《バビロンの大富豪》

 最近『バビロンの大富豪』という本を読みました。

 ずいぶん以前に出版されている本のようですが、私は最近知りました。

 数千年前に栄えたとても豊かな国だったそうですが、裕福になった理由が書いてあります。

 当時バビロンにいた“アルカド”という賢者が国民に富める方法を教えているのです。その考え方が色々と書いてあるのですが、私が印象に残ったことが二つあります。

 その一つ目の教えは【収入の10分の1は貯蓄しましょう】ということです。とてもシンプルで解りやすいですね。収入以上に使ってしまうから問題が起きるのです。付け加えると、収入の1割を節約して生活しても従前と生活の質はほとんど変わらない、と書いてありました。

 2つ目の教えは【チャンスは皆に平等に与えられているから確実につかみましょう】ということです。チャンスの平等・結果の平等という表現がありますが、人事考課制度もチャンスの平等を柱にしているものと考えます。頑張った人・普通の人・少し足りなかった人、皆一律一緒という考え方が、結果の平等ということになるのでしょうが、これでは働く者たちの意欲はどうでしょう!人事制度の目的の一つに、頑張った人に報いるということがあります。まずは、頑張った人・普通の人・足りなかった人の確認を確実に実施することが大切になるのではないでしょうか。

 人事考課の時期なので感じたことを書いてみました。

 

《人事考課の時期ですね》

 3月の年度末になりました。決算・予算編成・人事考課と多忙な日々をおくられていることと思います。 

 今日は、人事考課のポイントを確認しておきましょう。

【人事考課の期間】
 例えば、昨年10月から今年の3月までの半年、というように。
 2年前の強く印象に残る出来事に引きずられないように注意してください。
【発揮能力で評価】
 保持能力ではなくて、発揮能力を評価するようにしてください。人は、潜在的に高い能力や可能性を持っています。重要なことは顕在化された能力、成果とか結果を確認して評価したいものです。
 【先入観を捨てる】
 人は思い込みを持っています。先入観・決めつけ・思い込みを捨てて【事実】を評価しましょう。

 たくさん書いても頭に入らないので、3つに絞ってみました。

 最後に人事考課のポイントは《部下のモニタリング》と《部下の行動記録メモ》だと思います。この時期に慌てないように、部下の良かった点・気になった点を日常的にメモに取る習慣を身につけたいものですね。

 

《山本五十六の名言》

 山本五十六は、いろいろな名言を残していますが、特に有名なのが『やってみせ』で始まる人材育成の言葉ではないでしょうか。

 今日は『やってみせ』の全文を確認したいと思います。

 やってみせ、言って聞かせて、
 させてみて、ほめてやらねば、
 人は動かじ。
 
 話し合い、耳を傾け、承認し、
 任せてやらねば、人は育たず。

 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 前文がよく取り上げられますが、後半も深さを感じます。

 

《人事考課エラー》

 今日は、人事考課エラーについて考えてみたいと思います。

 人事考課の際に留意しなければいけないポイントが何点かありますが、考課エラーに関連してきますので並行して記載します。

 【入手容易性バイアス】
 特に生々しい印象を受けたものや最近起こった出来事は、鮮明に記憶に残るということですが、入手容易性バイアスによって二年前に起きた強烈な出来事(プラスやマイナス両面がある)や直近の出来事の影響を考課の際に受けやすいといったエラーがあります。考課期間は(半年とか1年間)決まっていますから、その期間内の出来事を評価しなければなりません。

 【確証バイアス】
 情報は客観的に収集されると仮定しているが、先入観とか思い込みによって自分の信じる情報に対して過度の重きを置く一方、矛盾する情報は軽視するということです。

 人事考課で大切なことは、具体的な行動・事実を評価することですが、そのためには【部下のモニタリング】が重要になります。

 お勧めしていることは【職務行動記録簿】を丁寧に記入するということです。
 

《個別面接の効果》

 弊社では、定期的に個別面接を実施して頂くことを提案しています。

 弊社が関わる個別面接は、三者面接を原則とします。社長(事業所のトップ)と社員と私という形式で、事前に業務質問票(賃金総研グループのシート)を配布しておき、面接当日に記入を済ませて持参してもらいます。一組20分程度の時間設定で延長しないように注意しながら進めるのが重要だと思います。

 使用する業務質問票には、8項目ほどの質問があるのですが、【仕事をするうえで困っていること】【異動希望】等ありますが、20分の時間配分は、15分間を私が担当して5分間を社長に使っていただきます。

 私は、年間様々な業種の企業を対象にして数百組ほどの面接対応を実施しております。

 自社内で面接を実施することが原則と思いますが、第三者が関わることで客観的な評価が出来たりしますので、時には三者面接も効果があると思います。

  実施の目的を【業務問題の抽出と課題の設定】【離職の予防】にして進めて頂きたいものです。

《未来の年表から》

 昨年出版された“未来の年表” 河合雅司著 は、いろんな意味で刺激的な本でした。内容は、統計を使用して将来の日本の人口や高齢者の構成比を予測したもので、たくさんの指標があります。その中の興味深いデータが

 【2026年・認知症患者700万人規模に】といったものです。

 内閣府の『高齢社会白書』(2017年)は、認知症の有病率が上昇した場合、団塊世代が75歳以上となる2025年に730万人で65歳以上の5人に1人、2060年には1154万人で、3人に1人になると推計している。

