経営」カテゴリーアーカイブ

《解決方法は、問題の中にある》

 中谷彰宏さんの“スピード問題解決”という本の中に《解決方法は、問題の中にある》という文章がありましたので、少し御紹介します。

 問題解決を考える時に、頭の中で、ともすれば問題対解決策という構図が出来上がってしまいます。
 問題という敵に対して解決という味方をぶつけていかなければならないという発想です。
 そして問題と解決をぶつけ合うことになります。
 こうなると消耗戦になって、いつまでも解決できません。
 消耗戦にならないためには、できるだけ敵を味方にしていく発想が必要です。
 問題を味方にするにはどうするか。
 こつは、問題を味方だと考えて、問題と解決の境目をなくすることです。
 問題の中に解決が必ず潜んでいると考えます。
 問題が悪で解決が善という先入観ではいけません。
 それだけで問題が敵に回ってしまいます。
 問題と解決には境目はありません。
 問題を毛嫌いするのではなく、問題を愛してあげなければいけません。
 解決したらもう問題が起こらないのではありません。
 必ずその次の問題が起こってきます。
 ここまでは問題で、ここから先は解決という境目をつくらないことです。
 問題が発生した時は、飛躍的に進歩を遂げるチャンスだと考えましょう。

《B・S・Cカードによる計画策定》

 経営ビジョンを設定し、実現の為の実行計画を策定するという工程がありますが、今回は少し古いのですが“バランス・スコア―カード”の考え方に基づく手法をご案内します。

 まずは、バランス・スコア―カードによる4つの視点から
 【財務の視点】財務的にどのような行動をとるべきか?株主等の利害関係者に対してどのような行動をとるべきか?

 【顧客の視点】ビジョンと財務的な事項を達成するために、どのような行動をとるべきか?顧客満足を高めるにはどのような行動を起こすべきか?

 【業務プロセスの視点】顧客と財務的な視点を満足させるためにはどのような内部体制を作り上げる必要があるのか?

 【学習と成長の視点】ビジョンを達成するために、どのようにして変化を促す人材を確保するのか?

 以上のような切り口から、結果指標とプロセス指標を設定してショートタイムチェックを繰返しながらビジョン実現に邁進するといったアプローチ方法になります。ポイントは、ある分野に偏らないということなのでしょうね!

《サービスについて》考えてみる

 『どう見ても着たあとがあるドレスを顧客が返品しようとした時、当社の社員がどのように対応するのか』と質問されて、こう答えている。

 私には、わからない。それが正直な答えだ。しかし、顧客が丁寧な対応と心からのサービスの提供を受けたと感じる方法をとると、私は強く信じている。返品を受けるかどうかは、その時の具体的な状況によるのであり、私はどうすべきかについて、店員に広範囲な権限を与えている。店員はすべて販売の専門家だと当社では考えている。専門家には規則はいらない。基本的な指針は必要だが、規則は不要だ。ノードストロームでは、基本的な価値と基準を守っていさえすれば、仕事を進めるために何をやってもいい。  『ビジョナリ―カンパニー』より

 最近、コンビニの店員さんの対応に“アレッ”と感じたことがありました。

       

《品揃えが豊富すぎると逆に売上が下がる》

 シ―ナ・アイエンガー博士が興味深い実験をしています。“ジャム”を使っての調査・実験なのですが、少し紹介すると次のような内容です。

 アメリカのドレーガ―ズというスーパーでは、試食コーナーが準備され同じ商品グループの中から20~50種類ものサンプルを試食出来るようになっていた。店は、圧巻の品揃えでまちがいなく注目を集めていた。だが、その注目は、売上に結びついていただろうか?
 そんなわけで、わたしは店内に自分の試食コーナーを設置して実験をやらせてもらうことになった。選んだ商品はイギリス女王御用達のジャム会社、ウィルキン&サンズのジャム。理由は、種類が豊富で品質が高かったことと、試食しやすく、ほとんどの人が好きか、少なくとも嫌いではないと考えたからだ。
 試食実験は、大きな品揃え【24種類のジャム】と小さな品揃え【6種類のジャム】の二つのグループに分けて数時間ごとに入れ替えを実施しました。試食客が試食したジャムは平均2種類程度だった。試食コーナーに立ち寄った客全員に1週間有効の1ドル割引きのクーポンを渡して購入行動の追跡調査を行った。
 クーポンを集計した結果、驚くべき事実が判明した。。小さな品揃え【6種類のジャム】の試食に立ち寄った客のうち、ジャムを購入したのは30%だったのに比べ、大きな品揃え【24種類のジャム】の試食の場合、実際にジャムを購入したのは、試食客のわずか3%だったのだ。大きな品揃え【24種類のジャム】のほうが、買い物客の注目を集めた。それなのに、実際にジャムを購入した客の人数は、小さな品揃え【6種類のジャム】のほうが、6倍以上も多かったのである。

