《ゆるすということ!》

 南アフリカの“バベンバ族”では、部族の誰かが不正をはたらいたり無責任な行動をとったとき、村の真ん中に1人で座らされるのだそうです。

 もちろん、逃げられないような手立てが講じられます。

 そして、村人はみんな仕事をやめて、車座になって本人を囲みます。その後、子供たちも含めた村人全員がひとり一人、その人が過去にした“良いこと”について話はじめます。

 その人の長所・善行・親切な行為などについて、思い出せること全てを、輪になったひとり一人が詳しく語るのです。村人たちは、これ以上ない誠実さと愛をこめて話します。

 その人を共同体のメンバーとしていかに尊敬しているか村人全員が話し終えるまで、この儀式は続きます。それは、何日にも及ぶこともあります。終了とともに輪が崩され、今度はその人を部族に再び迎え入れるお祝いが始まります。

 輪の中心にいる人は、悪人というレッテルを貼られて部族から追放されたりはしません。ゆるしという行為により一体感を取り戻すのです。

 私は、この話を聞いた時に感動したことを覚えています。“ゆるすということ”・・・じっくりと考えたいテーマです。

《秘密にしておく》

 『夢買う人の事』という話が、“宇治拾遺物語”にあります。

 当時は、夢を占ってくれる専門家がいたようです。フロイトの“夢分析”のようで、興味深いです。

 どのような内容かというと、いい夢を見た人が夢占いのところへ行って、大きな声で夢の話をします。隣の間にいた人が、その夢の話を聞いていて『すごくいい夢を見たんだな!』と羨ましく思います。夢占いが『いい夢を見ましたね!』と言ってくれたので、本人は大喜びで帰っていきました。

 隣の間で聞いていた人の順番になって、夢占いにこう尋ねます。『今しがた聞いた夢はものすごくいい夢だが、あれを買えないものか?』夢占いが『買える』と応えます。『どうやったら買えるのか?』と聞くと、『さっきの人と同じような格好で、同じように自分の前で話しなさい』『そして、私にたくさんお金を払いなさい』『そうすれば、あの夢はあなたの方に行きます』と言うのです。

 言われた通りのことをやると、『もうこれで、あなたは夢を買えました』と言われて、夢を買った人には後ですごくいいことがあるのです。いっぽう、せっかくいい夢を見た当の本人は、大きい声でしゃべり過ぎて夢を人に取られ、あまり良いことがありませんでした。

 この話の教訓は、『大事な夢は大きい声でしゃべってはいけない!』ということです。秘密は自分の心の中にしっかりと秘めて、自分で考えてあたためていくことが大事だということでしょうか。 

《モチベーションを考える》

 モチベーション(動機付け)について考えてみたいと思います。

 セルフコーチングでは【動機付け】の定義を次のようにしています。

※何かの行動を喚起するための刺激・キッカケ

 動機付けは、大きく二つに分けられます。
 
1制限的動機(自由を制限されている感じです)
 言葉で表現すると、~~しなければならない。
 やらないと、恐怖・強制・罰等のペナルティーがあるので嫌々ながら行動します。

2建設的動機(2つあります)
 ➀外発的動機・・・・・物・お金・褒章等外部からの刺激が行動を喚起します。
  子供に、宿題終わったらおやつを与える。
 ➁内発的動機・・・・・自己実現欲求に基づく刺激が行動を喚起します。
  自分のやりたいこと、自分にとって価値を感じるもの。

 出てくる、エネルギー量は 内発的動機⇒ 外発的動機⇒ 制限的動機の順番になります。制限的動機付けに基づく行動は、やらされ感を伴いますし、必要最低限が実現されるといわれています。常に自分のやりたいこと(自己実現欲求)に基づいた行動が取れれば理想的なのですが、そうもいきません!

 動機付けの研修では、まず➀~~しなければならないことを箇条書きにしてもらい、次に➁今自分が欲しいと感じているものを3つ書いてもらいます。

 そして、こんな質問をしてみます。『~~しなければならないこと、が終わったら・・・ほしいものが手に入る。どんな気分ですか?』

 これは、制限的動機を外発的動機に変えてみるための一つの考え方です。成功すれば、すこしやらされ感が癒されるかもしれません。それから、A・マズローの欲求五段階説の下三段階も、物質的な欲求で外発的刺激として使えるものです。注目したいのは、上から二番目の【承認の欲求】です。人は、誰かに認められたい、感謝されたい、誉められたいと思っているのです。他人に対して、外部刺激として有効活用してほしいと思います。言葉は、コスト0円です。
 

《ほっこりする話》

読売新聞の投稿から

宿題を教えられる幸せ・・・・・埼玉県 三田寺しず江

小学2年になる孫の学校がインフルエンザで学級閉鎖となった。両親は仕事を休めず、孫が3日間、我が家にやってきた。

孫本人はいたって元気で、宿題が山ほどあるのに、スマートフォンのゲームに夢中になっている。だが、冬の光が差し込む部屋で私が本を読んでいたら、孫が脇にやってきて宿題を始めた。

国語の宿題で分からない漢字があったようで『教えて』とノートを出してくる。私は『もっと丁寧に書くの!』と書き直させる。そんなやりとりが何回かあったが、孫はまんざらでもない様子で、教えてもらうのが嬉しいようだ。

『バーパは何でも知ってるね』と、お世辞まで言ってくれる。

そういえば、孫の母親である娘が小学生のころ、私は保育士の仕事が忙しかった。家に帰っても時間がなくて、娘の宿題をしっかり見てあげられなかった。

今、こうして孫と肩を並べ、ゆったりとした時間の中で、成長を感じられる幸せをしみじみと味わった。

《イエスセット》

 NLPのスキルに“イエスセット”というものが有ります。

 この“イエスセット”とは、面談の初期段階から相手が何度も『はい』と答えるような質問を重ね、その後のやり取りでも『はい』というように癖付けをする心理作戦の一つです。

