《転身する》

 読売新聞の記事から

【アナウンサーから研究者に転身する】・・・桝太一さん(40歳)
 突然の発表が、お茶の間を驚かせた。アナウンサーとして16年勤めた日本テレビを3月末で退社し、大学研究員に転身する。同志社大ハリス理化学研究所で、科学を社会に適切に伝える『サイエンス・コミュニケーション』について研究し、将来は博士号の取得を目指す。

 『科学があまりに進み過ぎて、一般社会と距離ができている。それを専門的につなぐ人間が必要なんじゃないか』

 東京大学大学院でアサリについて研究し、修士を取得後、2006年に日テレに入社。エントリーシートには『環境問題を広く伝える仕事がしたい』と記した。『根本的な考えは僕の中で、就職面接の時から変わっていません』。入社4年目頃から、番組で生物の深い知識を披露し始め、テレビで珍しい『理系アナウンサー』として人気者となった。

 40才を前に、妻からも『このままだと、あなたは、ただの生き物好きのおじさんになる』といわれ、新たな出発を決心させた。

 小学生の娘がいる。だからこそ、分かりやすさが肝心だと感じている。『科学の本質を子供にも分るように伝えたい』と語る。

※素晴らしい行動力ですね。人生、いつでも再スタートが出来ることを教えて頂きました。

 

《両方の意見を取り入れる》

 ロシアとウクライナの問題は連日ニュースで取り上げられています。そこで、今日は『悩まない』・・・矢作直樹著よりご案内します。

 話半分に聞くという他に大切なのは『両方の意見を取り入れる』というスタンスです。ともすれば偏りがちな情報収集ですが、そこをあえて対極の二情報を取る、というわけです。
 インテリジェンスの世界では、この手法があたりまえのように使われます。複数の情報を取る際、あるテーマに対してイエスと言っているものとノーと言っているものを必ずいれる、つまりそこに考え方や価値観のバイアスをかけない、収集した情報は時間をかけながら納得のいくところで判断するという手法です。
 それは、時間の経過とともにそのテーマを取り巻く材料が増えることで、情報をチェックする精度が上がるからです。そういう情報をチェックしようとせず、ある方向から一方的に情報を流すマスメディアにはいくつかの問題があります。新聞やテレビなどのマスメディアが報道しているからといって、その情報をそのまま受け取るのは大きな誤りです。
 その情報が本当に自分にとって有益な情報なのか、そこに気持ちの悪さや居心地の悪さを感じたりはしていないか、他人事ではなく、自分事として感じながら複数の情報をチェックすることが大切です。

《還暦を迎えてからの目標》

 人生五十年と言われた時代もありますが、日本は長寿社会になりました。
 新聞の記事に還暦を迎えた二人の方の目標がありましたので、ご案内します。

 埼玉県の飯村康夫さん(61歳)は『テレビドラマのエキストラ登録をしたい』と話す。3年前、『還暦を迎えてからも楽しめることを始めたい』とエキストラ参加を始めた。元々、人前に立つのは苦でないタイプで、ドラマを見るのが好き。思い切って、テレビ局が募集していたスポーツドラマのエキストラに挑戦した。ラグビーの試合をスタジアムで観戦する人として初出演を果たした。その後、人気女優が主演する医療ドラマでは、病院の見舞客として画面に映り込んだ。『セリフも報酬もない。でも、現場の雰囲気を知れて楽しいし、何より実際に放送されるときの高揚感がいい』と飯村さん。
 コロナで2年ほど参加できなかったが、今年は大手プロダクションに登録をして、憧れの刑事役を射止めたいと胸を高鳴らせる。

 埼玉県の建石加代子さん(63歳)が目指すのは、『遺品整理士』の資格取得。遺品整理士は、遺族に代わって亡くなった人の部屋や遺品を片付ける。産業廃棄物処分業の会社に勤めており、遺品整理を社内の新事業として提案し、勉強中だという。『遺族は悲しみに浸る間もなく、事務的な作業で忙しい。遺品整理を代わることで、お手伝いできれば。高齢化、少子化が進む中で需要も高いはず』と言う。

 後半の人生を楽しく、充実したものにするために目標が大切なのでしょうね。

《ジョブ型雇用とは》

 最近ある新聞記事の【ジョブ型雇用】に目がとまりました。

 大手企業で「ジョブ型」と呼ばれる雇用制度が広がっている。社員一人ひとりの仕事内容を明確にし、役割や成果に応じて賃金が決まる仕組みだ。新卒採用に導入する企業もあり、日本企業の長年の課題である労働生産性の向上につながるかが注目される。

