「~して」という表現が、2つの文を結びつける。ごく簡単なことだ。指示したいことを1つ決めて、「~して」の表現を使って、もう1つ指示をつけ加える。
つまりこの魔法のフレーズは「指示・~して・指示」となる。言われた人は、多めの情報を受け取り、処理することになる。
1つの指示に対して「嫌です」と断るのは、2つの指示を断るよりも簡単だ。しかし、一度に2つの指示を与えられると、相手はどちらの指示を先に断ればいいのかがわからなくなり、結局は両方の指示に従ってしまうのだ!
この作戦のすばらしいところは、あなたが相手に影響を与えていることに、相手がまったく気づかないことだ。これは、日常のさまざまな場面で使うことができる。
・「2階へ行って、部屋を片付けなさい!」
・「私の方を見て、何か言って!」
・「議事録を書いて、それを私にメールしてください」
・「私たちに電話をかけて、質問してください」
・「電話を手にとって、私たちに電話をかけてください」
・「立ち上がって、どうぞ前に来てください」
この魔法のフレーズがいとも簡単に、またいろいろな場面で使える事がおわかりいただけるだろう。
もちろんこれを使ったからと言って、誰かをあなたに服従させることはできない。2つの指示のうちの1つでも、相手の意に反したものだったら、相手はどちらの指示にも従わないだろう。僕自身、いまだに「2階へ行って、部屋を片付けなさい!」という指示の仕方を、家で練習しているところだ。
ちなみにこのような文を、確信に満ちた有無を言わせぬ態度で言えば言うほど、相手は言うことを聞いてくれるだろう。自信を持って、相手をまっすぐに見よう。このテクニックが驚くほど頻繁に使えるということを実感するだろう。