 例えば、セールス場面で

『御社の業界シェアNO1に戻したいということで良かったですね』

『現状は、業界NO1から3位にまで落ちてしまっているということで、間違いありませんね』

『競合する会社は3社ですね』

『営業スタイルを見直すことで改善したいのですね』

『同時に利益率の向上も実現することで良かったですか』

 事前ヒヤリングで正しい情報を把握しておくことが前提ですが、クロージングの際には有効なスキルと思います。

 また、子供・認知症老人・障害者等にもこのスキルを使用できないものかと、日頃考えています。
 

《やめるな》

 一編の詩を紹介します

 【やめるな】

 物事がうまくいかないとき
 自分の進む道がずっと上り坂に思えるとき
 貯金は少なく、借金ばかりがかさむとき
 微笑みたいのに、ため息しか出ないとき
 心配事で心が押しつぶれそうなとき
 必要とあらば休んでもいい
 でも、やめてはいけない

 人生に紆余曲折はつきもの
 誰もがそれを経験する
 そして、数多くの敗北を味わう
 彼もあきらめなければ勝てていたかもしれない
 どんなに苦しくても、あきらめてはいけない

 次のチャンスで成功するかもしれない
 成功と失敗は表裏一体
 疑いの雲があなたの目を曇らせ
 自分がどれだけ成功に近づいているかわからない
 遠くにあるように見えるが、実はすぐそこにあるのかもしれない
 
 だから、たとえ力いっぱい打ちのめされても、しがみついていよう
 最悪の状態に思えるときこそ、手を引いてはいけないのだ

 “作者不明”

《渡り鳥理論》

 “渡り鳥理論”という言葉を聞いたことがありますでしょうか!

 これは、季節ごとに島と島を飛びわたる渡り鳥は、まず目的地を決めて一気に上空に向かって飛び立ちます。

 低空で最短距離を目標にして飛んではいません。

 一気に上空に飛び立つときは、たくさんの体力を必要としますが、やがて上昇していった渡り鳥は上昇気流に乗ることが出来るようになります。

 上昇気流に乗ると羽を大きく羽ばたかせる必要もなく、羽で舵を取るだけで数千キロの距離を飛んでいくのです。

 やがて、下降気流にも乗り海に落ちることなく目的の島にたどり着きます。

 最近、“やっぱりおまえはバカじゃない” 吉野敬介著 という本を読みました。中学・高校と暴走族でバイク・タバコ・酒・シンナーの日々を過ごし、勉強とは程遠い生活だった著者が、ある時に大学に行こうと決心します。試験まで四か月という時期からの決断ですが、見事に合格します。

 目標を設定して、毎日20時間勉強に集中します。わたしは、渡り鳥理論を思い出しました。 

《こんな夜更けにバナナかよ》

 最近映画で話題になっていますね。
 読売新聞に次のような記事が掲載されていました。

 “障害者だって 自己中”
 
 映画では、大泉洋さん演じる車いすの難病青年のワガママに耐えかねて、高畑充希さん演じる介助ボランティアがこう言い放つ。
 
 『障害者ってそんなに偉いの?障害者だったら何言ってもいいわけ?』

 それ言っちゃっていいのとドキドキしたら、映画館のあとで本屋に行こう。読めば社会の見え方が一変する傑作ノンフィクションだ。

 タイトルの由来は、筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんが、深夜にボランティアをたたき起こして『バナナ食う』と言った逸話からだ。他人の助けなしでは生活できないのに、遠慮を知らない鹿野さんは、介助者とのケンカも日常茶飯事。だが、障害者が“自己中”ではいけないのか。『俺の人生はオレが主』と言ってはダメなのか。鹿野さんの命がけのワガママは、障害者=弱者という世間的常識を覆し、『自分探し』にさまよう若者の方を変革していくのだ。

 鹿野さんは2002年に42歳で没した。今こそ読み直されるべきだと思うのは、16年に神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設で起こった痛ましい殺傷事件が、本書のテーマに直結しているからだ。なぜ冒頭のセリフにドキドキしてしまったのか。そう考えることが社会を変える一歩になる。 

《社内ルール》

 江戸時代後期の学者に“山片蟠桃”という人がいました。

 彼は、仙台藩伊達家の財政再建をしたことで知られています。その方法は、『刺し米』といってコメの検査の際に、コメ俵に竹の筒を刺して俵の中から少量のコメを取り出して確認をしますが、その竹の筒を通常のものより太く・長くしてコメ俵から多めに取り出せるようにしました。その米を手数料代わりにして伊達家からは再建に必要な資金は貰わなかったのです。

 そのころ、大名家や大きな商家の経営コンサルタントをしていた、“海保青陵”という人物が、蟠桃の手法に感心し『升小談』という本を書いて色々な手法を紹介しています。

 例えば、蟠桃は店の管理を主人から命ぜられたときに、店員心得を1カ条つくりました。それは、《門限を守れ》ということだけでした。

 しかし守らないと厳しく処罰しました。店員はこの1カ条を守るだけで、ビシッと気持ちを引き締めたそうです。

 あれもダメ、これもダメと数多くの心得をつくることは、逆に店員は守らなくなると蟠桃は考えたのです。

 現在でも当てはまりそうです。

《新年あけましておめでとうございます》

 新年明けましておめでとう御座います。
 
 年末年始、のんびりしていましたら“あっと”いう間に、6日になりました。

 1年の計を考えないといけませんね!

 じっくりと考えて、三日坊主にならないように注意したいと思います。

 それでは、本年も変わらず宜しくお願い致します。