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《固定観念を超える》

 大学での勉強も四回を終了しました。

 講師の先生がソニーの出身の方で第四回目の授業では、NHKで30年前に放送した番組で、当時ソニーの代表である“盛田昭夫”さんにインタビューした動画を見せてくれました。10分程の番組でしたが、濃い内容のものでした。

 インタビューで盛田さんは2つの内容のことを話していました。
※一つは『売り方を考えろ』ということ。
 今風で表現すればマーケティングです。
 【ターゲット】【ポジショニング】【メッセージ】を考えることだと思いますが、当時は『良いものを作れば売れる』といった考え方が主流でしたので、盛田さんの話している内容は革新的でした。

※もう一つは『常識を疑え』です。
 製品・技術・サービスは、固定観念を超えた柔軟な発想から活路が生まれるものだと思います。カップめん・スマートフォン・ウオークマン等々驚きの製品が世の中に登場しました。組織の中に自由な発想を生む仕組み作りも大切なことのような気がしました。

 

《マーケティング戦略から》

 今日は、マーケティング戦略から3つの質問をしますので、是非考えてみてください。

1あなたの顧客は誰ですが?

2その顧客に、どんな技術・商品・サービスを提供しようとしているのですか?

3それを実現するには、どのような人材が必要ですか?

 マーケティングのセグメンテーション・ターゲティングの切り口から考えてみました。

《マーケティングを考える》

 40年ぶりに大学の授業を受講してきました。社会人の為の“マーケティング戦略”について、6回の講座です。(第1回目終了)

 私は、90年に独立開業して27年間お客様の現場に出向いて、問題の把握と課題の設定に励んできました。

 元々学問の世界と実務の世界の違いに関心があって独立をしたので、日々現場で起きることは大変に刺激的でしたし、問題・課題に対しては“お客様が答えを持っている”を念頭において、一緒に考え・悩んできました。

 暫く現場主義に偏っていたので、今回の受講は理論を再確認するのによい機会になりました。

 私にとって、第1回目の講義で印象に残ったこと。
※顧客の顕在ニーズと潜在ニーズ
 重要なのは、顧客がまだ気づいていない潜在ニーズを把握すること。アンケートやインタビューでは把握できない。モニタリングが重要。

※外部環境を変える
 外部環境の変化予測をして、変化対応をすることも大切だが、外部環境を変えるという発想もある。新市場を創る。

※人口減少社会
 新規顧客の獲得・増加を評価するのではなくて、離反率の減少を評価する。

 他に色々と学習しましたが、脳みそのサビ落としになりました。 

 

《我が信条》

※ジョンソン・エンド・ジョンソン

 我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師・看護師・患者・そして母親・父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。

 顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、我々の行うすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない。
 
 適正な価格を維持するため、我々は常に製品原価を引き下げる努力をしなければならない。

 顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。

 我々の取引先には、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。

 我々の第二の責任は全社員に対するものである。

 社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳と価値が認められなければならない。

 社員は安心して仕事に従事できなければならない。

 処遇は公正かつ適切でなければならず、働く環境は清潔で、整理整頓され、かつ安全でなければならない。

 能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられなければならない。

             “ジョンソン・エンド・ジョンソン” 我が信条より抜粋

《不毛な労働》

 労働それ自体が人間を成長させるという考えには、根拠がありません。また、どんな労働にも価値があるという考えなど愚の骨頂というべきです。

 ある知人の話しですが、刈る必要のない芝生を壊れかかった芝刈り機で刈るように命じられたことがあるそうです。これは、指示・命令に服従する態度を叩き込むのが目的であり、芝刈り自体はどうでもよかったのでしょう。

 私たちは、これほどに極端な仕事はしていないはずですが、“不要・不急”の仕事にどれくらいの時間を使っているでしょう!

 子供たちは、数分間で習得できるはずのことや、そもそも勉強する必要のないことを学ぶために、毎日学校で悪戦苦闘を強いられているかもしれません。

 時間とエネルギーと才能を浪費させる労働や勉強は、無意味などころか、知性を麻痺させてしまいます。

 P・ドラッカーは、タイムマネジメントの中で仕事を書き出すことの有効性について説明をしています。書き出して“見える化”することによって、やらなくてもよい仕事が発見しやすくなるということだと私は理解しています。

