《教えないマネジメント》

 かつての日本式人材育成では『教えないマネジメント』が主流でした。

 いわゆる『知識や技術は上司や先輩から盗むもの』『背中を見て覚えろ』というスタイルです。仕事というものは、手取り足取り教えず見よう見まねで試行錯誤しながな学ばせる、泥くさいものという考え方が一般的だったのです。

 しかし、現在では《教えないマネジメント》は限界にきています。一人ひとりに求められる知識やスキルが高度化しているから《教えないマネジメント》を続けていると、企業は早晩衰退していくことになるでしょう。新入社員が負担を感じ定着しなかったり、社員が突然辞めてしまうといった事態が起きかねないのです。

 そのでリーダーが着手すべきは、従来型の《教えないマネジメント》から《教えるマネジメント》への転換です。細かい仕事をきちんと教えて、メンバーにいち早く基本を身につけてもらうのです。

 大切なことは、メンバーに基本的なことで悩ませるのではなくて、もっと高いレベルのことで悩んでもらうことです。基本をしっかり叩き込めば、早く次の段階に進むことができます。それが活力ある組織を創る早道なのです。

 やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ ・・・・ 山本五十六の名言です。

《個人力からチーム力へ》

 チームとしての業績・成果が問われるようになって随分となりますが、今一度考えてみたいと思います。

 私が就職した当時(1980年代)は、個人の能力を高めるための教育と評価が主だったように感じます。時代背景としては、オイルショックが落ち着いてバブルに向かっていった頃で、勢いがあったように思います。

 その後、バブルがはじけて世の中は少しネガティブな時代になり、個々のがんばりだけでは、なかなか業績・成果が出にくくなりました。そこで個人からチームへのシフトが各企業で起き始め、それに伴い人事制度もチーム力を高めるものに変化し、給与体系・人事評価・目標管理等の修正がおきました。

 チーム力を高めるために大きな影響力を持つ存在は、【チームリーダー】です。リーダーシップが重要になるため、弊社でもここ20年位中小企業のリーダー研修を数多く実施してきました。

 ポイントは【個々人の長所に着目すること】【チーム目標を明確に示すこと】【参加型のチーム管理にすること】等でしょうか!

 従来の励まし型マネジメント、『頑張れ』『俺についてこい』『相談にのるよ』的な手法が通用しなくなりました。

 今一度、わが社のマネジメントスタイルの確認が必要かもしれません。

《職人型人材育成》

 お伺いした企業で時々見かけるタイプの上司がおります。

 『師匠の背中を見て学べ』 『技術は盗むものだ』という人たちです。確かにこの世代の方々は、上司の背中から学んだということも事実なのだと思います。ただ、これで通用した時代は終わってしまいました。それは時代のスピードが遅かった時代です。

 昔は、多くの社員が上司の背中を見て育ちました。
 でも、そんな悠長なことをやっていられないのが今の時代です。テンポが違いすぎます。

【人に何かものを教えるときに、背中で教えていたのでは遅いのです】
 
 嫌われても、言うべきところは言い、叱るべきところは叱り、厳しいことを言わなければいけないときは厳しいことを言うのです。背中で教えるのんびりした時代ではもうないということです。

 上司は常に現実をしっかり見つめながら、『われわれの若いころは』『われわれが新入社員のころは』『20代のころは』という発言に気をつけましょう。それは、今の時代に合っていないのです。

 『背中を見て学べ』では、遅すぎです。部下が早く成長できるように努力してください。

《やる気を起こすには》

 職場の教養より

 進むべき道筋であるビジョンを示し、その目的を共有している組織は強いといわれます。会社においては、経営者、幹部社員、そして社員が三位一体となって、やる気を出して取り組まなければ生き残れない時代です。

 やる気を起こすカギは《あなたの為なら一肌脱ごう》という気持ちを起こさせることです。もし人に何かを望むなら、まず自分から、相手の望むものを与えることは人間関係の法則です。

 例えば、相手に対して『もう少し自分に愛情と思いやりを持ってくれれば、もっと自分も優しくできるのに』というのは、人間関係の法則が逆転しています。

 言い換えれば『相手が自分の望みをかなえるまで、自分は相手の望みをかなえない』と言っているのと同じことだからです。

 まず、自分から先に、相手の希望を満たしてあげたいものです。こちらから先に与えれば、相手も喜んであなたに与えようという気になるものです。

 職場の仲間の良さを確認し、言葉や行動で伝えていきましょう。
 

《新年明けましておめでとうございます》

 新年明けましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願い致します。

 28年もスタートして早くも五日目になりました。ウカウカしていると春になり、暑い夏を迎え、いつの間にか秋になってしまった、というようなことになりませんように1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。

 【一年の計は元旦にあり】といいます。まずは本年の目標設定をしてみませんか。
 3つのポイントを意識して設定しましょう。
◎肯定的(ポジティブ)な言葉を使いましょう。
◎挑戦的な目標にしましょう。
◎具体的・明確な目標にしましょう。

