《ビリーフチェンジ》

 人は、いろんな思い込み・信じ込み・固定観念を持っています。今日は、これらを一まとめにして【ビリーフ】について考えてみたいと思います。

 よく引用されるケースで、コップに半分の量の水が入っていたとします。この半分入っているという事実に対して、『もう半分しか入っていない』と否定的(ネガティブ)に捉える場合と、『まだ半分も入っている』と肯定的(ポジティブ)に捉える場合の二つがあると考えられます。コップに半分水が入ってるという事実は、ポジティブでもネガティブでもなく中間(ニュートラル)です。

 この違いはなんでしょう!

 これは、思考習慣の違いです。小さい時から現在までに身に付けたものです。もう少し詳しく言うと、自分自身の中にある【コア・ビリーフ】といわれるものの違いなのです。【コア・ビリーフ】とは『考え方の癖』です。この【コア・ビリーフ】がポジティブな人は、ほとんどの出来ごとに対してポジティブな捉え方をし、逆に【コア・ビリーフ】がネガティブな人は、物事をネガティブに捉えがちなのです。

 誤解のないように伝えておきますが、私は決して『ポジティブがいちばん』『ポジティブ最高』と言っているのではありません。人には両面が必要なのです。時には、苦しい・つらい・悲しい感情としっかり向き合うことも大事だと考えています。だから、ネガティブな考えを無理やりにポジティブに変えたり、消し去ろうとする必要はないのです。

 大切なことは、ネガティブな捉え方だけでなく、【色々な視点から出来事を捉えられるようになる】ことです。

《ストレスのセルフケア》

 ストレスを味方につける方法・・・・相場聖 著から

 近年“ストレスチェック”が中堅企業を中心に実施されています。

 著者も、企業のご依頼により、このストレスチェックの結果に基づく組織分析をすることがあります。

 組織分析とは、ストレスチェックの結果に基づいて、企業全体/部署ごとの組織の問題点や今後の課題、具体的な取り組などを分析に基づいて導き出していくものです。この分析によって、組織の風土や特徴・傾向など、さまざまなものが見えてきます。

 ところで、同じ企業内でもストレス度の高い部署と低い部署があるのはどうしてだと思いますか?ストレス度の高い部署の特徴には次のような原因が見受けられます。
※業務過多
※管理職の支援不足
※管理職の管理能力不足
※人間関係の悩み
※職場内コミュニケーション不足

 もう一つ分かっていることは、セルフケアの実行率とストレス度との間には反比例の関係が成立するということです。ストレス度の高い部署のセルフケアの実施率は低く、ストレス度の低い部署のセルフケアの実施率は高いということです。『自分の心は自分で守る』という意識を持ち、小さなことでも良いので、自分なりのセルフケアやストレスマネジメントを行ってみては如何でしょうか!

 

  

《叱ると怒る》

 皆さんは、動機づけの手法として“叱ると怒る”をどのように使い分けているでしょうか!そこで今日は、“叱る”について少し考えてみたいと思います。

 そもそも辞書によると、“叱る”というのは江戸時代では、お白州に呼び出して、間違いや誤りについて叱責をして正すことによって、悔い改めさせるという刑罰だったそうです。
 
 こうしたことから導き出されるのは、“叱る”ことは、【叱られた相手を正しい方向へ導くための手段】だということです。

 一方“叱る”と似た言葉に“怒る”というものがありますが、私たちはこの二つの言葉を混同してネガティブな意味に捉えがちです。
 
 では、“叱る”と“怒る”は何が違うのでしょうか?

 “叱る”は、前述したように相手を諭して正しい方向へ導く手段であるのに対し、“怒る”は自分の感情をぶちまけるということではないでしょうか。言い換えれば、“叱る”は理性的、“怒る”は感情的といったところになりますね。

 ところで皆さんに質問をしたいのですが、“叱る”の反対語は何だと考えますか・・・・・・!
 すぐに思いつく言葉としては、“ほめる”が思い浮かぶかもしれません。ただ、ちょっと考えてみてほしいのですが、“叱る”も“ほめる”も、ある一定の行動(望ましい行動としましょう)を相手を取ってもらうことを目的としています。従って手段こそ違えども行き着く先は同じなのです。このような視点で見た場合には、“叱る”の反対語は“叱らない”ということではないでしょうか!

