経営」カテゴリーアーカイブ

《マインドマップ》

 2005年に“ザ・マインドマップ”・・・トニー・プザン著が発売されました。話題になったので、私も購入して読んでみました。

 センターにテーマとなる“言葉”を記入して、その言葉から連想する事柄をブランチ(枝状)に記入して展開していくといった手法です。ノートやメモを取る際に、従前は時系列にして直線状に記入していたものを、テーマを決めてブランチ(枝状)にしていきます。やってみた感想としては、言葉をシンプルにしたり色分けしたりして記入することで、全体の情報が目から一覧でインプットされてきます。問題を整理したり、対策を考えたりするときのツールとしては便利だと思います。

 私のもう一つの利用は、セミナーや初めての研修の時“マインドマップ”にテーマを記入し、各論についてはブランチにポイントを簡単な言葉にして展開しておきます。机の上において“マインドマップ”を見ながら進めると、言い忘れもなくスムースに研修が実施されます。

 最近のコミュニケーション研修で、マインドマップを使い始めました。言葉の確認のために、テーマを“しあわせ”に設定して、参加者に方々に“しあわせ”から連想する言葉を数個ブランチに記入して頂きます。次に参加者の皆さんで答え合わせをしてみます。実に興味深いのですが、“しあわせ”に関する個々人のイメージがバラバラであることが確認できます。美味しいものに幸せを感じたり、お金に幸せを感じたりといったように・・・・・・。

 コミュニケーションにおいて、言葉は媒体として重要な働きをしていますが、注意しておきたいことは【言葉に対するイメージの違い】があるということです。相手との間に、『どうもギャップがあるな!』と感じた時は、言葉の意味とかイメージの確認やすり合わせが必要かもしれませんね。

 

《マーケティングとイノベーション》

 “マーケティングとイノベーション”という言葉はよく耳にします。P・ドラッカーの本によくでてきますが、事業経営では重要な考え方だと思います。

 一方では“経営戦略”もとても大切です。今から、30数年前に マイケル・E・ポーターが“競争の戦略”という本を書きましたが、現在でも私にとっては教科書的な存在です。

 少し厚めの本で、たくさんの情報・考え方が書いてありますが、戦略策定のポイントは次のように私は理解しています。
【戦略策定ポイント】
※ 差別化・・・・・・・・・・・・他との違いをどうするか?
※ コストリーダーシップ・・・・・安く提供するには? 
※ 集中・・・・・・・・・・・・・強みに集中する

 未だに通用する考え方だと思います。

 また“マーケティング”は、お客様の問題解決、“イノベーション”は、お客様の気が付いていない問題解決と“マーケティングのすすめ” 高岡浩三著の本の中にありました。改革と改善という言葉を区別していかないとダメなんだ、と気付かされました。

 是非“マーケティング” “イノベーション”について、じっくり考えて頂きたいものです。 

 

《ドラッカーの金言より》

 仕事ができるものは、多くのことで成果をあげなければならないことを知っている。だからこそ集中する。
 
 集中するための原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。第一級の資源、とくに人の強みという希少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。昨日を捨てなければ明日を創ることはことはできない。

 意識して体系的に廃棄をしないかぎり、組織は次から次へと仕事に追われる。行ってはならないこと、もはや行うべきではないことに資源を浪費する。

 そのため、せっかくの機会を利用するうえで必要な資源、とくに有能な人材が不足する。

 あまりにわずかの企業しか昨日を捨てていない。あまりにわずかの企業しか明日のために必要な資源を手にしていない。

 ドラッカーの言う“イノベーション”とは、捨てることなんでしょうね!

《経営について考える》

 ご紹介等があり、様々な企業様にお伺いする機会があります。規模の大小は色々ですが、現場からたくさんのことを学びます。

 そこで今日は“企業経営”について考えてみます。
 
 初めてお会いする経営者の方々に『企業経営ってなんでしょうか!』と質問をすることがありますが、『えっ』と戸惑いの表情をされる方や、自分の経営に対する想いを熱く語ってくださる方がおります。それぞれの考え方があって宜しいと思うのですが、少しだけ整理してみます。

 事業経営に必要なものを3つに絞ってみるとしたら、私としては次のようになります。
※経営ビジョン・・・・中長期のビジョン
※経営計画・・・・・・ビジョン実現のための実行計画
※経営戦略・・・・・・生き残るための戦略

 本来経営者としてやるべきことがおざなりになっていたり、日々の雑事に追われていてキチンと経営と向き合っていなかったりといった事例に出会います。残念ながらそのような企業は、経営成績が悪い傾向にあります。

 あなたの会社はいかがでしょうか?
 時には、じっくり自社の未来について考えてみては・・・・・!