 従前は、痴呆症とかボケ老人とか呼ばれましたが『認知症』と言われるようになって10年以上が経過しました。

 年末年始に読んだ“希望の人々” 生井久美子著 から

 1994年2月、雪深い秋田の『痴呆病棟』。
 介護の現場でお年寄りに最も近い、付き添い婦さんの手伝いをさせてもらい、病室の床に一緒に寝泊まりしながら取材をした。24時間ぶっ通しの仕事だ。枕元に尿瓶が並び、ゴキブリが這う。いのちにかかわる深い仕事ををする人たちがこんな待遇しか受けていなかった。
 『地獄は死ぬ前にあるんだなーって思うよ。患者も私たちも』年配の付添い婦さんのしゃがれた声が、今も耳に残る。
 動くと危ないという理由でベッドや車椅子に縛られる人もいた。その惨状に立ち尽くし吠えるように泣いたこともあった。
 あるとき、付き添い婦の松本さんは、入所者の二郎さんが病棟を徘徊する理由は【苗をまく行為】だと気が付いた。何度も笑顔で話しかけ、一緒に歩き回ること2か月、二郎さんの険しかった顔が穏やかになった。4か月後、唸るだけだった二郎さんに言葉が戻り、ある朝『世話に、なるなぁ』といった。本人の視点に立って接すれば『絶望的』と専門医に見放された人も変わる。

※介護現場の人手不足問題に一石を投げかけるような大きなテーマです。時間と人手の問題で出来ること・我慢していただくことの検討の時期に入っているのだと感じます。ただ、常に“それでも何が出来るのか!”を意識して業務にあたりたいものです。

 

《新年あけましておめでとうございます》

 新年あけましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願い致します。

 平成30年になりました。弊社の開業は平成2年ですから、28年目に突入です。時の流れの速さに驚いております。

 本年も、気付いたこと・気になったこと・情報等書き込みをしたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 平成30年元旦 経営システム研究室  代表 佐藤幸弘 
 

《囚人のジレンマ》

 囚人のジレンマというゲーム理論をご存知でしょうか!

 次のような内容です。

 あなたと友人が銀行強盗をして捕まったとする。二人は別々の部屋で警察官の取り調べを受けることになるが、当然離れているので二人は相談をすることは出来ない。
そんな状況の中で、警察官から四つの取引をもちかけられる。

➀友人が首謀者で、友人があなたにとって不利な証言をしなければ、友人は5年の刑で、あなたは釈放される。

➁あなたが友人に不利な証言をせず、友人があなたに不利な証言をすれば、あなたは5年の刑で、友人は釈放される。

➂双方が互いに不利な証言をすれば、二人とも3年の刑になる。

➃双方が互いに証言を拒否すれば、二人とも1年の刑になる。

 二人が互いに信頼できているとわかっていれば、答えは簡単ですね。黙って黙秘をして、互いに1年の刑。しかし、これが一回限りだとすれば、『双方が証言をして、二人とも3年の刑』という選択になるのでしょう。

 興味深い実験は、このゲームを20回続けた場合です。

 結果は、初回ラウンドでは協力をして、その後は前回のラウンドで相手が選んだ選択を真似し続ける【しっぺ返し作戦】ということになります。影響力の武器の著者、ロバート・チャルディーニが言う【返報性の原則】がはたらくのでしょうね。

 組織活動にも、返報性の原則がはたらいているとすれば【相互扶助】という考えが組織運営にはとても重要になると思います。

 

《マズローの欲求5段階説》

 読売新聞の編集手帳から

 人間の欲求には優先順位がある。米国の心理学者A・マズローは、かつてそんな“欲求段階説”を唱えた。

 生身の人間がまず追及するのは、食事や睡眠などの生理的欲求だ。二番目が安全欲求で、以下、社会に居場所を得たいという欲求(所属の欲求)、皆から認められたいという承認欲求などが続く。先の新語・流行語大賞の結果に、この学説を思い出した。

 大賞の『インスタ映え』は、画像共有サービス『インスタグラム』に由来する。投稿者は、見栄えのする風景といった『映える』写真をケータイから送り、見た人から
“いいね!”をもらうことを励みにするらしい。

 選には漏れたが、候補には『けものフレンズ』もエントリーされた。主人公は、事あるごとに“すっごーい!”と仲間に称賛される。そんなシーンが評判になったテレビアニメだ。いずれの言葉にも、人々の承認欲求が強くにじむ。

 マズロー流に言えば、仮に暮らしが安泰でも人間は満たされない。流行の背景には、【自分は正当に認められていない】という人々の不全感がありはしないか。閉塞感の漂う時代。だからこそ、互いの美点を認め合う余裕が欲しい。

※お金とか物による動機付けではなくて【承認欲求】を満たしてあげることが重要なのでしょうか!

《目標管理の手法を考える》

 ここ二十数年人事考課制度の一環として【目標管理制度】の運用指導を実践してきました。人事考課制度の一部として運用する場合には、どのようにして最終の評価を決定するかといった視点が重要視されます。定性化目標の場合には特に以上のような傾向が見て取れます。

 目標を持って業務にあたることの必要性については充分に認識を持たれているのだとは思うのですが、実務上は様々な抵抗に出会います。例えば、最初は目標の設定数を5つにしてスタートするのですが、時間の経過とともに設定数が減少してくる傾向にあります。今後人手不足の社会環境の中で増々進んでいくのではないかと懸念しております。

私は、目標管理制度は目標設定という手法を使用して日常業務や外部の環境に変化を起こすことだと考えています。プラスの変化を起こすことで効率的な業務遂行と働く者たちのゆとりを同時に実現する為の有効な手段だと思います。

 『人手が足りない、時間がない』と言ってるだけでは、何の変化も起きません。目標管理制度を積極的に運用して業務改善に役立てて欲しいと願っています。