《たった十分の積み重ね》

 7月3日(月曜日)本日の職場の教養から

 『数人で行うべき業務を一人でこなす』という話が、様々な業種で聞かれる昨今です。一人で仕事を抱える人の重責は、並大抵のものではありません。以前できていたことができなくなり、ストレスを溜めてしまう人もいるでしょう。

 映像制作会社に勤務するAさんもその一人です。あれもこれも仕事が舞い込んでくる中で、実益と趣味を兼ねた読書の時間がまったく取れなくなったのです。

 “このままでは自分がまいってしまう”と危機感をおぼえたAさんは、発想を変えてみました。どんなに忙しくても、『毎日10ページだけ読書する』という新しい挑戦を始めたのです。

 時間にしてたったの十分ですが、300ページの本なら、1か月で読み終わります。1年続ければ、12冊の本を読むことができます。読む本の数は半減しましたが、ストレスはかなり軽減できた上に、業務の効率も上がったといいます。

 自分の置かれる環境は、自分ではどうにもできないことがあります。それならば意識を変えて、これまでとは違う見方、やり方に挑戦してみましょう。

 

 

《今春の新入社員意識調査》

 【勤務外の付き合い『イヤ』30%】 読売新聞の記事より

 公益財団法人『日本生産性本部』などが今春の新入社員に行った調査で、“職場の同僚・上司らとは勤務時間以外は付き合いたくない”との回答が過去最高の30.8%(前年比10.1㌽増)に上がった。

 分析担当者は『深夜に及ぶ飲み会の準備などが問題となった電通事件が影響した可能性もある』としている。

 調査は1969年から実施しており、今年度は3~4月、新入社員1882人から回答を得た。

 プライベートを大切にする傾向が続いており、“仕事は人並みで十分”は57.6%と、過去最高だった昨年度の58.3%からほぼ横ばい。“仕事中心か・私生活中心か”の質問では、【私生活】が14%と、【仕事】の6.9%を3年連続で上回った。最多は【両立】の79.1%だった。

《人事考課3レベル》

 このブログを読んでいる方々には、人事考課制度を運用し人事考課に日々頭を悩ませている人もいることと思います。

 人事考課者トレーニングで確認していることについて少しふれてみましょう。

 人事考課者トレーニングは、一般的には次のようなプログラムで進めています。(2~3時間程度)

1 人事考課制度の目的
2 目標を持つことの意味
3 考課エラー
4 考課要素ごとの5段階中3のレベルは?

 特に難しいのが、4番目の3レベル(普通)の確認です。研修時間内では、中々まとまらないことが多くて宿題にしたりしています。各部署ごとに箇条書きにしたり、チェックリスト方式にまとめたりと色々な形式で出てきますが、私にとっては、大変勉強になる貴重な時間なのです。このレベル3の目線合わせば、人事考課制度運用にあたっては大変重要なポイントと考えています。

 定期的に確認作業が必要かもしれませんね!

《人事考課制度導入の目的》

 四月に酒田市内を散策していると、とある“布団や”さんの玄関辺りが赤白の垂れ幕で飾られているのに目がいきました。気になったので近づいて行って“よーく見たら”こんな風な看板が立っていました。

 『お陰様で100周年を迎えることが出来ました』・・・・・・。私は60歳になりましたが、私より40歳も先輩であることにちょっと感動を覚えて帰ってきたという出来事です。

 私の仕事は、組織とか人事制度のコンサルティングが中心です。目的としていることは《組織の永続》になります。私の関与する組織が、布団やさんのように、100年、200年と存続していることを日々願いながら業務に励んでいます。

 そこで、“組織が永続”するためにはどのような人材が求められるのでしょうか!私の仮説ですが、【自ら考え・自ら行動できる人材】が組織の永続を支えるのではないでしょうか。組織の60%~70%は【指示待ち人材】といわれています。この場合には、指示されたことは一生懸命にやりますから、半分は出来ていることにことになります。不足しているのは、批判的な視点です。指示・命令を無批判で受け入れるのではなくて、批判的な視点で考えてみるということです。

 もう少し具体的に言えば【提案・代案】が出せることだと思います。ただ、批判だけするのは【評論家】です。業務改善等考えながら仕事に励んでほしいものです。

《不毛な労働》

 労働それ自体が人間を成長させるという考えには、根拠がありません。また、どんな労働にも価値があるという考えなど愚の骨頂というべきです。

 ある知人の話しですが、刈る必要のない芝生を壊れかかった芝刈り機で刈るように命じられたことがあるそうです。これは、指示・命令に服従する態度を叩き込むのが目的であり、芝刈り自体はどうでもよかったのでしょう。

 私たちは、これほどに極端な仕事はしていないはずですが、“不要・不急”の仕事にどれくらいの時間を使っているでしょう!

 子供たちは、数分間で習得できるはずのことや、そもそも勉強する必要のないことを学ぶために、毎日学校で悪戦苦闘を強いられているかもしれません。

 時間とエネルギーと才能を浪費させる労働や勉強は、無意味などころか、知性を麻痺させてしまいます。

 P・ドラッカーは、タイムマネジメントの中で仕事を書き出すことの有効性について説明をしています。書き出して“見える化”することによって、やらなくてもよい仕事が発見しやすくなるということだと私は理解しています。

 優先事項よりも後先事項(マイケル・デル)の言葉にもあります。

 このような視点で、日常業務を一度見直してみませんか。

《快適ゾーン》

 私たちは違和感や不快感を覚えるときもあれば、とても気分が良くいろんなことがスムースにいくこともあります。何故そのようなことが起きるのでしょう!