《5Sを考える》

 最近様々な現場に出かけて感じていることは、【5Sの大切さ】です。

 5Sとは、1整理・2整頓・3清掃・4清潔・5躾の5つの活動の組み合わせで、企業の基礎・基盤を形づくる重要な活動です。

 『たかが5S』とナメてかかったり、5Sが中途半端のまま新しい改善に手を出したりしても、感動経営は望めません。結局はふりだしにに戻って、やり直しをさせられるだけなのです。

 5Sができていない企業は、あれこれ手を出すのをやめて、まず5S一本に絞って集中的に活動し、成功軌道に乗せることが大切です。職場の風景が一変し、以前の乱雑・非効率な職場に二度と戻したくない、と皆が感じるようになったら成功です。

 5Sの4つのチェックポイント(次の4ポイントを見れば、5Sのレベルがわかります)
Ⅰ 床・・・・・欠陥がなく、汚れがすぐに取り除かれているか!
Ⅱ ホコリ・・・目より高い位置にホコリが付いていないか!
Ⅲ 机の上・・・書類が横積みになっていないか!
Ⅳ 工具箱・・・中が乱雑になっていないか!

 職場の環境を少し意識してみたいですね。

《スリッパ会社と作業着会社》

 “ドラッカーの実践経営哲学”から!

 投資の専門家が言っている鉄則に『スリッパに履き替える会社に投資すると儲からない』という『スリッパの法則』がある。同じく『作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない』という『作業着の法則』もある。

 スリッパに履き替えたり社長が作業着を着て内部に目を光らせている会社は、外部志向でなく内部志向だからだ。

 言うまでもないがマネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない。

 儲からないといって嘆いている企業に共通していることは、幹部が社内を歩き回ってお客(得意先)を回っていないことである。 

 お客を回る時も一人で回らずにお供を連れて回るのが特徴だ。会社はつぶれないものだと勘違いしているから、外部で起きている変化に無関心で社内に座っていたり、お供を連れてお客を回ることができるのだ。

 お供を連れてお客を回っても、お客は顔なじみの担当者の顔をたてるから、お客からホンネの話を聞き出すことはできない。私の経験では、幹部が連隊を組んでお客を回っている企業の業績は悪い。本当に強い幹部は裏口から一人で入ってくる。

 マネジメント(経営管理)の根幹は会社をつぶさないことであり、そのために自らお客をつくる活動を行うことである。お客をつくる活動を行うために社内を管理しているのである。

 売上不振の原因は、お客と話をする以外に本当の原因は分からない。そうしてはじめて不振の本当の原因をつかむことができるのである。

《ドラッカー流 リーダーシップ》

 ドラッカーは、リーダーの最大の仕事は企業内で働くすべての人々に役割を与えて、やる気を引き出して生産的にしむけることだと言っます。
 
 『企業は人なり』と言います。企業は人間の集団であり、人間よってつくられている組織ですから、発展・永続するかどうかは一にも二にも人間をやる気にさせられるか否かにかかっていると言わざるをえません。人間をやる気にさせて能力を引き出すことがリーダーの最大の仕事になるのでしょう。

 もう少し具体的にすれば、リーダーは夢を語ることが大切になるということです。“ビジョンリーダー”といった表現で伝えることが多いのですが、人間は夢と希望がなければやる気を起こしません。『笑う門には福来たる』と言われますが、何よりリーダーは周囲を明るい気持ちにさせ“情勢が暗い時でも”方向を明確に示し皆をリードすることが新のリーダーといえます。

 また、組織が永続するために【何のために存在するのか】 【存在するために何をするのか】 【何をしてはいけないのか】を分かりやすく共感を覚える言葉で伝えることができれば、社員が『自分が会社を動かしている』と感じることができるようになると思います。このような仕組みを創ることがリーダーに課せられた課題となります。

 
 

《見える化を考える》

 最近“見える化”について考えています。10年以上前に“可視化”という言葉を使って社内研修を実施するため色々と学習をしました。当時の資料を改めて確認すると“見える化”ではなくて【見せる化】であることに気がつきました。見せるための工夫とか意図が大切であるということを教えてくれています。