 優先事項よりも後先事項(マイケル・デル)の言葉にもあります。

 このような視点で、日常業務を一度見直してみませんか。

《オンリーワンとナンバーワン》

 『ナンバーワンよりオンリーワン』という言い方があります。

 競争社会を生きる私たちにとって『ナンバーワンではなくても、オンリーワンであればいい』というメッセージは、励ましでもあります。

 ところで、この『ナンバーワン』と『オンリーワン』は、どのようなことを意味しているのでしょうか。

 正反対の性質を持つというよりは、むしろ同質の『見方を変えた言葉』だと捉えることができそうです。

 周囲との切磋琢磨を繰り返し、ナンバーワンを目指す。結果的にはそうはならなくとも、その過程は紛れもないオンリーワンというのが本来の姿です。

 それを『ナンバーワンを目指すのは大変だから、オンリーワンでいいや』という消極的な姿勢に捉えてしまっては、オンリーワンにもなれないでしょう。

 勝ち負けそのものが目的になるような過剰な競争は避けたいものですが、競いあうことで成長があることを忘れずにいたいものです。

 職場の教養より 

《ドラッカーの金言》

 今年のゴールデンウイークのアッという間に終わりました。

 期間中に何冊か本を読みましたが、その中からご紹介いたします。

【ドラッガー365の金言】から
 1958年から63年までGEのCEOをつとめたラルフ・コーディナーは、上場企業のトップマネジメントは受託者であるとした。その責任は、株主・顧客・従業員・取引先・地域社会の利害を最もよくバランスさせてマネジメントすることであるとした。今日のステークホルダー(利害関係者)の考え方だった。だがこのコーディナーの答えでは、成果の定義がなされていなかった。しかもバランスの意味が曖昧だった。しかし、もはやわれわれは仕事の成果の定義について、その理論化に苦労する必要はない。

 ドイツと日本では、企業の所有権は機関投資家に集中している。それらの機関投資家は企業活動の成果をどのように定義しているか。具体的な方法は違っても、仕事と成果の定義は同じである。コーディナーのように何ものかをバランスさせようとはしない。最大化させようとする。しかし、株主その他、特定のいかなる利害関係者の短期的な利益も最大化させようとはしない。富の創出能力そのものを最大化させようとする。

 この富の創出能力の最大化こそ、短期と長期の成果を統合し、かつマーケティング・イノベーション・生産性・人材育成などの事業上の成果を財務上の成果に結びつけるものである。そしてこの目標こそ・株主・顧客・従業員などあらゆる利害関係者を満足させるうえで必要なものである。

 ドラッカーの表現は難解なものが多いですが、この金言から私が学んだことは、【短期と長期の成果】と【マーケティング・イノベーション・生産性・人材育成】についてです。まずは、成果を何にするのか。そして、その成果を実現するためにマーケティングをはじめとした業務プロセスの4つの視点といったところでしょうか。

 参考になりました。

《掃除上手に感心》

 読売新聞投稿より  大分市 松岡美代子様(64歳)

 小学校の校舎は木造で、私の学年は5クラス、全校で1800人ほどの児童がいた。

 思い出すのが、掃除の時間だ。1クラスでも50人いたので、教室の中はまるで戦争だった。

 きちんと作業をする人もあれば、ほうきを持ってチャンバラをする男子や、ぞうきんを投げ合って遊ぶ者もいた。

 印象に残っている同級生がいる。

 彼女は、どこの掃除当番になってもピカピカにしてしまうのだ。床は顔が映るほどに磨き上げる。机もイスもびしっと美しく、素晴らしい大人になるだろうと見とれていた。

 

 私は、三十数年前に勤務していた会計事務所のことを思い出しました。

 新人の頃に、先輩のかばん持ちでお客様のところに同行する機会があったのですが、その時ある社長様が『仕事で大切なことは何だろう!』と先輩社員に質問をされました。

 先輩は『掃除だと思います』と答えられました。

 以来、私のむ中にずっと残っている大切な言葉です。
 

 

《小事は大切・継続は力》

 “小さな成功体験” “小さな変化” “小さな出来事”等々、時として“小さなこと”が疎かにされることがあります。

 問題解決のステップには、次のような考え方があります。

【大ごとにする】
 問題を消そうとする習性とは反対の、すなわち『火消し』から『火つけ』に転向することである。
 うまくいっている、いっていないは、実態ではなく、人々の認識にすぎない。そこで、小さい問題だと思えても、それを大きくしてみることである。化粧がはがれてきて、そうはうまくいっていないことを、みんなが実感することになる。
 本当に小さい問題ならば、大きくしようとしてもそうはならない。大きくなるのは、実は大きな問題だからである。

 私が、特に大切だと感じていることは、身近なところで【小さな変化を継続して起こし続けること】です。

 まずは、皆さんの出来ること(業務改善など)を継続してみましょう!

《とっくりセーター》

 あるデパートでの微笑ましいエピソードです。

 七十代くらいの女性が『うちのお父ちゃんに、とっくりセーターが欲しいんだけど、どこにある?』と店員に尋ねました。

 若い店員は『タートルネックのセーターですね』と返事をしています。そこに、ベテランの店員が間に入り『とっくりセーターでございますね。どうぞこちらです』と案内に立ちました。

 そして『とっくりセーターは暖かいから、ご主人様も喜ばれるでしょう』と、最後まで『とっくりセーター』とお客様に合わせていました。

 ベテラン店員は、正しい呼び方より、相手に合わせる方を選んで接客したのでした。きっとその女性も、気持ちよく買い物をすることができたでしょう。

 私たちも、時と場合に応じて、相手に合わせる配慮をしたいものです。

 ちなみに『とっくりセーター』とは、日本酒などを入れる徳利に形が似ていることから、かつて呼ばれていた呼び方です。

 ※ 職場の教養から