《ドラッカー流 リーダーシップ》

 ドラッカーは、リーダーの最大の仕事は企業内で働くすべての人々に役割を与えて、やる気を引き出して生産的にしむけることだと言っます。
 
 『企業は人なり』と言います。企業は人間の集団であり、人間よってつくられている組織ですから、発展・永続するかどうかは一にも二にも人間をやる気にさせられるか否かにかかっていると言わざるをえません。人間をやる気にさせて能力を引き出すことがリーダーの最大の仕事になるのでしょう。

 もう少し具体的にすれば、リーダーは夢を語ることが大切になるということです。“ビジョンリーダー”といった表現で伝えることが多いのですが、人間は夢と希望がなければやる気を起こしません。『笑う門には福来たる』と言われますが、何よりリーダーは周囲を明るい気持ちにさせ“情勢が暗い時でも”方向を明確に示し皆をリードすることが新のリーダーといえます。

 また、組織が永続するために【何のために存在するのか】 【存在するために何をするのか】 【何をしてはいけないのか】を分かりやすく共感を覚える言葉で伝えることができれば、社員が『自分が会社を動かしている』と感じることができるようになると思います。このような仕組みを創ることがリーダーに課せられた課題となります。

 
 

《目標管理のポイント》

 仕事でも、人生を過ごすにおいても“目標を持つこと”の重要性については実感されていることと思います。そこで、今日は【目標管理】のポイントについてふれてみます。

※ポイントⅠ
 目標の設定で大切なことは【目標の達成イメージ】を明確にすること。

※ポイントⅡ
 プロセスに関しての4つの視点
1プロセス・良い  結果・良い
2プロセス・悪い  結果・悪い
3プロセス・良い  結果・悪い
4プロセス・悪い  結果・良い
 特に3・4について検討が必要と考えます。

※ポイントⅢ
 行動が変われば結果が変わる。
 プロセス行動に着目して、プロセス行動のクオリティーを高める。

 目標達成の前にプロセス行動があります。プロセスに対して介入をしたり質問をする視点を持ちましょう。

  

《中小の新卒採用・厳しい夏》

 来春卒業予定の大学生らを対象にした、中小企業の採用活動が本格化しています。

 人手不足に直面している中小企業の多くは、例年以上に採用に力が入っていますが、『売り手市場』の雇用環境を背景に中小企業の求人とのミスマッチが広がっています。

※読売新聞の記事から

【求人数と就職希望者のミスマッチ】
 《社 員 数》  《求 人 数》  《就職希望数》
 5千人 人以上   4万9千人    8万3千人 
 1千人~5千人  12万8千人   11万5千人
 3百人~1千人  14万7千人   12万5千人
 3百人以下    40万9千人    9万8千人

 大手の企業にエントリーする新卒者の傾向が見て取れますね。

 中小企業として何か“人事戦略”を考えないといけない時代になりました。 

 

 

《マニュアルのあり方》

 マニュアルを作りさえすれば、業務改善が進んだり業務効率が良くなるのではないか?と考える人がいると思いますが、この点について考えてみたいと思います。

 一般にマニュアルは二種類に大別できます。一つは、皆が忠実に守るべきルールをまとめたものです。マナー・サービス・接客マニュアルになると思います。

 もう一つは、各人の工夫をしたもので、要するに『マニュアルに記載されていることを規範としつつも、それに各自が工夫をして行動する』といったものです。この場合は『マニュアル通りにする』のではなく、『マニュアルをもとに工夫する』ことになるわけです。

 前者のマニュアルを作るか後者のマニュアルを作るかが、『それしかできない社員』を育てるか『自発的な社員』を育てるかの分かれ道になります。

 問題が発生した時に前者のマニュアルを導入していると『マニュアルどおりにやっておけば間違いはなかった』『マニュアルに書いてないことはやるべきじゃなかった』という危険回避になってしまいますが、後者のマニュアルを導入すれば、『マニュアルにはこう書いてある。しかしこのようにしたら、より効率的なことがわかった』『マニュアルよりも、もっといい方法があるはずだ』といったように自分で考えて行動する癖がつきます。

