《評価尺度》

 目標管理制度を運用していると《評価尺度》という問題が時々起きます。通常目標を設定して、プロセスを実行計画書に落とし込んで結果を評価するということになると思いますが、この場合に【事前に100点レベルの確認】が必要になる、ということです。

 例えば、目標を【クレーム0】と設定します。仮に前期のクレーム発生数は10件だったとします。こういった場合に、0~3件で100点  4~6件で90点  7~9件で80点といった具合に決めるということです。

 ここで難しいのは『評価尺度』のさじ加減です。評価尺度が厳しすぎて、どんなに現場が頑張っても“0点”しか取れないようでは、現場は最初からやる気を失います。

 評価尺度だけは、リーダーがしっかりチェックしてから進んでください。

 下期が、10月からスタートします。参考になれば幸いです。

《未来の年表》

 最近ベストセラー新書の『未来の年表』・・・河合雅司著を読みました。興味深い内容になっていました。

 60歳になった私にとっては、とても身近に感じるものがあり説得力がありました。

※人口減少日本でこれから起きること
 【2020年】・・・女性の半数が50歳超え
 【2024年】・・・全国民の3人に一人が65歳以上
 【2027年】・・・輸血用血液が不足
 【2033年】・・・三戸に一戸が空き家に
 【2039年】・・・火葬場が不足
 【2040年】・・・自治体の半数が消滅
 【2042年】・・・高齢者人口がピークを迎える

 高齢者一人を勤労世代三人で支える《騎馬戦型社会》から高齢者一人を勤労世代一人で支える《肩車型社会》が、早晩訪れます。本の中でもふれていますが、65歳以上の高齢者を労働力として活躍して頂くことが重要だと思います。生涯現役の考え方ですが、元気で活力あふれる60代・70代がたくさん見受けられます。企業も労働力不足を70歳定年対応で臨んでほしいものです。

《組織の問題》

 人生案内・・・・・読売新聞から

 50代の女性。最近になって、保育士の資格をとり、保育所で働いています。新人いびりがひどいです。

 資格をとってすぐに働き始めた公立の保育所では、相談したいと思った上司も、嫌みを言われている私の姿を見て、笑っていました。私が仕事ができないからだと思います。

 わずかな希望を持って、別の保育所に転勤しました。そこでもどなり散らされ、人権を無視した発言や、あからさまな無視などが続いています。助けてくれる人はいません。怖くて上司にも言えません。

 円形脱毛症になり、体調も悪化しました。子供たちの前では明るく振舞っていますが、家族も心配しています。

 甘い世界ではないと分かっています。年度途中なので、この一年間は行かなければならないと思っています。年度末までは長い道のりです。心の持ちようを教えてください。(兵庫県・T子)

 回答は省略しますが、回答者の最相 葉月(ライター)さんは、励ましの言葉をかけていますね。

 保育現場でのいじめ問題は多いのでしょうか!医療・福祉の現場でも共通する問題であるかもしれませんが、園児・患者・利用者の方々にストレスの矛先だけは向かないように注意したいものです。

《離職率改善》

 少子高齢化の社会と向き合いながら業務を進めていますが、《離職率》について時々話題になります。

 私見ですが、“離職が全くない”という状況も?がついてしまいますが、年度内に20%~30%も離職が発生するような組織も当然?ということになりますね。一般的には【5%以下の離職率】を目標とするのが、よろしいかと考えています。

 私はこの時期個別面接の立会をしています。前期は500名ほどの社員の方々の面接を複数の組織で実施しました。一人あたり20分の面接時間ですが、事前に記入していただいたシートに基づきコミュニケーションを取ります。法人のトップも同席して質問をしたりします。基本的には社員の方々の話しを聴くことに集中しますが、色々な話を聴くことが出来て大変に勉強になります。 

 テーマは、離職率ですが、個人面接を丁寧に実施している組織の離職率は、【極めて低い】状況です。離職率の高いと考えられる組織には是非丁寧な面談をお勧めしたいと思い、今日はこんな内容にしました。

《人事考課・レベル3の確認》

 このブログでも、時々ふれています【人事考課・レベル3】について考えてみたいと思います。

 一般的に使用されている人事考課シートは
※考課要素    管理能力 量的実績 規律性 協調性等
※等級別ウエイト 各等級ごとにウエイト調整を行う
※評価内容    考課要素ごとに5段階レベルを文章で表現している

 まずは被考課者が、考課要素ごとに表現された評価内容を読んで自分の主観でレベル1~5を選択し自己評価します。次に同じような手順で上司が考課要素ごとに部下のレベルを1~5のいずれかを選択して他者評価します。問題は、文章で表現された評価内容を読んだ時の各人の理解の差が出るということです。いわゆる【考課エラー】甘・辛とか考課ギャップと呼ばれるものです。悩ましいです。でも、人間だから必ず起きるのです。

 これといったうまい対策が中々見つからないのですが、私は考課要素ごとにレベル3(普通)を考課者に考えて貰うようにしています。そうすると、レベル3の指標とかチェックリストとか思ってもいなかった資料が出来てきたりして、とても勉強になることがあります。

 9月は、上期の人事考課の時期ですね。我が社の【人事考課レベル3】を考えてみる良い機会かもしれません。チャレンジしてみては! 

