《ゴール設定理論》

 今日は、目標設定について考えてみましょう。

 《ゴール設定理論》で重要なことは【目標の高さ】です。適度にチャレンジングな目標設定ということになります。何故チャレンジングな目標設定が必要かといえば、チャレンジングな目標が達成されることで認知心理学で説明する“自己効力感”が高まるからです。自己効力感は自信につながっていきます。自信が高まることで『自分はもっとできる』と考えるようになるので、より高い目標にチャレンジするようになるのです。また、自己効力感の高い人は、逆境でも努力を持続しすぐれた成果を上げやすくなります。そして、もう一つ重要なことは【適時フィードバック】することです。人は、達成した成果について明確なフィードバックがある時、よりモチベーションを高める。といわれています。私たちは、評価されることを望んでいるのです。

 ここに、部下とのコミュニケーションのポイントを挙げておきます。
※部下の悩みや課題を聞き出す、アクティブ・リスニング。
※アクティブ・リスニングを通じて部下が出してきた課題に対して、自分の考えを押し付けない。
※部下への期待を部下自信とシェアする。

《だまし絵を考える》

 あなたは、《だまし絵》を見たことがあるでしょうか?よくセミナー等で使用されるものに“老婆と娘”のだまし絵があります。以前ハーバードビジネススクールの授業で認知実験をしていたようです。

 授業の内容は、受講生をAグループとBグループの二つに分けます。そして、Aグループには若い娘が見える絵を見せます。Bグループには老婆が見える絵を見せるのです。そのあとで“老婆と娘”のだまし絵を見せるのですが、誘導した意図通りにAグループの生徒達には若い女性が見えます。一方、Bグループの生徒たちは老婆が見えます。もちろん、AグループもBグループも全く同じものを見ているにもかかわらずです。

 実に興味深いのですが、一旦意図的に誘導されてあるものが見えてしまうと《思い込みの力が働いて他の可能性を無視してしまうということがおきます。》日常生活の様々な場面で同様のことが起きていると考えられますが、気をつけなくてはいけません。

 対応策としては、“常識を疑ってみること” “他者の意見や考え方に耳を傾けること”で防ぐことが出来ると考えます。

 ネットで“だまし絵”を検索すると、実にたくさんのだまし絵がヒットします。

《国家公務員の評価を細分化》

 読売新聞の記事より

 政府は、国家公務員の人事評価制度を今夏にも変更する。5段階評価を6段階にするほか、上司による面談の改良に向けた手引きを作成する。職員にとって納得のいく制度として、若手で増加している離職に歯止めをかけたい考えだ。

 2009年に導入された現行の評価制度は課長級以下が対象で、最上位のSと、AからDまでの5段階評価となっている。これを、今夏にも関連政令を改正して、6段階へと細分化する。アルファベット表記もやめて、上から順に『卓越して優秀』『非常に優秀』『優良』などと具体的な表現にする。

 現行制度では、真ん中の『B』評価が『通常』との位置づけだ。基準が抽象的だとの声があり、その上の『A』評価の『通常より優秀』が半数以上を占めているという。細分化して具体的な文言とすることで、より成果に即した評価制度につなげる。

 一方、内閣人事局が昨年実施した職員の意識調査によると、5割が人事面談が10分未満で終わったと答えた。『結果が人材育成に活用されている実感がある』との回答は1割に満たず、若手などの不満につながっている可能性がある。

 新たに作成する手引きでは、面談にかける時間の目安を盛り込むほか、面談での指導方法などを具体的に示し、管理職の意識改革を促す。

《就職先の注目数字》

 新卒学生に注目してほしい“3つの数値”

【営業利益率】
 企業の『本業のもうけ』を表しているのが“営業利益率”です。売上高から、売上原価・人件費や一般管理費を引いた金額を売上高で除したもので、計算式は『営業利益÷売上高×100』になります。数字が高い方が望ましいですが、業態によっても差が出ますから同業他社との比較が大切だと思います。

