《逆説の10カ条》Ⅰ

 “それでもなお、人を愛しなさい” ケント・M・キース著

1 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
  それでもなお、人を愛しなさい。

2 何か良いことをすれば、
  隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。

3 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
  それでもなお、成功しなさい。

4 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。

5 正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
  それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

  次回へ続く

 

 

《二分の一成人式》

 読売新聞の投稿“ぷらざ”から

 四年生の男の孫が10歳になった。娘からあまり聞きなれない『2分の1成人式』が小学校であると言われ、一月に参加してみた。20歳の半分の10歳まで元気に成長したことを祝う行事だ。

 児童は総勢90人。少子化の時代、多く感じた。大勢の両親や祖父母で体育館はにぎわっていた。

 歌と合奏で幕が開いた。軽快なリズムの音楽に寒さも吹っ飛ぶ思いだ。児童が壇上に上がり、これからの抱負を述べていった。皆しっかりとした口調で、ちゅうちょする様子もない。

 中には、『お金をたくさんもうけてお母さんに楽をさせたい』と、殊勝なことを言う子もいた。
 
 最後のほうで孫の順番が回ってきた。『おけいこを増やしてしっかりやりたい。お年寄りも大事にしたい』と、普段活発な子ではないが、大きな声ではっきりいっていた。意外としっかりしている、と感心した。

 これからどんな大人になるのか。私も高齢なので新成人になるのを見届けられるかどうか。頑張っていきたいものだ。(杉並区・木村様 77歳)

 何年か前に、自分の子供が10歳の時に“2分の1成人・アファメーション”を小学校に提案して、皆さんに書いて頂いたことを思い出しました。一人ひとりしっかりした目標を描いていた記憶があります。
 
 その子たちが、今年成人を迎えます。10年前に書いた目標、今どうなっているか興味があります。

 

 

 

《マインドマップ》

 2005年に“ザ・マインドマップ”・・・トニー・プザン著が発売されました。話題になったので、私も購入して読んでみました。

 センターにテーマとなる“言葉”を記入して、その言葉から連想する事柄をブランチ(枝状)に記入して展開していくといった手法です。ノートやメモを取る際に、従前は時系列にして直線状に記入していたものを、テーマを決めてブランチ(枝状)にしていきます。やってみた感想としては、言葉をシンプルにしたり色分けしたりして記入することで、全体の情報が目から一覧でインプットされてきます。問題を整理したり、対策を考えたりするときのツールとしては便利だと思います。

 私のもう一つの利用は、セミナーや初めての研修の時“マインドマップ”にテーマを記入し、各論についてはブランチにポイントを簡単な言葉にして展開しておきます。机の上において“マインドマップ”を見ながら進めると、言い忘れもなくスムースに研修が実施されます。

 最近のコミュニケーション研修で、マインドマップを使い始めました。言葉の確認のために、テーマを“しあわせ”に設定して、参加者に方々に“しあわせ”から連想する言葉を数個ブランチに記入して頂きます。次に参加者の皆さんで答え合わせをしてみます。実に興味深いのですが、“しあわせ”に関する個々人のイメージがバラバラであることが確認できます。美味しいものに幸せを感じたり、お金に幸せを感じたりといったように・・・・・・。

 コミュニケーションにおいて、言葉は媒体として重要な働きをしていますが、注意しておきたいことは【言葉に対するイメージの違い】があるということです。相手との間に、『どうもギャップがあるな!』と感じた時は、言葉の意味とかイメージの確認やすり合わせが必要かもしれませんね。

 

《部下の問題行動について》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【部下の問題行動について】

 一般に問題行動といった場合の現象として
※規律を守らない ※ミスが多い ※協調性に欠ける ※チームワークに乏しい ※仕事の能率が悪い ※マナーが悪い ※ホウレンソウが出来ない・・・・等があります。

 ダメダメと言う前に『問題とは何か』を明確にしておく必要があります。職場における問題は、単に管理職や指導職の職員の主観的な意志や好みでとらえてはいけないし、問題の本質を正しくとらえなければなりません。

 通常、問題とは“あるべき姿と現状の姿とのズレを誰かが感じること”である、と定義づけられます。この定義に従えば職員の問題行動を見る場合には、次の視点(見方)
をもっておくことが必要です。