 興味深い話です。

《生産プロセス》

 トヨタ生産方式 大野耐一著を読んでいます。1973年に初版が出ていますね。私は、学生時代を謳歌していた頃なのですが、当時マーケティング論の授業では『マスマーケティング』という言葉が随所で使われていたように思います。(今も記憶に残っているくらいです)『マスマーケティング』を日本語で表現すると【大量生産、大量消費】というように説明を受けた気がします。要するに、戦後高度成長の時代の波に乗って大量生産することでコストダウンが実現でき、消費者には安く物を供給すると同時に企業は利益を生み出す、といったことでしょうか。
 
 大学の授業では、当時先端の考え方として講義がなされていたのですが、“トヨタ生産方式”を読んで驚きました。トヨタは昭和の20年代から物作りに対する考え方が【多種少量で安く作ること】だったようです。【大量生産、大量消費】のまったく逆だったわけです。現在では、当たり前の考え方ですが、当時としては画期的だったのでしょう。それと、学問の分野と生産現場のギャップのようなものを垣間見た気がします。

 トヨタの生産に対する考え方は、精錬され『ジャスト・イン・タイム』『自働化』へと発展していきます。

《福祉経営を考える》

 今月は、幹事をしている社会福祉法人(老人福祉)とNPО法人(障がい者)の監査と理事会に出席しました。財務状況は良好なのですが、組織経営と組織の管理という面で色々と考えることがありました。

 御存知のように平成12年に介護保険制度が導入されて早いもので10年以上が経過しました。途中制度改正を重ねて現在に至っていますが、各施設の状況も導入当初は“護送船団方式”による【組織の管理】といった印象がとても強かったのですが、最近はそれぞれの施設の個性が出てきてるように感じます。いわゆる各組織の経営戦略の違いが差として見えるようになってきているのだと思います。

 そこで、【組織の永続】の為にすべきことは何か!ということになるわけですが、まずは“人・物・金”の蓄積が考えられます。理事会等福祉の現場では“財産の蓄積”を、あまり歓迎しない雰囲気があるのです。介護保険導入以前は、措置費として税金が投入され使い切りが慣例となっていたことが未だに影響しているのではないかと思います。使い切るという【管理的思考】からコストパフォーマンスを重視した【経営的思考】に役員・幹部職員は頭を切替えることが大切だと感じました。

 あるトップの方が『私が在職している間は盤石な運営が出来ると思うけど、いずれ後輩たちに引継ぐことになるし、彼らが10年先20年先安定した経営が出来るよう考えている。』とおしゃっていました。

 『お金を貯めるのは難しい。使うのは簡単』なんでしょうね。

《定量的説得思考》

 最近社員研修を実施して《問題解決思考力》と《定量的説得思考力》が不足していると感じることが多くなりました。お話を聞くと《スキルの研修》とか《マナー研修》等実務的な研修に多くの時間を使っているようです。

 今日は、不足気味だと感じている《定量的説得思考力》について書いてみたいと思います。
 例えば、ある自動車の販売会社で売上のない部下に対して、上司が『お前はダメな社員だなぁ。営業マンとしては失格だ。なんで一人前の仕事が出来ないんだ!そんなんじゃ奥さんや家族からも嫌われるぞ!』と叱ったとしましょう。
 この場合感情にまかせ叱ることで得られるのは上司の自己満足と部下の屈辱感だけなのです。
 
 もし目的をしっかり理解し、達成させようとしている上司であれば、次のように語るでしょう。
 『うちの商品が優れていることは君も知っていると思うが、値段は他社に比べると20%程低く設定しているし、顧客満足度指数・リピーター数も高水準を維持している。もっと自信を持ってお客様に接しなさい。見込み客リストを現在の2倍にする為のアクションプランを明日一緒に検討してみよう。君の年収は、現在360万円だが、毎月売上を15%増すると520万円程に上がる可能性がある。自分自身の為、家族の為に頑張ってみるか!応援しているからな』
 このような感じで上司が語ったとしたらどうでしよう。部下は上司の話に納得し、気を取り直し、自分の為に、家族の為に、そして上司と会社の為に、きっと仕事に精を出してくれることでしょう。
 ここで大切な事は、具体的な目標・数値・方法などを示すことだと思います。『頑張れ、頑張れ』と励ますだけでは、ナカナカ成果は上がらないと思います。
 