 以下は、ジョブ型雇用社会とは何か・・・濱口桂一郎 著より

 ジョブ型とは、まず最初に職務(ジョブ)があり、そこにそのジョブを遂行できるはずの人間をはめ込みます。人間の評価はジョブをはめ込む際に事前に行うのです。後はそのジョブをきちんと遂行できているかどうかを確認するだけです。大部分のジョブは、その遂行の度合いを事細かに評価するようにはなっていません。ジョブディスクリプションに書かれた任務を遂行できているか、それともできていないかをチェックするだけです。それができていれば、そのジョブにあらかじめ定められた価格(賃金)が支払われます。これがジョブ型の大原則であって、そもそも普通のジョブに成果主義などなじみません。

※役割を評価軸にした役割給や成果を評価軸にした成果給と呼ばれる賃金体系があります。ジョブ型雇用の概念をミスリードしないように留意してほしいものです。

《工夫するということ》

 つながり続ける こども食堂・・・湯浅 誠 著より

 障がい者の兄と野球をしたとき、兄を監督に仕立て上げたがうまくいかなかった。
 そして、何度かの試行錯誤の末、私たちが到達したやり方はこうだった。兄がバッターボックスに立ったときには、ピッチャーは3歩前に出て、下手でホールを投げる。兄は弱々しくだがバットを振ることができた。兄がバットを振ってボールが前に転がったら、兄の後ろに控えていた代走が走り出す。これでだいたい打率が2割とか3割になり、私たちは違和感なく野球に興じることができた。
 それは私たちが特別「心やさしい」子どもたちだったからではない。自分たちが思う存分盛り上がるためには、心置きなく楽しむためには、兄を排除するよりはうまく包みこむほうがよかったからだ。そのために、ルールのほうをいじった。ルールを兄用にカスタマイズして、兄がバッターになったときも、私たちと同じくらいの打率で塁に出られるように調整した。5歩前でも、上手投げでもなく、「3歩前で下手投げ」が調整の末に行きついた「ちょうどよい加減」だった。遊びに貪欲、楽しむことに貪欲だったことで成り立った工夫だった。

※仕事でも工夫しながら進めていくことは、とても大切なことだ感じています。

 

《無意識に出来ること》

 きみの体は何者か・・・伊藤亜紗著より

 たとえば、「歩く」はどうかな。
 みんな、自分がどうやって歩いているか説明できる?
 えっと、右足のカカトを地面につけて、そこから徐々に体重を左足から右足に動かしていき、右足の裏が全部地面についたら左足を浮かせて膝をまげていって・・・・
 なんとか言葉で説明できたとしても、たとえば赤ちゃんがそれを聞いて「ふむふむ」って歩けるようになるかな?赤ちゃんに歩き方を教えることはできる?
 たぶん、無理だよね。
 そう、歩くことは体が勝手にやってくれていることだ。だから、言葉で伝えるのは難しい。考えなくてもできる。というか考えるとかえってできなかったりする。これが体のすごいところ。
 「走る」「跳ぶ」「自転車に乗る」「食べる」「呼吸する」「消化する」・・・
 「歩く」だけじゃない。たいていのことは体が勝手にやってくれている。最初は意識して練習してやっていたことも、慣れるにつれて意識しないでもできるようになる。あたりまえになる。文字通り「身につく」ということだ。

※習慣とか態度もいつの間にか「身につけたもの」です。このように自分自身で身につけた習慣や態度は変えることができます。
 身につけたい習慣や態度を最初は意識して行動します。何度も何度も繰り返すことで新たな習慣や態度が自然なものになります。

《復職制度導入》

 少し前ですが、読売新聞に全日空の復職制導入についての記事がありました。ご案内してみます。

 全日本空輸が、退職から5年以内であれば社員として復職できる制度を導入する方向で検討していることが明らかになった。業績不振で社員の賃金を3~4割程度減らしているため、組織の中核を担う30~40代の人材の流出が起きている。需要回復をにらみ、人材復帰を促す。

 労働組合側と協議を進め、来年度の導入を目指す。復職にあたっては、特に離職期間中に他社で身につけた知識・技能を重視する方針だ。復帰後のポストや年収といった制度の詳細は今後詰める。