 “叱らない”ということは、相手に期待もせず、意思も伝えず、興味も持たない状態、ある意味【スルーした状態】みたいに感じてしまいます。最近『叱れない上司』という言葉をよく耳にします。愛情を持って部下と対峙することも時として大切なことと思います。

 

《経営について考える》

 ご紹介等があり、様々な企業様にお伺いする機会があります。規模の大小は色々ですが、現場からたくさんのことを学びます。

 そこで今日は“企業経営”について考えてみます。
 
 初めてお会いする経営者の方々に『企業経営ってなんでしょうか!』と質問をすることがありますが、『えっ』と戸惑いの表情をされる方や、自分の経営に対する想いを熱く語ってくださる方がおります。それぞれの考え方があって宜しいと思うのですが、少しだけ整理してみます。

 事業経営に必要なものを3つに絞ってみるとしたら、私としては次のようになります。
※経営ビジョン・・・・中長期のビジョン
※経営計画・・・・・・ビジョン実現のための実行計画
※経営戦略・・・・・・生き残るための戦略

 本来経営者としてやるべきことがおざなりになっていたり、日々の雑事に追われていてキチンと経営と向き合っていなかったりといった事例に出会います。残念ながらそのような企業は、経営成績が悪い傾向にあります。

 あなたの会社はいかがでしょうか?
 時には、じっくり自社の未来について考えてみては・・・・・!

《5Sを考える》

 最近様々な現場に出かけて感じていることは、【5Sの大切さ】です。

 5Sとは、1整理・2整頓・3清掃・4清潔・5躾の5つの活動の組み合わせで、企業の基礎・基盤を形づくる重要な活動です。

 『たかが5S』とナメてかかったり、5Sが中途半端のまま新しい改善に手を出したりしても、感動経営は望めません。結局はふりだしにに戻って、やり直しをさせられるだけなのです。

 5Sができていない企業は、あれこれ手を出すのをやめて、まず5S一本に絞って集中的に活動し、成功軌道に乗せることが大切です。職場の風景が一変し、以前の乱雑・非効率な職場に二度と戻したくない、と皆が感じるようになったら成功です。

 5Sの4つのチェックポイント(次の4ポイントを見れば、5Sのレベルがわかります)
Ⅰ 床・・・・・欠陥がなく、汚れがすぐに取り除かれているか!
Ⅱ ホコリ・・・目より高い位置にホコリが付いていないか!
Ⅲ 机の上・・・書類が横積みになっていないか!
Ⅳ 工具箱・・・中が乱雑になっていないか!

 職場の環境を少し意識してみたいですね。

《人事考課制度の目的》

 うまく出来たら“褒めてあげ”、ダメであれば“ダメと”指摘する。子供のしつけや部下指導は、それができなければ育成は期待できません。

 しかしながら、現実は褒めることも叱ることもできない上司、親、教育者が多いように感じます。

 また、結果がダメだからといって、ただ叱りつけたり、注意したりするだけでは、効果的な指導はできません。何故ダメだったのかの原因を究明しなければならないのです。やる気が足りないのか、知識が不足しているからなのか、スキルが劣っているためなのか、原因がつかめてこそ初めて正しい処方箋を与えることが出来るのです。この視点が“人事考課”の大切な部分です。

 また、人事考課の目的にはいろいろあると思うのですが、基本的には、【能力開発・人材育成】 【公正な処遇】にあります。この両者を結び付けてこそ、真価を発揮するものなので人事考課制度の運用にあたっては意識してみたいところです。人材育成を成功させるためにも、能力開発と連結できる制度を構築し、人事考課基準の明確化・考課者トレーニングによる考課能力の開発も同時に心がけていかなければならないと考えています。

 そろそろ上半期の評価の時期になってきました。原点に戻って人事考課制度の目的を案内してみました。 

《休日の社内メール自粛》

 読売新聞の記事より

 土日も仕事のメールをやりとりするため、気持ちが休まらず、ストレスをためている会社員が少なくない。きっちり休みを取らせるために、勤務時間外のメールの自粛を呼びかける企業が出てきた。無駄なメールを廃して業務を効率化するのも狙い。海外でも同様の動きがあり、『つながらない権利』として話題を呼んでいる。

 都内の不動産会社に勤める女性(31)は、『私の職場では、週末に上司から来るメールやラインの連絡に困っている人が少なくない』と話す。『すぐに対応しなくてはならないメールと、そうではないメールが混在しており、とりあえず全部読まないといけないのでストレスがたまる』こういった悩みを持つ会社員は少なくない。

 システム関発会社『電通国際情報サービス』の『BANK・R営業部』でも土日に、部員間でメールを多数送りあっていた。『出張先や自宅から、週末でもリポートを社内関係者に出すのが、習慣化していた。さらにメールが届いたら常にチェックしないといけないという不文律を、自分たちで勝手に作ってしまっていた』と部長の安広征太さん(49)。土日に受け取るメールは、一般社員でも15~20通に上がった。

 しかし昨年、人事部の勧めで働き方を営業部内で話し合ったところ、土日のメールが論点に浮上。試しに『各自の判断で緊急性のないメールを自粛』としたところ、安広さん自身、意外と困らないことが分かったという。