【自己資本比率】
 自己資本は、株主からの出資や過去の利益を内部留保した金額で、返済する必要のないお金です。“会社の安定性”や“財務の健全性”を示す指標です。計算式は『純資産額÷総資本×100』になります。

【年 収】
 『会社四季報』などの情報誌には平均年収が記載されています。ただ、総合職・専門職・限定社員・役職等の違いによって給与格差が生じていますので注意が必要です。それから、初任給だけを判断基準にすることも注意しなければいけません。初任給が高くても入社後の昇給金額が高いとは限りません。もし、成績別モデル賃金を確認できれば将来の年収も予測できます。

 他にも、有給休暇取得率・離職率・平均勤続年数等も参考にしたいものです。

《ペットボトル飲料廃止》

 廃棄物の話題が続きますが、読売新聞の記事から

 生活雑貨『無印良品』を展開する良品計画は、飲料の容器を、ペットボトルからリサイクル率の高いアルミ缶に切り替える。全国の店舗で23日からアルミ缶入りの飲料の発売を始めた。

 ペットボトル入りは在庫がなくなり次第、販売を終了する。廃棄物を減らし、持続可能な社会を目指す取り組みの一環としている。

 変更するのは、500ml入りのお茶類や、350ml入りの炭酸飲料など12種類。切り替えに伴い容量は減る。ペットボトル入りでは500ml入りで税込み100円の『グリーンルイボスティー』は、アルミ缶入りは、375ml入りで90円となる。

 アルミ缶は自治体の回収ルートが確立しており、廃棄されることが少ない。光をさえぎるので賞味期限が長く、売れ残った商品を捨てる食品ロスの削減も期待できる。

 良品計画は、店内に給水器を設置し、水筒やボトルを持参すれば無料で給水できるサービスも行っている。

※CO2対策と廃棄ロス削減に向けてよい取り組みと感じました。 

 

《服一着、浴槽11杯分》

 読売新聞の記事より

 調査は、まだ着ることのできる衣服などが廃棄される『ファッションロス(衣服ロス)』の環境への影響を把握するのが目的で、2020年度に、政府統計の分析や企業、消費者へのアンケートなどの踏まえて推計した。

 国内で1年間に供給される衣服は約35億着で、9500万トンのCO2排出量は『中小国の1国分排出量に匹敵する』(環境省)1着当たりに換算すると約27㎏で、ペットボトル約270本の製造分に相当する。衣服の98%は海外から輸入されており、9500万トンのうち9割は海外で排出されている。

 水環境にも影響を与えている。原材料となる綿栽培などに使われる水消費量は83億立方㍍(1着当たり浴槽11杯分)で、世界の衣服業界全体の9%に当たり、海外の希少な水資源を大量消費している実態が浮き彫りになった。

※食品の廃棄の問題とあわせて衣服にも同じようなことが起きていたのですね。

《歩き続ければ、大丈夫》

 “歩き続ければ、大丈夫”・・・佐藤芳之著

 最近読んだ本で印象に残った一冊です。

 35歳でアフリカの地で、ナッツの会社を一大ビジネスに育て上げ、その会社をアフリカ人に譲り70歳にして新たに新ビジネスに挑戦しているすごい人です。

 そんな本の中にチョット笑えた内容がありましたので紹介します。

 アフリカでこういう昔話を聞いたことがあります。

 ある夜、ドーンと大きな音がしました。村人は何事かと家から飛び出すと、地面に大きな穴が空いていました。いったい何が落ちたのだろう。村人は穴を覗き込んであれこれ調べ始めました。ところがいっこうに落ちた物は見つかりません。困りはてた村人は長老のところに相談に行きました。

 すると長老はいいました。
 『おまえたちは何をいっているんだ。穴が落ちてきたに決まっているだろう』
 『ああ、そうか』
 村人たちは納得していつもの仕事に戻りました。

 というお話です。

 実におおらかな生き方だと感じました。些細なことにこだわらずに“穴が空いたらなら、それでいいしゃないか!”ちょっと真似したいと思いました。

 