 スターバックスでは、接客マニュアルを廃止したと聞きました。マニュアル化に対しては、いろんな角度から検討してみる時期かもしれません。 

 

《個別面接の効果》

 私自身も顧問先の個別面接をお手伝いする機会があります。先日も、300名規模の企業の役員の方々に個別面接の提案をさせていただきましたところ、担当役員4名で各事業所ごとに役割分担をして、6月~7月上旬にかけて実施していただきました。昨日、人事プロジェクト会議の場で、各担当役員から報告と感想を頂戴しました。

 ヒヤリングシートを活用して行いますが、現場の雰囲気や指示命令系統の確認、業務の偏り等色々な発見があったようです。規模が徐々に大きくなってくると現場の第一線で起きていることがトップに伝わらなくなってきます。また、意識的か無意識的なのかはわかりませんが、ボトムアップで下から上がってくる提案・トラブル・不満が中間管理層でストップしているといったことも現実として起きています。

 下からの報告を待つだけでなく、たまには上の者が下に降りて行って話を聞いてみることが大切なことだと強く感じています。

 8月・9月とお客様の個別面談のお手伝いが控えています。皆様の会社でも是非個別面談を試してみてください。

 

《忙しい・忙しい病》

 あなたの周囲に“忙しい、忙しい”を連発する人はいませんか!

 こういう人を見ているせいか、私たちは無意識のうちに【忙しいそう=仕事が出来る人】というイメージを作り上げています。

 すると、忙しさを前面に出して仕事が出来る人を演出しようとする人が表れてくるのも当然の結果です。口癖は『忙しい、忙しい』ですが、本当に仕事の出来る人はこのようなことを自分から言うことは、まずありません。

 むしろ訪ねられてきた人から、『相変わらずお忙しそうですね』等と声をかけられると、『そんなでもありません。今ならお話を伺えますよ』等と答えるものです。

 仕事が出来るということを演出したい人は、誰もそう思ってくれていないから、自分で『忙しい、忙しい』と言わなければならなくなります。言うだけでなく、体も忙しそうに動かしています。まるで忙しそうにすることが癖になっているように・・・・・・。

 逆に忙しそうに動いていても、仕事が出来る人の動きには無駄がありません。頭の中で今何をすべきかといった優先順位がハッキリと見えているから動きに無駄がなく、テキパキしています。

 まずは、『忙しい、忙しい』という口癖から矯正していきましょう。言霊というように、言葉には力があります。意識して使いましょう。

《見える化を考える》

 最近“見える化”について考えています。10年以上前に“可視化”という言葉を使って社内研修を実施するため色々と学習をしました。当時の資料を改めて確認すると“見える化”ではなくて【見せる化】であることに気がつきました。見せるための工夫とか意図が大切であるということを教えてくれています。

 頭の体操の著者“多湖 輝”の本に興味深い記述がありましたので、ご案内します。

 好奇心さえあれば見えないものを見ることができる。例えば街頭で人だかりがしていれば『なんだろう』と興味をそそられる。これが好奇心だ。
 
 近づいていくと若い人が集まっていて、中で一人のミュージシャンがギターを弾きながら歌っている。

 私には若い人の歌はよくわからないが『大勢の人を引き付ける魅力があるのだろう』と想像がつく。

 ストリート・ミュージシャンというのだそうだが、集まる人の数によってミュージシャンの実力をうかがい知ることができる。つまり人だかりの多さという目に見えるもので、ミュージシャンの実力という見えないものを推し測ったわけだ。

 もう一つ同じような例を出せば、街を歩いていてラーメン屋さんの前に行列ができているのを見れば『わざわざ並んでまで食べたいほど美味しい味のラーメンなのだろう』とわかるだろう。

