金面で離職を抑制しようとしてもあまり効果がないことに気がついていない経営者がどうも多いような気がします。

 以前もふれましたが、日本古来の考え方『和を以て貴しとなす』があります。この内容は、人はえてして派閥や党派などを作りやすい。そうなると偏った、かたくなな見方にこだわって、他と対立を深める結果になる。そのことを戒めているのです。ただ、『仲よく』というのではなく、道理を正しく見出すために党派、派閥的なこだわりを捨てよ、と教えてくれています。

  

 

《改善のチャンス》

 職場の教養より

 一つの物事を、地道に継続していくことは大切です。しかし、どんな物事でも、惰性やマンネリを感じる時は必ずあります。

 例えば、いくら卵が好きでも、目玉焼きばかり食べていたら、飽きてしまいます。卵自体にも嫌気がさして、感謝の気持ちさえ薄れてしまうかもしれません。

 その時に、味付けに工夫したり、別の調理法で卵を食べるようにすれば、マンネリから脱出することができます。料理の歴史そのものも『こうしたらどうだろう?』という工夫から、様々なメニューが生み出されてきたのでしょう。

 子供たちは、同じ遊びに飽きてくると、試行錯誤の末、新しい遊び方をつくり出すものです。柔軟に頭を回転させ、いろいろなアイデアを出し、以前とは違う方法を試すことで、新たな発見をすることができます。

 マンネリを感じた時こそ、改善のチャンスです。より良い方法を見つける時期が来たのだと捉えて、今までとは違うやり方にチャレンジしてみましょう。

 毎朝の朝礼もその一つです。

 

 

《問題解決型の教育》

 “20歳のときに知っておきたかったこと” スタンフォード大学集中講義の本を読んでいます。

 なかなか興味深いので少しご案内します。

 いま、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、皆さんはどうしますか?
 これは、私がスタンフォード大学で実際に学生に出した課題です。クラスを14チームに分け、各チームには、元手として5ドルの入った封筒を渡します。課題にあてられる時間は水曜日の午後から日曜日の夕方まで。このあいだ、計画を練る時間はいくら使ってもかまいませんが、一旦封筒を開けたら、2時間以内にできるだけお金を増やさなくてはいけません。
 実際にどんなことをしたのかを1枚のスライドにまとめ、日曜日の夕方提出してもらいます。そして、月曜日の午後、チームごとに3分間で発表してもらいます。
 学生たちに企業家精神を発揮してもらおう・・・・常識を疑い、チャンスを見つけ、限られた資源を活用し、創意工夫をしてもらおうというわけです。
 
 興味深い授業ですね。学生時代に問題を解決する力が鍛えられて社会に出てくることになるわけです。ご紹介した事例以外にも色々な課題に挑戦する様子が本になっています。

 一般企業のトレーニングに採用できないか?ただいま検討中です。

《教えないマネジメント》

 かつての日本式人材育成では『教えないマネジメント』が主流でした。

 いわゆる『知識や技術は上司や先輩から盗むもの』『背中を見て覚えろ』というスタイルです。仕事というものは、手取り足取り教えず見よう見まねで試行錯誤しながな学ばせる、泥くさいものという考え方が一般的だったのです。

 しかし、現在では《教えないマネジメント》は限界にきています。一人ひとりに求められる知識やスキルが高度化しているから《教えないマネジメント》を続けていると、企業は早晩衰退していくことになるでしょう。新入社員が負担を感じ定着しなかったり、社員が突然辞めてしまうといった事態が起きかねないのです。

 そのでリーダーが着手すべきは、従来型の《教えないマネジメント》から《教えるマネジメント》への転換です。細かい仕事をきちんと教えて、メンバーにいち早く基本を身につけてもらうのです。

 大切なことは、メンバーに基本的なことで悩ませるのではなくて、もっと高いレベルのことで悩んでもらうことです。基本をしっかり叩き込めば、早く次の段階に進むことができます。それが活力ある組織を創る早道なのです。

 やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ ・・・・ 山本五十六の名言です。

《職人型人材育成》

 お伺いした企業で時々見かけるタイプの上司がおります。

 『師匠の背中を見て学べ』 『技術は盗むものだ』という人たちです。確かにこの世代の方々は、上司の背中から学んだということも事実なのだと思います。ただ、これで通用した時代は終わってしまいました。それは時代のスピードが遅かった時代です。

 昔は、多くの社員が上司の背中を見て育ちました。
 でも、そんな悠長なことをやっていられないのが今の時代です。テンポが違いすぎます。

【人に何かものを教えるときに、背中で教えていたのでは遅いのです】
 
 嫌われても、言うべきところは言い、叱るべきところは叱り、厳しいことを言わなければいけないときは厳しいことを言うのです。背中で教えるのんびりした時代ではもうないということです。

 上司は常に現実をしっかり見つめながら、『われわれの若いころは』『われわれが新入社員のころは』『20代のころは』という発言に気をつけましょう。それは、今の時代に合っていないのです。

 『背中を見て学べ』では、遅すぎです。部下が早く成長できるように努力してください。

《個別面談》

 個別面談を実施することで色々な事が分かります。

※組織のシステム上の問題点
 上司から部下への連絡事項等が伝わらない。
 上司を飛び越えての業務上の相談。
 トップに現場の第一線で起きていることが伝わっていない。

※職場内の人間関係トラブル
 上司と部下との関係のトラブル。
 同僚同士のギクシャクした人間関係。

※職場内のボトルネック。
 チーム内の問題児。
 業務遂行上のボトルネック。

 一年に一回の個別面談ですが、多くの組織の問題点と課題が確認出来ます。是非、お勧めします。