 今年は、あなたにとって素晴らしい年になることを御祈念致します。 

《新年に向けての目標設定ポイント》

 今年ももう少しですね。今日は、新年の目標設定のポイントについて確認してみたいと思います。

 目標を設定したのに、“達成できる人” “達成できない人”がいますが、どうしてだと思いますか?
 その原因が【目標設定の方法】にあるかもしれません。

※目標がネガティブな設定になっていませんか? 
 目標の設定にあたっては、ネガティブなマイナスのエネルギーではなくて、ポジティブなプラスのエネルギーを使うことが重要です。
 例えば、
 『負けたくない』ではなくて、『勝ちたい』といったような表現です。
 『けんかをしない』⇒『仲よくする』
 『散らかさない』⇒『きれいにする』
 別な言い方をすれば、【否定的な言葉】ではなくて、【肯定的な言葉】による目標設定が望ましいということです。

 否定的な表現を《脳》は、次のように認識してしまいます。
 負ける+ない
 けんかする+ない
 散らかす+ない
 
 つまり、あなたが選ぶ言葉が『否定語』であったなら、先に《ネガティブな自分》をイメージしてしまいます。《負けた自分》《けんかしている自分》《散らかった状態》・・・・・。人は、イメージで行動しています。イメージしたことを実現していきます。結果的に実現したくないものを実現してしまうということが起きます。

 実現したい事を、肯定的な言葉を使って目標設定してみてください。 きっと上手くいきます。

《繁盛店》

 先日、十数年前に会社の設立から店の移転を含めての経営指導をやらせて頂きましたレストランで久しぶりにランチを楽しんできました。

 10年ぶり位でしたので、私のこと分かるかな?と思いながら入店しましたが、分かったらしくて声を掛けていただきました。

 時々テレビで特集されたりしていますが、放送日の週末は大行列が出来たりする《繁盛店》です。私が伺った日も11時半頃だったのですが、お客様はいっぱいでした。食後コーヒーをご馳走になりながら社長と少し話をしたのですが、色々と考えさせられることがありました。

 お店は30年以上の歴史があって、現在は2代目の育成が確実に進んでいてそろそろバトンを渡せる状況なのかな!と感じました。
 社長の話の中に
 『最近忙しくなってきて!』というものがありました。
 “えっ、以前から大繁盛だったじゃないの!”というのが私の率直な感想だったのですが、そのまま帰りました。

 帰ってから【社長のイメージしている繁盛店と私のイメージしている繁盛店】のレベルが違うことに気付きました。満足することなく、常に高い志を持って仕事をしている姿勢にちょっと感動しました。

 “継続は力なり”は、私の好きな言葉ですが、努力したことの結果は裏切ることなく何時か訪れるものだな!と感じさせてもらえた瞬間でした。

《モデル賃金と昇格》

 給与体系をデザインする際には、通常【モデル賃金】を計算して提示します。一般的には【Aモデル賃金】【Bモデル賃金】【Cモデル賃金】といったように、成績別モデル賃金になります。

 例えば、大卒22歳で入社して成績Aを取り続ける場合の、あるいは成績Bを取り続ける場合の年齢別の仮説賃金モデルということになるのでしょう。この場合には、各等級における最短滞留年数を設定して昇格スピードをコントロールしていきます。成績Aの場合には最短滞留年数を2年、Bの場合には3年というように成績が落ちるに従って最短滞留年数は逆に長くなっていきます。

 もう一つは、昇給号数のコントロールをすることになります。成績Aの場合には6号昇給、成績Cの場合には3号昇給といった具合にです。従って成績の優れているAモデルの場合には昇給金額も多くなりますし、昇格のスピードも速くなりますから、それに伴って年齢別のモデル賃金もBモデル・Cモデルと比較して大きなものになります。

 あくまでも、これはモデル賃金を描く場合の考え方であり実務運用面では、【等級適正】【経験年数】【人事考課の結果】を総合的に勘案して昇格・昇進を実施していくことが望ましいと考えます。

《人事考課の要素》

 今日は、人事考課の評価基準となる実績評価と能力評価の評価要素の確認をしたいと思います。

【成果実績】
 1 目標達成度
 2 量的実績
 3 質的実績
 4 チャレンジP
 5 業績貢献度
【取組姿勢】
 1 規律態度
 2 協調性
 3 積極性
 4 責任感
 5 報連相
【能  力】
 1 実務知識
 2 理解力
 3 判断力
 4 技 術 
 5 企画力
 6 交渉力
 7 指導力
 8 判断決断力
 9 企画立案力
10 折衝渉外力
11 指導統率力

 以上のような要素を基準に、各等級ごとにウエイト調整をして人事考課に臨むことになりますが、絶対評価の視点・相対評価の視点と課題が残ります。

《賞与の時期になりました》

 師走に入り人事的には《冬期賞与》季節になりましたが、皆様のところではどのようにして賞与の金額を決定しているのでしょうか!今日は賃金総研グループでの賞与計算方法について書いてみたいと思います。

 賞与は通常年に2回、会社のその期の業績や社員の業務の実績等を考慮してまず支給総額を決定します。支店ごとやチームごとに支給総額をコントロールする場合もあります。

 そして、これを安定支給部分たる(基本給比例分)と刺激給要素を持った(成績比例分)とに分けて支給します。その際には、【基本給比例分】と【成績比例分】の割合を50% 50%でスタートをするのがよろしいかと思います。ただし、管理職の場合や決算賞与を支給する場合には【成績比例分100%】とするのがよいでしょう。

 次に、これらの配分比率を決定した後に成績別配転表により個別決定を行います。

 成績別配転表は、弊社ホームページの資料編にアップしてありますので、ご参照していただければ幸いです。