 『土日のメールは激減した。ちゃんとリフレッシュできるようになったからか、本来必要としていた創造的なアイデアが部員達から出てくるようになった』と喜ぶ。

※業務改善の視点で大切なことと感じました。 
 

《オリンピックも終わりました》

 8月はオリンピックが開催されて、寝不足気味の日が続きました。圧巻は女子レスリングの大活躍でしたが、私は出張先のホテルで二日間見ていました。(ライブです)

 伊調選手の4連覇は大変素晴らしいことでしたが、個人的には銀メダルに終わった吉田選手にはたくさんの感動を頂きました。昨日は、“情熱大陸”の番組で取り上げられていましたが、改めて彼女の魅力が引き出されていた感じがします。

 時々、研修の場で受講生の皆さんに質問することがあります。(北京オリンピックでのこと)
『銅メダルを取って大喜びの寺川綾さん、一方銀メダルを取って悔しがる内村航平』ですが、皆さんこれはどういうことなのでしょう?
 当時の寺川さんのインタビューでは、彼女の目標は金メダルと答えていました。

 色々な答えが返ってきますが、まず確認しておきたいことは両者目標は金メダルであったこと。

 今回、内村航平はリベンジして金メダルを手にしました。素晴らしいことだと思います。諦めない気持ちを学びました。

 最後に男子レスリングで、銀メダルを取ったのに“悔しさ”がすごく出ていた樋口選手の小学四年生の作文を一部ご案内します。

 しょう来のために今やる事・・・・・ひぐち れい

 今ぼくは十さいです。しょう来の夢はオリンピックにでてレスリングの種目で優勝することです。
 そのためには今からたくさん一生けん命に練習してがんばらないといけないと浜口さんなどを見て思います。
 今ではもっと強くなれないから一生けん命に練習して家でもふでたてふせやふっきんを・・・・・・・・。

 樋口選手の金メダルへの本気度が伝わってきますね。東京オリンピックではきっと金メダルを取ってくれるでしょう。 

《編集手帳》

 読売新聞の“編集手帳”から

 横綱双葉山の70連勝を阻んだ安芸ノ海に逸話がある。
 
 師匠(出羽海親方)はさぞかし喜んでくれるだろう。意気揚々と部屋に戻ったが、二コリともしてくれない。

 やがて師匠が言ったという。『節男(安芸ノ海の本名)、勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれよ』 相撲に限らず、むずかしい注文である。偉大な記録そのものよりも、記録を産み落とす苦しみのほうに照明のあたりがちなその人は、生けるお手本かもしれない。

 その人こそ、大リーグで3000本安打を記録したイチロー選手である。のこり二本に迫ってから、無安打が7試合続いた。

 苦しかったという。『誰にも会いたくない時があった』と、偉業を成し遂げた後の記者会見で語っている。『僕も、切れば赤い血が流れる。緑ではない』とも。打って当たり前、打たないことで騒がれる過酷な宿命を背負った人の“肉声”だろう。

 サラリーマン川柳の旧作にある《打てぬ日もあるイチローを好きになり》。あの天才にも悩める日があるのだもの、凡才の俺が落ち込むまいぞ。驀進して世を酔わせ、足踏みして世を慰める。

 希有の人である。

《スリッパ会社と作業着会社》

 “ドラッカーの実践経営哲学”から!

 投資の専門家が言っている鉄則に『スリッパに履き替える会社に投資すると儲からない』という『スリッパの法則』がある。同じく『作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない』という『作業着の法則』もある。

 スリッパに履き替えたり社長が作業着を着て内部に目を光らせている会社は、外部志向でなく内部志向だからだ。

 言うまでもないがマネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない。

 儲からないといって嘆いている企業に共通していることは、幹部が社内を歩き回ってお客(得意先)を回っていないことである。 

 お客を回る時も一人で回らずにお供を連れて回るのが特徴だ。会社はつぶれないものだと勘違いしているから、外部で起きている変化に無関心で社内に座っていたり、お供を連れてお客を回ることができるのだ。

 お供を連れてお客を回っても、お客は顔なじみの担当者の顔をたてるから、お客からホンネの話を聞き出すことはできない。私の経験では、幹部が連隊を組んでお客を回っている企業の業績は悪い。本当に強い幹部は裏口から一人で入ってくる。

 マネジメント(経営管理)の根幹は会社をつぶさないことであり、そのために自らお客をつくる活動を行うことである。お客をつくる活動を行うために社内を管理しているのである。

 売上不振の原因は、お客と話をする以外に本当の原因は分からない。そうしてはじめて不振の本当の原因をつかむことができるのである。