 

 

《ゲシュタルトの祈り》

私は 私のことをする

あなたは あなたのことをする

私は 何もあなたに気に入られるために生まれてきたわけではない

あなたも 私に気に入られるために生きているわけではない

あなたは あなた

私は 私

もし二人が出会うとしたら それは素晴らしいことだ

もし出会わないとしても それは仕方のないことだ

※ゲシュタルト・セラピーの創立者、フリッツ・パールズは、ワークショップの始めに、全員でこの詩を唱和したそうです。
親子・夫婦・上司と部下などの人間関係で、見返りを求めない潔よさが自分を自由に解放してくれるのでしょうね!

《山本五十六の名言》

 今日は、山本五十六の名言【人を育てる極意】をご案内します。

『やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ』

『話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず』

『やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず』

 短い言葉の中に、人材育成のポイントが見事に表現されています。

《我が信条》

※ジョンソン・エンド・ジョンソン

 我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師・看護師・患者・そして母親・父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。

 顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、我々の行うすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない。
 
 適正な価格を維持するため、我々は常に製品原価を引き下げる努力をしなければならない。

 顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。

 我々の取引先には、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。

 我々の第二の責任は全社員に対するものである。

 社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳と価値が認められなければならない。

 社員は安心して仕事に従事できなければならない。

 処遇は公正かつ適切でなければならず、働く環境は清潔で、整理整頓され、かつ安全でなければならない。

 能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられなければならない。

             “ジョンソン・エンド・ジョンソン” 我が信条より抜粋

《コミュニケーションを考える》

 弊社では、人事考課制度の運用を通じて【組織内コミュニケーションの活性化】を実現したいと考えています。
 
 具体的には、年四回程度の面接ということになりますが、《目標面接》《評価面接》《フィードバック面接》《中間面接》等をきっちりと実施していただくことが重要です。上司と部下がしっかりと向き合って業務に関することを中心にして、《コミュニケーションシート》の内容に沿って進めていただきます。

 コミュニケーションを円滑にすることで、どのような効果があるのでしょうか。
※お互いのことをよく解りあえることで安心して業務ができる。
※コミュニケーションを密にすることで誤解を防げる。

 結果として、組織内に『和』の文化が生まれ【相互扶助】【共生感】につながると考えています。

 最低、年四回の面接をしっかり実施してほしいものです。

《長所を伸ばす人材育成》

 コンサルタントの船井幸雄は、“長所伸展法”という考え方を本の中で紹介されていますが、私も“なるほど!”と共感して読んでいました。以後“長所伸展法”という考え方を研修の中で取り入れています。

 長所に着目をして伸ばしていくといった考え方は理解できるのですが、実際は仕事等で他人の長所に目を向けることが中々難しいのです。特に我々世代は、“欠点矯正法”で教育され躾を受けてきた感があるので、それがしっかり身についてしまって“欠点”ばかりが見えたり気になったりしてしまうのです。

 私は、毎日見る手帳の1ページ目に“長所伸展法”と大きく書いていますが、それでもついつい欠点・短所に目がいってる自分に『ハッ』としてしまいます。あのP・ドラッカーも『短所は治らない。長所を伸ばすと短所が消えていく』と著書の中で書いています。長所に意識が向くことが習慣になるまで頑張らないと、と思っています。

 先日NHKの番組で、発達障害の特集を放送していました。ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の方の仕事ぶりをカメラが追っていたと記憶しています。印象に残っていることが何個かあるのですが、一つは【言語認識】です。上司に『観葉植物に適当に水をやっておいて』と指示されるのですが、鉢から水かあふれてフロアーが水浸しになっても、まだ水をやり続けている。『適当に』という言葉の認識が出来ないのです。また、経理の仕事が良く出来るようになったので、経理以外の仕事を少し担当してもらうように進めていくのですが、うまく進まないのです。【業務の幅を拡げることにストレスを感じる】といったことが起きていました。人は、基本的に【長所・得意なもの】がいいんですよね。このような事例は、長所伸展法を理解する上では参考になるように感じました。