《テレワークを考える》

 コロナの影響でテレワークが半ば強制的にスタートしたり、テレワークの設備投資に助成金制度が出来たりしています。

 今回は、テレワークに関する就業者実態調査結果が出ていますので確認してみたいと思います。【NIRA総合研究開発機構発表】

 テレワークを利用している社員では、毎日出勤したいと回答しているのは14%。結果的に86%はテレワークを希望しているということになります。
 内訳としては、
 毎日テレワークでいい・・・・19%
 週に3~4日    ・・・・18%
 半々        ・・・・26%
 週に1~2日    ・・・・23%
 
 以上のような回答になっています。

 テレワークは、緊急時代宣言が出た4月・5月に導入のピークを迎えて、6月には減少や取りやめる企業が少なくないのです。業務の内容にもよると思いますが、テレワークに積極的に取り組む必要性を感じました。

《ホーレンソーは、双方向で》

 問題の80%はホーレンソーが的確に行われることで解決がされると考えていますが、あなたの組織では如何でしょうか。

 弊社では、人事考課制度の一環として【基本職務チェックリスト】の一部に“ホーレンソーチェックリスト”を提案しています。ホーレンソーの10項目について、5段階評価で自己評価⇒上司評価⇒決定の流れで確認していきます。狙いとしては、定期的に自己評価と上司評価⇒フィードバックを繰り返すことで社員のホーレンソーに対する意識付けと定着にあります。

 そこで大切にしていることは、ホーレンソーは【双方向】からの働きかけということです。一般的には、ホーレンソーは【部下側】からするものといった印象が強いのですが、ここは少し意識を変えて上司からもアプローチしてみてください。

 『何か問題が起これば、部下から報告に来るだろう』といった、待ちの姿勢は報告や相談のタイミングが遅れて問題を大きくしてしまいます。上司は、日頃から順調に仕事が遂行されているか、困ったことは無いかなど気に留とめ声掛けを行うことが大切なはずです。

 留意してください。

《マイナス預金という考え方》

 森繁久彌コレクションという本を読み終わりました。大正二年生まれの著者の激動の人生を書かれた本ですが、楽しく、また感動しながら読みました。

 この本の解説に【マイナス預金】という考え方が紹介されています。

 次に引用してみましょう。
 しからば、この森繁久彌の『自伝』をどのような観点から読むべきなのだろうか?『マイナス預金』という視点に立って読むことをお勧めしたい。
 人生にはあきらかにプラスになるような経験もあれば、その反対にマイナスにしか思えないような経験もある。私はこれらを『プラス預金』と『マイナス預金』と呼んでいる。とりわけ重要なのは『マイナス預金』だ。
 なぜなら、『マイナス預金』というのは、人生のある時期に劇的な転換がおきること、絶対値はそのままにマイナスが一気にプラスに転ずるという奇跡をなすオセロゲーム的預金だからだ。
 森繁の『自伝』は、この『マイナス預金』の蓄積過程ととして読むことが出来る。

 確かに読み終わって記憶に残っていることは、戦時下満州での経験と戦後満州からの引き揚げの場面です。大変ご苦労した経験『マイナス預金』です。それが、戦後森繁久彌の役者人生にプラスになっているということが実感できます。

 今つらい現状に向き合っているとしても『マイナス預金』を積み立てているのだ!と、捉えることができれは人生を強く・たくましく生きていくことができると気づきました。

《目標管理とプロセス活動》

 目標管理制度を運用されている、企業や組織は数多くあることでしょう。私も、人事考課制度の一環として二十数年にわたり目標管理制度の提案⇒構築⇒評価といった流れでお客様と一緒に考え、悩んできました。

 まずは、定量目標や定性目標の設定からスタートします。一例を挙げれば、売上目標・利益目標・スキル目標・能力開発目標・クレーム0目標といったような内容になるでしょう。当期の企業目標を何に設定するかは、企業の現状によって選択されることになると思います。目標の設定にあたっては、定期的に自社の現状把握・現状分析が必要になるでしょう。弊社では、財務分析・SWOT分析・業務質問票分析などの手法で全体的な視点からの分析を進めています。

 次に目標が設定できたら、目標を達成するためのプロセス活動に介入していくことになります。結果は変えることが出来ませんが、結果が出る前工程(プロセス活動)は、どんどん変えることが出来ますから、やってみて上手くいかない場合にはやり方を変えてみる必要があるかもしれません。

 次に、私はチーム目標の達成が重要だと考えていますので【チームのプロセス活動】に介入します。具体的には、チームリーダーに対しての【リーダーシップスキル】【動機付けのスキル】【コミュニケーションスキル】【問題解決のスキル】の研修を実施して身につけてもらいます。これらのスキルは組織を動かすためには必須です。今求められることは、個々人の能力アップから一歩進めてチームの能力アップだと考えていますから、チームリーダーの役割と能力アップは重要な要素です。

 個々に焦点を当てることも大事とは思いますが、組織とかチームに今一度目を向けたいものです。

《やり直しと出直し》

『やり直しはできないけど、出直しはできる』・・・中山靖雄氏の口癖

 その通りだと感じています。過去を振り返っては『あんなことしなければよかった!』『こうしておけばよかった!』『なんてバカなことをしてしまったんだ!』と時々悔んだりしていませんか。ただ、私たちは、過去には、もう戻れないのです。形だけの“やり直し”はできるかもしれません。残念ながら、既に時間は経過してしまっていますので、完全に元に戻っての“やり直し”は不可能です。

 しかし、未来に向かっての『よし、このようにしていこう!』と決意し実行する“出直し”は可能です。昨日の出来事は変えられないけれども、今日から未来に向かっては自分自身で創ることが出来るのです。