 それは『快適ゾーン』という調節機能を自分自身の中に持っているからです。この快適ゾーンは、人が自由に考えたり、行動が出来る居心地のよい【心の領域】です。人は、【居心地の良い領域】から出ることを嫌がります。別な表現をすれば、変化することに抵抗します。

 その結果として、“マンネリ化”とか“慢心”といったような現象がおきます。業務に慣れることは、悪いことではありませんが、慣れによる“マンネリ化”が発生します。同様に、“慢心(自分はわかっている・出来る)”を生じさせることもあるでしょう。

 このような、“マンネリ化”や“慢心”といった心の状態が、心に隙をつくり甘えを生じさせる場合があったりします。

 『快適ゾーン』という心の領域があることを理解し、快適ゾーンを拡げる努力をしたり逆に原点に戻ってみることも大切なことだと思います。

《オンリーワンとナンバーワン》

 『ナンバーワンよりオンリーワン』という言い方があります。

 競争社会を生きる私たちにとって『ナンバーワンではなくても、オンリーワンであればいい』というメッセージは、励ましでもあります。

 ところで、この『ナンバーワン』と『オンリーワン』は、どのようなことを意味しているのでしょうか。

 正反対の性質を持つというよりは、むしろ同質の『見方を変えた言葉』だと捉えることができそうです。

 周囲との切磋琢磨を繰り返し、ナンバーワンを目指す。結果的にはそうはならなくとも、その過程は紛れもないオンリーワンというのが本来の姿です。

 それを『ナンバーワンを目指すのは大変だから、オンリーワンでいいや』という消極的な姿勢に捉えてしまっては、オンリーワンにもなれないでしょう。

 勝ち負けそのものが目的になるような過剰な競争は避けたいものですが、競いあうことで成長があることを忘れずにいたいものです。

 職場の教養より 

《人事考課運用の課題》

 三月~五月にかけてのこの時期は、人事考課制度運用のために“考課者トレーニング”を実施する機会が多いです。今回は、人事考課シートの点数化を中心にした研修が多かったのですが、色々な問題・課題が出ています。

 弊社で提案している“人事考課シート”は、一部の考課項目を別紙チェックリストにして点数化する形式のものになります。問題点は、チェックリストのない考課項目のレベル3(5段階評価の場合)の基準が明確になっていないということです。例えば、【量的実績】の考課項目で、どの程度の量ができたらレベル3なのか、といったようなケースです。

 研修では解決できず宿題としました。社内における評価基準(レベル3)を明確にするために、一度社内の考課者を中心に検討していただき、来月再度考課者トレーニングで協議します。

 頭を悩ませるようなことに出会いますが、刺激的で楽しいです。“脳は若返る”にも書いてあるように、問題を投げかけて考えてもらうことは大事なことなんでしょうね!

《ドラッカーの金言》

 今年のゴールデンウイークのアッという間に終わりました。

 期間中に何冊か本を読みましたが、その中からご紹介いたします。

【ドラッガー365の金言】から
 1958年から63年までGEのCEOをつとめたラルフ・コーディナーは、上場企業のトップマネジメントは受託者であるとした。その責任は、株主・顧客・従業員・取引先・地域社会の利害を最もよくバランスさせてマネジメントすることであるとした。今日のステークホルダー(利害関係者)の考え方だった。だがこのコーディナーの答えでは、成果の定義がなされていなかった。しかもバランスの意味が曖昧だった。しかし、もはやわれわれは仕事の成果の定義について、その理論化に苦労する必要はない。

 ドイツと日本では、企業の所有権は機関投資家に集中している。それらの機関投資家は企業活動の成果をどのように定義しているか。具体的な方法は違っても、仕事と成果の定義は同じである。コーディナーのように何ものかをバランスさせようとはしない。最大化させようとする。しかし、株主その他、特定のいかなる利害関係者の短期的な利益も最大化させようとはしない。富の創出能力そのものを最大化させようとする。

 この富の創出能力の最大化こそ、短期と長期の成果を統合し、かつマーケティング・イノベーション・生産性・人材育成などの事業上の成果を財務上の成果に結びつけるものである。そしてこの目標こそ・株主・顧客・従業員などあらゆる利害関係者を満足させるうえで必要なものである。

 ドラッカーの表現は難解なものが多いですが、この金言から私が学んだことは、【短期と長期の成果】と【マーケティング・イノベーション・生産性・人材育成】についてです。まずは、成果を何にするのか。そして、その成果を実現するためにマーケティングをはじめとした業務プロセスの4つの視点といったところでしょうか。

 参考になりました。

《教えないのススメ》

 萩本欽一さんの“教えないのススメ”

 50歳になった時から『これからどうするの』と未来のことを聞かれたら、『教えない』って答えるようにしている。これはおすすめ!

 実際には何も考えていなくてもいいの。でも、これを言われた相手は、『おや、何かすごいことを始めそうだな』と受け取ると思うんだ。周囲から『何かやりそうだ』と思われるってちょっとワクワクして気持ちいいよ。それに自分でも、まるで何かすごい計画があるかのように錯覚できる。

 50歳を過ぎると、多くの人が、『定年後はどうしよう』とか『今の生活を変えなくちゃいけないな』と考えるだろうし、家族から聞かれることもあるでしょう。

 そんなときは『教えない』って答えようよ。そして『今自分には秘密の計画があるんだ』と思い込んでみる。そのうちに何か見つかるはず。それが、50代以降を楽しむコツだと思う。

 コント55号を見て育った世代としては、中々含蓄のある話です。