Ⅰ あるべき姿としての一定の目標や期待値、基準やルールが示されているか
Ⅱ 現状の姿 つまり現時点でのその職員の達成度合や取組姿勢がどの程度の未達成や不具合の状態にあるのか
Ⅲ そのズレを誰がどの程度具体的に感じており原因はどこにあるのか、特に職員自身が“問題”と感じている否か

 上記の事柄は現在取り組んでいる人事考課制度の業務・能力考課における考課基準や基本職務遂行チェックリストによって各項目を明確にしていくことと、リーダーとの面談により問題のズレは少なくなっていくことと考えます。

《リーダーとして人を動かすには》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【リーダーとして人を動かすには】

 人は動機づけられた時に自ら変わります。このことをモチベーションと言いますが、これには外的なもの(外側からの強制)と内的なもの(納得して動く)とがありますが、持続性があり効果が高いのは言うまでもなく《内的な動機づけ》です。従って、部下を育てていくには内的モチベーションが基本となります。

 そして内的動機づけを起こさせるもっとも有効なのが『状況が人を動かす』というセオリーです。これは『人は命令によって動くのではなく自分がおかれている状況を正しく認知し、行動の必要性を納得できた時に自ら動くものである』という考え方です。

 ですから行動に移す時には、お互いがその時の状況認識の共有化が大切ですし、何のために動くのかその要望事項について具体的に示していくことが必要です。

Ⅰ 必要性(何故そのことが必要なのか)
Ⅱ 目標水準(どこまでやれば良いのか)
Ⅲ 結果のメリット(どのような期待・成果があるのか)
Ⅳ 支援策(実現のためにどのような支援が必要なのか)

※次回は引き続き“部下の問題行動について”をご案内します。

 

《リーダーに期待すること》

 お客様で、私の尊敬する施設長が“職員研修”で使用した資料からご案内します。

【リーダーに期待すること】

 当法人としての方針を実行するためにリーダーは自分で理解し部下に伝えてまとめていく役目です。

 職場リーダーは、リーダーと言っても現実にはプレーヤーとして一般職員と同じように日常業務の一部を担当することが多いですが、期待される役割意識や役割行動には大きな違いがあり、そこに職場リーダーとしての意識付けの必要性が生まれてきます。

 職場リーダーはチームの責任者です。チームとしての業務を責任をもって遂行しなければなりません。しかもこれは自分がプレーヤーとして遂行するのではなくチームメンバーである職員を活用し、育成しながら相乗効果を高めなければならないのです。そしてリーダーは上下左右をつなぐ連結ピンの役割行動が期待されるのです。

 実際に方針どおり実行してみて自分たちにとって不具合な点があれば単にその部分だけをとらえて“きつい”とか“できない”とか言うのではなくて、どうしたら可能になるか!提案してほしいのです。

 組織というものは一般的に保守的です。仮に変化の必要性が認識されたとしても自分にとって都合の悪いものは、できれば取り入れたくないもので“大した問題でない” “一生懸命やっていれば悪いはずがない”といった理由づけをして関わろうとしないものです。長い年月の中で培われて身につけた考え方や価値観・行動形態はなかなか自分では変えれないのです。

 従って組織の体質・風土を変えるには組織運営の仕組みや人事制度の変更等による制度面の改革によることが大切で、それに伴い組織員も変わるものなのです。

※次回は【リーダーとして人を動かすには】です。

《がんばれ、とは言うまいぞ》

 読売新聞の編集手帳より

 『がんばって』とは声をかけない。背中を叩いて励ましもしない。ここが勝負どころの天王山と内心承知していても、知らん顔で送り出す。

 稲畑汀子さんの句がある。【受験子の旅立つ朝を常の如】こちらの期待を負担に感じ、またコチコチに緊張されては困るからね。『がんばれ』とは言うまいぞ。知らん顔、知らん顔・・・・。

 この半月ほどを一句の親心に似た気持ちで過ごしてきた。今は、息子に合格通知が届いたような心境でいる。

 大相撲初場所で、大関稀勢の里が初の賜杯を手にした。そして日本出身の力士としては19年ぶりの横綱昇進が決まった。

 【稀勢の里、君がなんとかせにゃいかん】この時事川柳が読売新聞に掲載されたのは8年前である。『今場所こそは』と期待され、そのたびに大事な星を落としてはファンをがっかりさせてきた。本人がいちばん悔しかったはずである。千秋楽の、万感の涙が語っていた。

 季節には早いが、南国から寒緋桜の便りが届くころである。その言葉を贈ってもいいのだろう。【冬に耐えて耐えて、桜咲く】 

 