 過去から自分を解放して、気持ちを今に集中して実行していくことが大切だと思います。

《対話・会議》

 森信三・・・・修身 教授録より

 普通に対話というものは、必ず二人で話す場合をいうのであって、数人以上で話す場合、普通には座談会という言葉が使われているようです。そこでまず対話の際の心得ですが、それには、なるべく相手の人に話さすようにする。さらに進んで相手の話を聞こうとする態度が、対話の心がけの根本と言ってよいでしょう。

 つまり、なるべく聞き役にまわるということです。もちろん、全然喋らないというのも面白くありませんが、しかし自分は主として聞き役に回って、相手に何ら不快の感じをさせないというのが、対話としては上乗なるものでしょう。

 ところが、普通には、どうしてもこちらが喋りすぎるのです。ですから、自分の方から先に口を切って喋るということは、極力控えめにするんです。そうして、なるべく聞き役に回るというのが、対話の心がけとしては、一番の根本と言ってよいでしょう。

 次に、数人ないし十数人が集まって話し合う、座談会の場合の心がけについても申しておきましょう。この場合にも、ただ今申したように、『自分はなるべく喋らないようにして、できるだけ聞き役に回る』という、根本の心がけに変わりはありませんが、もう一つ大事なことは、一座のうちで誰か一人が話していたら、他の人々はそれに耳を傾けて、他のところで、また一人が喋るというようなことをしないということです。

 つまり一座のうちで、一人の人が話しかけたら、もう他の人は、自分のそばにいる人を相手に、コソコソと話したりなどしないということです。そしてこの一事が守られるか否かによって、その地域の人々の教養というか、たしなみの程度は分かると思うのです。そこで当然のことながら、特に座談会などの際には、一人であまり何回か喋らないようにして、できるだけ全員が、最低一度は話す機会がもてるようにしたいものです。

 

《変えて良いもの、変えてはいけないもの》

 バラク・オバマ前アメリカ大統領の“チェンジ”に代表されるように、2000年に入ってからは変化することに重点が置かれて企業経営等が考えられてきたような気がします。

 倫理法人会に、次のような【易不易】という考え方があります。
『激しく移り変わる世の中で、変えなければならないことは果敢に変えていく。しかし、変えてはならぬものをきちんと見定めて、それを保守しつつ、現実に対処していく。そうした堅固な柔軟性が、物事を成功にみちびき、たくましく生きる基本となる』 

 私が、“難しいなぁ”と感じるのは、【変えてはならぬものを見定めること】です。

 独立開業して31年目に入りましたが、変えてはならぬものは基本的なことのように思います。

 例えば、掃除や挨拶です。弊社では、チェックリスト項目の【挨拶が出来ている】・・・・の評価ポイントは、出社したら自ら上司の前に出向いて、自ら挨拶をすること。退社の際も同様とする。としています。

 最近は、変えてはならぬものがおざなりになっていないかに意識を向けて注意するようにしています。

《今年の新入社員の特徴》

 日本能率協会の意識調査によると、次のような調査結果が報告されています。

【新入社員の意識調査で抵抗のある事柄】・・・上位

➊指示が曖昧なまま作業をする・・・・・・・・・89.9%
➋飛び込み営業・・・・・・・・・・・・・・・・87%
➌知らない人・取引先に電話を掛ける・・・・・・73.9%
➍会議や打ち合わせで自分の考えを発現する・・・56.1%
➎初対面の人と雑談をする・・・・・・・・・・・46.6%

 私は、電話を取ることに抵抗がありました。先方の名前を上手く聴き取れなかったり、要件を上手く上司に伝えることが出来なかったりした経験を思い出しました。

 注目すべきは【指示が曖昧なまま作業をする】ことです。新人さんに対して『分からないことがあったら、何でも聞いてね!』が、不親切。というのがあります。【分からないことが、分からない?】新人さんに対しては、明確な指示を出すように心がけたいものです。

《コロナウイルス》

 コロナウイルス・・・・竹林瑠莉子

 スプレーで
 シューッとしたら
 きかんかねぇ?

(富山市・寒江保育所5歳)

 読売新聞の投稿記事に発見しました。
 5歳児の作品です。
 感心しました。

《デジタルを使う企業が生き残る》

 内山 悟志氏・・・ITRエグゼクティブ・アナリストの記事から

【コロナ後の逆戻り危惧】
 デジタル技術が生活全般に及んだ『アフターデジタル』の時代になると、ネットで食材を注文し、家まで届けてもらい、仕事の会議や飲み会にオンラインで参加し、クリーニングもネットで取りに来てもらうようになる。家から出ないで生活できるようになる、ということです。

 新型コロナウイルスの感染防止のために自粛生活を送り、我々はアフターデジタルの世界を疑似体験することになった。今後30年~40年かけてゆっくり実現に向かうと思っていた世界が、5年後にやってくるかもしれません。自粛生活で家族と1日過ごし、会社への帰属意識や仕事・就労への考え方を見直した人も多かったのではないでしょうか。

 気をつけないといけないのは新型ウイルスが収束した時です。会社に毎日出勤し、紙の資料を配って対面で会議を開き、社内決裁や申請手続きにハンコが必要という以前の状態に戻ってしまうかもしれません。米国や中国などは元には戻らず、新たなビジネスモデル、生活様式へ進んでいくでしょう。日本は遅れてしまうのではないか、と危惧しています。

 デジタル技術の活用で、これまで通り全員が出社しなくても仕事は回るし、顧客も怒らない、ということに気づいた企業は、新しい時代にも対応できるでしょう。日本企業の経営者にも、デジタル技術に対する高い『感度』が求められるのです。