 今後、客室乗務員や、近年注力しているマイル関連事業に必要なIT人材は不足が見込まれる。コロナ禍で需要が急拡大した貨物関連の要員増強にもつなげる狙いだ。

 全日空を傘下に持つANAホールディングスの片野社長は、読売新聞の取材に対して『復職制度や部署選択の自由度を広げる施策の導入を検討したい』と述べていた。

※一度人材の流出が進むと確保の難しさが伝わってきます。

 

《本日は大晦日です》

 今日は大晦日です。相変わらずコロナ禍での生活スタイルで一年を過ごしてきましたが、最初の頃は慣れないマスク着用でしたが、いつの間にか洋服の一部になったような感じです。人間の環境変化への順応能力の凄さに驚いています。

 私事ですが、今年は四月から大学院で経営学を学んでいます。仕事をしながら週末は学校に通学してマーケティング・組織論・マネジメント・競争戦略・統計学等の科目を12月まで受講しました。通学しての一番の収穫は“自分自身の未熟さ”に気付いたことでしょうか!40年前に学んだことが既に古典的であることや経営学も統計の考え方を使って因果関係・相関関係を証明するといった科学的な学問になってる事には驚かされました。

 また、新たな同級生との出会いもあり色んな刺激を受けています。なかには、中国やベラルーシからの留学生がいたり教授も韓国出身だったりとグローバル社会を身をもって実感しています。留学生は若い女性ですが、とても積極的に授業を受けています。慣れない日本で大変だと思うのですが、凄いことです。“負けるな日本の大学生”ゲキを飛ばしたくなります!

 新年も学生生活が続きますが、楽しみながら勉強し研究論文を完成したいと思っています。新年も宜しくお願い致します。そして、皆様も良い年をお迎えください。
 

《オーセンティック・リーダーシップ》

 リーダーシップのスタイルには様々なものがありますが、今日は“オーセンティック・リーダーシップ”について考えてみましょう。

 意味としては『ありのまま、自分のままのリーダーシップ』ですが、ポジティブ心理学の影響を受けています。2000年代に入って、アメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士のポジティブ思考がパーソナル・コーチングの分野で採用されてきました。ポイントとしては、ある出来事をポジティブに認知するのか、ネガティブに認知するかによってワクワクしたり、逆にガッカリしたりするということです。私たちは、認知の違いよって色々な影響を受けているのです。

 脱線してしまいましたが、《オーセンティック・リーダーシップ》とは、自分らしさを貫くリーダーは、自らの目標に情熱的に取り組み、自らの価値観をブレることなく実践し、知識だけなく感情の面から人々を引っ張っていく、実りある人間関係を長期的に築き、自らを律することで結果を出す。すなわち、自分自身をよく知っているのです。(ハーバートビジネスレビュー、オーセンティック・リーダーシップより引用)

 要約すれば、
➊目標設定 ➋価値観 ➌コミュニケーション ➍自立心 ➎自己認識 の5つになるでしょう。

 まだまだ新しい考え方ですが、上記5つのポイントのトレーニングが今後重要になってくるでしょう。

《微差が大差》

 私の好きな言葉に“微差が大差”がありますが、今日は、毎月頂くダスキンの『喜びのタネまき新聞』の記事からご紹介します。

 今年の夏、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が1年延期で開催されました。
 コロナ禍での開催となり、無観客で行われたため通常とは違う状況となりましたが、数多くの競技が一斉に行われるのはオリンピック・パラリンピックの醍醐味です。私自身もスポーツ観戦が好きなので、種目に関係なく多くの競技をテレビ観戦していました。
 団体戦、個人戦、それぞれ競技ルールの違いよって勝敗の行方が決まります。どの競技を観ても各国の選手が5年間の集大成として、メダル獲得に向けて頑張っている姿に感動しました。
 なかでも、水泳や陸上の短距離競技では100分の1秒差で順位が決まるシーンがあり、その差を縮めるために選手は日夜努力されているのだと思うと、改めて胸に迫るものがありました。
 ほんのわずかな差であっても、日々研鑽を積み重ねたことが成果となって表れるのは、私たちの日常生活でも見習うところがあると感じます。
 誰もが与えられた時間は同じで、同じスビートで時間は過ぎていきます。時間を大切にし、何事にも『100分の1秒だけでも成長しよう』と努力することが、人生を豊かにしていく一つの方法だと学びました。

 ※株式会社 ダスキン社長  山村輝治