 頭の体操の著者“多湖 輝”の本に興味深い記述がありましたので、ご案内します。

 好奇心さえあれば見えないものを見ることができる。例えば街頭で人だかりがしていれば『なんだろう』と興味をそそられる。これが好奇心だ。
 
 近づいていくと若い人が集まっていて、中で一人のミュージシャンがギターを弾きながら歌っている。

 私には若い人の歌はよくわからないが『大勢の人を引き付ける魅力があるのだろう』と想像がつく。

 ストリート・ミュージシャンというのだそうだが、集まる人の数によってミュージシャンの実力をうかがい知ることができる。つまり人だかりの多さという目に見えるもので、ミュージシャンの実力という見えないものを推し測ったわけだ。

 もう一つ同じような例を出せば、街を歩いていてラーメン屋さんの前に行列ができているのを見れば『わざわざ並んでまで食べたいほど美味しい味のラーメンなのだろう』とわかるだろう。

 このときは、ラーメンの味という見えないものを、行列の長さという目に見えるものに置き換えて見ていることになる。

《3つに絞る》

 選択の科学の著者シーナ・アイエンガー博士は、興味深い“ジャムの販売実験”を行っています。同じデパート・同じ時間帯・同じメーカーのジャムを使用しての実験ですが、一つは23種類のジャムを用意し、もう一方は6種類のジャムでの試食販売です。結果的に、6種類のジャムを試食品として提供したほうが販売成績が良かったということです。(それもかなりの大差で!)私の感覚ではたくさんの選択肢があったほうが売れると思っていたので、この実験結果には驚かされました。

 最近読んだ記事に、今日のテーマにしている“3つに絞る”という内容のものがありましたので、ご案内をします。

 自分で自分の首を絞める場合もあります。最大の要因は、多くの責任を背負いすぎてしまうことです。無理をすると、いずれ収拾がつかなくなります。人生は魅力的な可能性の載ったトレイがズラリと並んでいる大きなビュッフェのようなものですが、欲張って自分の皿にあれもこれも載せてしまうと、消化不良になるのがオチです。本物のビュッフェと同じで、人生でもすべてを平らげてしまうことはできますが、いっぺんにはできません。
 
 ひとつのやり方として、生活の変化とともに優先順位は変わると自覚したうえで、そのときどきで三つの優先順位を決める方法があります。この考え方は、目新しいわけではありません。じつは、アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として【三つのルール】を活用しています。長年、試行錯誤を繰り返した末に、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることを発見しました。

 その結果、軍事システム全体がこの点を反映するように設計されているのです。中隊長は三人の小隊長を束ね、小隊長は三人の分隊長を束ね、分隊長は三人の班長を束ねます。陸軍では『4つのルール』を試みましたが、効率は目に見えて落ちたそうです。

 日本でも『3』という数字はよく使れています。【アベノミクス3本の矢】【日本三景】【うまい・はやい・やすい】等々・・・・・。

 “あれもこれも”と欲張らずに、絞り込むことの大切さを教えてくれているような気がします。

 

《ボトムアップ経営》

 組織を動かす際の手法には“トップダウン方式”と“ボトムアップ方式”があります。トップダウン方式は、トップが方針とか目標等を指示・命令といった形で下位階層に落とし込んで、方針の徹底や目標の達成を実現しようとする方法です。

 一方のボトムアップ方式は、下位階層から上位層に提案等の形で上げられたものを承認し実行するといったものです。

 トップダウン方式、ボトムアップ方式のどちらも重要な機能と考えますが、組織が成長し大きくなってくると【ボトムアップ機能】が弱くなってくるように感じます。最も重要な、お客様との接点(ファーストライン)で起きていることが、トップに届いていなかったりします。クレーム・事故・トラブルといったようなことですが、『悪い情報こそ早く』の原則がおざなりになっているといった感じです。

 私はトップが社員の話を聞く機会を持つことが大切だと日頃感じていますので、定期的なトップ面接を勧めています。短い時間で良いと思うので、実施していただきたいものです。普段気がつかなかった【経営課題】が見つかったり、離職率が低下したりと、色々な効果は実感しています。

 野中郁次郎先生は、【ミドルアップダウン】といった組織運営方法について説明をしていますが、関心のある方は『知識創造の経営』日本経済新聞社から出版されていますので、ご参考になさってください。