 このときは、ラーメンの味という見えないものを、行列の長さという目に見えるものに置き換えて見ていることになる。

《3つに絞る》

 選択の科学の著者シーナ・アイエンガー博士は、興味深い“ジャムの販売実験”を行っています。同じデパート・同じ時間帯・同じメーカーのジャムを使用しての実験ですが、一つは23種類のジャムを用意し、もう一方は6種類のジャムでの試食販売です。結果的に、6種類のジャムを試食品として提供したほうが販売成績が良かったということです。(それもかなりの大差で!)私の感覚ではたくさんの選択肢があったほうが売れると思っていたので、この実験結果には驚かされました。

 最近読んだ記事に、今日のテーマにしている“3つに絞る”という内容のものがありましたので、ご案内をします。

 自分で自分の首を絞める場合もあります。最大の要因は、多くの責任を背負いすぎてしまうことです。無理をすると、いずれ収拾がつかなくなります。人生は魅力的な可能性の載ったトレイがズラリと並んでいる大きなビュッフェのようなものですが、欲張って自分の皿にあれもこれも載せてしまうと、消化不良になるのがオチです。本物のビュッフェと同じで、人生でもすべてを平らげてしまうことはできますが、いっぺんにはできません。
 
 ひとつのやり方として、生活の変化とともに優先順位は変わると自覚したうえで、そのときどきで三つの優先順位を決める方法があります。この考え方は、目新しいわけではありません。じつは、アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として【三つのルール】を活用しています。長年、試行錯誤を繰り返した末に、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることを発見しました。

 その結果、軍事システム全体がこの点を反映するように設計されているのです。中隊長は三人の小隊長を束ね、小隊長は三人の分隊長を束ね、分隊長は三人の班長を束ねます。陸軍では『4つのルール』を試みましたが、効率は目に見えて落ちたそうです。

 日本でも『3』という数字はよく使れています。【アベノミクス3本の矢】【日本三景】【うまい・はやい・やすい】等々・・・・・。

 “あれもこれも”と欲張らずに、絞り込むことの大切さを教えてくれているような気がします。

 

《言葉を考察》

 ある事例です。

 ゴルフのコンペから帰ってきた部下が、『今日は何度かミスをしてしまい、せっかくの優勝のチャンスを逃してしまいました。せっかくアドバイスをもらったのに』としょげかえっています。

 あれっ!と思い、『誰がアドバイスをくれたの?』と聞いたところ・・・・・ 『もちろん優勝した男ですよ。右はバンカーだぞ、打ち込むなよって、三度も注意してくれました』

 人の良い彼には失礼ですが、思わず笑ってしまいました。気の毒に彼は、優勝者の仕掛けたワナに見事にはまってしまったのです。

 人は、『ミスをしてはいけない、とイメージすると緊張して』かえってミスをしてしまうものです。『ミスをするなよ』というアドバイスの裏には、『ミスをしろよ』という意図が隠されていたのです。

 ヨチヨチ歩きの子供に、親は『転ばないで!』と声をかけることがあります。もちろんこれはワナではありませんが、『転ぶなよ』と声をかけられた子供は、無意識に【転んでいる自分をイメージ】してしまい、実際に転んでしまうということが起きてしまいます。

 ポイントは、起きてほしくないことを言葉にするのではなくて、【起きてほしいことを言葉にする】ことです。

 

《個別面談の進め方》

し 弊社では、トップによる定期的な“個別面談”をお勧めしています。規模の大小に限らず第一線の現場とトップとの間に乖離があり、トップが第一線で起きている問題やクレームといったようなことを把握していないことから、様々なトラブルに巻き込まれるといったことが起きています。そのようなことを防ぐためにも個別面談を是非実施してみてください。

 そこで、面接の際に使用している【業務の調査票】の内容をご案内します。
1 あなたの担当している業務内容で重要度の高い順に3つ書いてください

2 担当業務に、やりがいや達成感を感じますか

3 競合他社に比べて、当社の優れている点、劣っている点

4 お客様からの要望・苦情にはどのようなものがありますか

5 よりよい会社となるために改善すべき点は

6 あいさつや3Sは徹底されていますか

7 やってみたい業務や異動等の希望があれば書いてください 

 この程度の質問に回答して頂くだけで、現場で起きている情報がたくさん入ってくるようです。