《同一労働・同一賃金》

 同一労働・同一賃金が、4月から中小企業にも適用されました。エン・ジャパンの調査によると、対応が完了28% 現在取り組み中が23%で、半数程度が“何をすべきか分からない” “対応が必要か分からない”等の理由で対応に取組んでいないことがわかりました。

 同一労働・同一賃金とは、パートやアルバイトなど非正規の仕事内容や責任の程度が同じで、転勤の有無なども同様の場合は『均等待遇』が求められ、企業側が違いについて合理的な理由を説明できなければ、不合理な待遇格差とされます。

 不合理な格差については、ハマキョーレックスの判例や大阪医科大・郵便局の配達業務にあたる非正規の契約社員の訴訟などがありますが、会社の事情によって裁判所の判断は一律にはなっていません。

 トラブルを避けるためにも【職務・職責・雇用管理システムの違い】について、一覧表にまとめておく必要があると思います。
※職務内容と責任の有無  予算管理責任の有無  顧客管理責任の有無等々
※雇用管理のシステムの違い 勤務場所 労働時間 残業等々
※処遇の違いについて
 

《職場のハラスメント》

 労務行政研究所の『職場のハラスメント言動に関する調査』よると、上位は次のような言動になっています。

 36.2% 相手が嫌がるような皮肉や冗談を言う
 35.5% 陰口を言ったり、悪い噂を広めたりする
 34.7% 問いかけておきながら答えを否定してたり、『好きにやっていい』と言いながら細かく管理や指示をしたりするなど矛盾した言動をする。
 34.5% 特定のメンバーの前で、あからさまにため息をつく、舌打ちをするなど、不機嫌さを示す。
 34.5% 自分の思いや経験のみに基づいて、充分な説明をせずに相手を動かそうとする。
 33.5% 相手のあら探しや、細かいところばかりを必要以上に責める。
 33.3% 一方的に発言、主張し、相手の言い分を一切聞かない。
 33.3% 相手の失敗や間違いを相手だけのせいにして責める。
 32.2% 他の人か見ている前で、誰かを怒鳴りつけたりする。
 32.2% できなかったことに対して、無理に理由や説明を求めるなど、相手を理論的に追い詰める。
 32.0% 普段以上に声を荒げて、感情的に相手を責めたり怒ったりする。

 言葉は無意識に使っていることが多いと思いますが、言葉に意識を向けて意図的に使ってみたいものです。
 

 

《へこたれない》

 “へこたれない”・・・鎌田 實 著より

 風ちゃんは四十五歳。脳性まひで体感機能障害がある。両手は全く使えない。字を書くのも足で。二本の箸も足で持つ。

 こんな風ちゃんの話しです。

 人は一人では生きてはいけない。人と人とのつながりの中で生きる。だから、人の心をつかまえることが大切。風ちゃんは人の心をつかむ達人だった。
 風ちゃんは立ち上がって、自分の詩を朗読した。脳性まひの特徴である筋の緊張が起きて、上手くしゃべれない。身体が曲がる。しぼり出すように始まった。ひと言ひと言が輝いている。上等な一人芝居を見ているようだ。
『昨日、障害者でした。今日、障害者でした。明日、たぶん障害者でしょう』
 教室中に涙があふれ出す。
 風ちゃんは言い切った。
『ある小学校に講演に行った。校長先生が私を紹介してくれた』
『不幸にして障害を持った風ちゃんです』
 この野郎と思った。初対面の他人から『不幸な風ちゃん』なんて言われる筋合いはない。幸せか不幸せかは自分で決めるもの。私は手が動かなくても、足を使って、けっこう幸せに生きている。
 風ちゃんがいたずら坊主のように、ニコッと笑った。
 身体は不自由だけど、私は自由だ。
 身体は不自由だけど、私は不幸ではない。
 自由も、幸せも、ちょっと視点を変えれば見えてくる。
 自由も、幸せも、よくばらなければ、つかまえることができる。
 自由も、幸せも、へこたれなければ、手に入れることができる。
 だれでもできる。きっと。