 

《マーケティングとイノベーション》

 “マーケティングとイノベーション”という言葉はよく耳にします。P・ドラッカーの本によくでてきますが、事業経営では重要な考え方だと思います。

 一方では“経営戦略”もとても大切です。今から、30数年前に マイケル・E・ポーターが“競争の戦略”という本を書きましたが、現在でも私にとっては教科書的な存在です。

 少し厚めの本で、たくさんの情報・考え方が書いてありますが、戦略策定のポイントは次のように私は理解しています。
【戦略策定ポイント】
※ 差別化・・・・・・・・・・・・他との違いをどうするか?
※ コストリーダーシップ・・・・・安く提供するには? 
※ 集中・・・・・・・・・・・・・強みに集中する

 未だに通用する考え方だと思います。

 また“マーケティング”は、お客様の問題解決、“イノベーション”は、お客様の気が付いていない問題解決と“マーケティングのすすめ” 高岡浩三著の本の中にありました。改革と改善という言葉を区別していかないとダメなんだ、と気付かされました。

 是非“マーケティング” “イノベーション”について、じっくり考えて頂きたいものです。 

 

《コミュニケーションⅡ》

 NLPのスキルにLABプロファイリングがあります。非言語コミュ二ケーションとも関連がありそうなので書いてみます。

 LABプロファイリングの中に《知覚チャンネル》というカテゴリーがあります。これは、人が物事を認知したり納得するときに、どの知覚チャンネルを使って情報収集をするのか?というですが、一般的には次のようになっています。
※視覚チャンネル型・・・・証拠を見ることで      55%
※聴覚チャンネル型・・・・何かを聞くことで      30%
※読解チャンネル型・・・・書かれたものを読むことで   3%
※体感チャンネル型・・・・作業をしてみることで    12%

 このカテゴリーは、相手が物事を判断するために、どの知覚チャンネルを使って情報を集めているかを判別します。
 
 質問への答え方によって、相手に必要な情報をどうやって伝えればいいかが推測できるのです。

 人によって意思決定するために必要な情報を集めるために使う優位な知覚チャンネルは違いますが、パターンとしては上記に示した4つになります。

 相手のパターンを知らないと、無駄なことに労力をかけたり“間違った努力”に時間を費やしたりする恐れがあります。プレゼンやセールスシーンなどあらゆる場面で活用できます。

【パーターンを見分けるには】
 質問の例
『ある人が仕事ですごいって、どのようにしてわかりますか?』

※視覚型の特徴
『証拠を見るとわかる』 
※聴覚型の特徴
『その人のことを話しているのを聞くとわかる』
※読解型の特徴
『その人が書いた報告書などを読むとわかる』
※体感型の特徴
『その人と一緒に作業してみるとわかる』

 さて、あなたはどのパターンでしょうか!

 

《コミュニケーション》

 最近の企業が新入社員に期待する能力の一つに“コミュニケーション能力”あります。そこで、今日は“コミュニケーション”について考えてみたいと思います。

 私は、コミュニケーションの研修を実施するときには最初に『コミュニケーションの目的は?』の質問からスタートします。受講生の皆さんに発表して頂きますが、様々な答えが返ってきます。あなたも是非考えてみてください。

 私の研修では、コミュニケーションの目的できなくて【手段・スキル】が中心に進めていきますが、大事にしていることは“言語”の部分と“ボディラングウェジ”になります。心理学者のメラビアンは、コミュニケーションの三要素【目による】【耳による】【言語による】の割合をそれぞれ【55%】【38%】【7%】といっています。この割合をみて、『言葉ってたった7%しかないから、コミュニケーションって言葉にあまり意識をしなくてもいいや!』と勘違いする方々もおりますが、私はコミュニケーションでは“ボディラングウェジ”も大切なのだ、と理解しております。従って言葉の使うタイミングとか洗練された言葉の使い方を事例を使いながら確認して頂いております。

 具体的には、肯定的言葉と否定的言葉の使い分け・言葉の具体的な意味の確認等々・・・・・。

 最近よく目にする公衆トイレには『いつも綺麗に使用して頂きありがとうございます』
 以前は、『汚さないようにご使用ください』でした。
 言葉から人は、イメージを喚起します。それによって行動が起きます。何をイメージさせるかが重要です。

 今日はここまでにして、次回は非言語コミュニケーションについて考えてみます。