《マインドマップ》

 私は、マインドマップの手法を数年前に【トニープザン】の本を読んで知りました。最近、新聞に『マインドマップ』についての投稿がありました。色々な使い方があるな!と思いましたので、御紹介してみます。

 七〇歳代後半から『マインドマップ』を書き始めて3年になる。マインドマップとは、ものごとの関連づけや発想の広がりを、イラストや文字で視覚的に表現するもので、教育現場でも活用する動きがあるようだ。
 例えば私の場合、チラシの裏の真ん中に四角を書いて、中に『外出時の持ち物』と書いてみる。そして四角から樹形図のように何本か枝を出す。枝に【老眼鏡】【補聴器】などと文字や絵をかく。【補聴器】からさらに一本、枝を出して【電池】と書き入れる。この紙を壁に貼っておくと忘れ物予防にもなる。
 『今日のスケジュール』『私の夢』『趣味』などテーマは何でもいい。人に見せるわけではないし、自分の心を飾らず素直に紙に書けばいいのだ。それだけで、心が楽になってストレス解消にもなる。
 あれもこれもと頭の中がパンクしそうになったらマインドマップ。私にとって手軽な心の整理法である。  横浜市 田中郁子様投稿
 
 私が『マインドマップ』を使用する場面は、セミナーです。2時間程度の講義の内容・順番・ポイント等をマインドマップにまとめてから臨むことが多いです。目で全体が一覧できるので進捗状況・次の話す内容等が把握できてとても便利です。ノートとかメモをマインドマップ形式でまとめている方もいらしゃいますね!色々な可能性に挑戦してみてはいかがでしょうか。

《教育産業とは》

 数年前になるでしょうか!賃金総研グループの勉強会で講師の方が『飲食業は教育産業なんです』とおしゃられたのですが、私は『教育産業』ということの意味がよく分かりませんでした。後で、【調理する人で美味しくなったり、まずくなったり】【接客する人によって喜ばれたり、不満をもたれたり】と『人』によって商品のクオリティーや価値にブレが生じてしまうことを指しているのだな!ということを理解しました。
 
 興味深いことは、労働集約的な『飲食業』『介護の現場』『医療の現場』等では、その組織の『人の差』が店・施設・会社の差に直接つながるとということです。【人が伸びれば組織が伸び】【人が成長すれば組織も成長する】いわば、『人の力』が成功と失敗を決定するのです。
 
 【人を伸ばす】【人を成長させる】【人を育てる】ということに本気で取り組む必要が有るかと思いますが、まずは弊社が提案をしていることは《スキルマトリックスシート》を使用しての自己評価、上司評価を定期的に実施することです。通常人事考課は年に二回行っているところが多いと思いますが、毎月評価を実施します。半年分の評価結果を人事考課にも使用しますが、目的は毎月チェックをすることで確実に自分のものとして身につけて頂くことです。

 再度確認をするならば、人事考課制度の目的は《我が組織の望む人材を育成すること》に有るわけですから、『査定』とか『選別』とか『差をつける』といったような誤った方向へ向かわないことを切に希望しています。

《経営戦略と人材開発》

 人材開発といった視点から企業を見た場合、一般的に『人材開発という発想のなさの問題』が見えてきます。もう少し具体的にいうと、技能訓練中心の教育に偏っており能力開発的な機会が少ない為に、ミドル階層の思考力と問題解決のスキルが不足しているように感じます。
 コーチングの立場で目指すべきものは、【潜在能力の発揮】にあります。一部では、人は生涯かけて【潜在能力の3%しか使っていない】と言われています。実にもったいない気がしますが、いかがでしょうか。潜在能力の発揮を妨げているものは、いったい何なんでしょうか。
 私たちは、自分自身の潜在能力の発揮を制限しているものを《メンタルブロック》と表現しています。メンタルブロックには4つあります。
 ①習慣【昔からのやり方に頼り、新しいことを避けようとする】
 ②態度【目標や課題に対して消極的になり、出来ない理由を探そうとする】
 ③思い込み【固定観念や思い込みが強く柔軟な考えが取れない。頑張っている限り成果が出なくても仕方ないと考える】
 ④期待【自分にはこれくらいしか出来ないという低い期待感】
 以上のようなことがブレーキとなり、自分自身の能力や可能性を充分に出し切っていないことは確かなようですが、あなたはどうですか。

 次の質問に答えてみてください。
 ※あなたが伸ばしたいと考えている習慣・態度は何でしょうか?
 ※あなたが矯正したいと考えている習慣・態度は何でしょうか?