《通信簿》

 通信簿に詳しい鳥取大の山根俊喜教授によると、通信簿は学校が児童生徒の学習状況などを家庭に伝える連絡手段として1890年前後から普及した。『通知表』『通信箋』などとも呼ばれ、戦前は【甲・乙・丙・丁】の4段階、国民学校では【優・良・可】が主流だった。

 その後、高度成長にかけて数字の5段階評価などが広く使われるようになる。だが、『数字が並ぶだけでは、学力の具体的な状況が分かりにくい』との批判があり、1970年代以降は各教科を数字で評価するだけでなく、【関心・意欲・理解力】といった観点別に、『よくできる』『できる』『もう少し』などの言葉で評価する方式が小学校を中心に広まった。

 2000年代に入ると、小学校の7割は観点別の評価だけを行い、中学校では観点別と数字による教科の評価を併せて行う方式が多くなった。名称は『あゆみ』など親しみやすい呼び方が定着した。

 『最近は、欠点ではなく良い点や進歩した点を強調する傾向にある』と、教育調査研究所の小島宏さんは話す。

 読売新聞の記事からご案内をしましたが、人事考課の参考になるような内容もありますね!

《みんな頑張ったという悪平等》

 『みんな頑張ったよね』というあいまいな評価しか下さないシステム。つまりエースとして頑張った人も褒めなければ、縁の下の力持ちとして頑張っている人も褒めず、皆の努力に“ただ乗り”していた人、足を引っ張っていた人までも含めて『みんな頑張った』と言ってまとめることが良いことであるかのような雰囲気ができあがっていく組織があります。

 『みんなよく頑張りました』ということを強調する組織の究極の姿は、表彰も叱責もできるだけ避けようとする姿勢が蔓延しているように感じます。長期雇用の組織では、ずっと一緒に仕事をしていくので、仕事の成果よりも人間関係の配慮が意識されすぎるきらいがあります。だから、誰かが良い仕事をしても『あまり褒めてしまうと、褒められなかった人ががっかりする。褒められなかった人の気持ちを考えるべきだ』といった弱者に対する配慮が強く出てしまうのかもしれません。まるで、小学校の運動会で順位をつけない光景をみるようです。

 企業はなんといっても経済組織体ですから、社員のため・株主のため・社会のため利益を上げなければなりません。その利益という目標に貢献する人々を、一番から順番にすべて並べるとまでは言いませんが、ある程度きちんと評価する必要があると考えます。

《人事の目》

 『非効率でも大切なこと』を

 “スターバックスコーヒージャパン”は、米シアトルを発祥とするコーヒーショップチェーンの日本法人です。今年5月、鳥取県内に初の店舗を開設し、国内の全都道府県に出店を果たしました。

 チェーンですが、店にはサービスに関する【マニュアルがありません】。当社は『人と人とのつながりを大切に』『自分の居場所のように感じてもらう』などを使命(ミッション)とし、これに従って、各店の従業員が話し合って何をすればよいか考え行動します。

 新入社員は入社後、全国各地の店舗に、店長の補佐役として配属されます。3年程度で店長になり、その後1~2年の経験を積むと、商品開発や販売戦略などを行う本社勤務の社内公募に応募できる資格を得ます。

 採用選考で力を入れるのが、特定のテーマについて集団で討論してもらうグループディスカッションです。人の声に耳を傾け、新たな発見や気づきが得られる人は、成長の伸びしろがあるとして評価します。

 鳥取に進出した時、メディアには大きく取り上げられました。でも、社内では進出を喜ぶより、店舗の前で長時間待っていただいたお客様のために、試飲のアイスコーヒーを配ったり、日よけを作ったりして、大変な思いを少しでも和らげる配慮ができたことに満足しました。

 従業員は、非効率でも大切だと思えることに時間を割こうという考え方を持っています。そんな価値観を共有できる人達と一緒に働きたいと思っています。

 人材開発部長 久保田美紀さんの談

 データ 
 ≪新卒採用 2015年  男15人  女26人≫
 ≪3年以内離職率 3.8%≫
 ≪平均勤続年数 男7年7ケ月  女5年1ケ月≫

《マイナンバー制度》

 最近は、《マイナンバー制度》導入の記事が目につきます。セミナーも各地で開催されているようですね。

 私が現在把握している内容をコンパクトにまとめてみます。

※27年度10月以降マイナンバー通知カードが住民票の住所地に簡易書留で各市町村から送付される
※28年1月以降の雇用保険手続き 税務関係手続きにマイナンバーの記載が必要になる 
※29年1月以降の健康保険・厚生年金手続きにマイナンバーの記載が必要になる
※企業としては28年中に社員からマイナンバーの入手が必要になる

 マイナンバーを入手するにあたって
《本人確認》
《特定個人情報取扱規程》
《情報漏えい防止対策》等必要

 報酬等の支払調書・不動産支払調書等にもマイナンバーの記載が必要になるようです。≪本人確認とマイナンバーの入手≫に多少の手間暇が増えそうです。

 尚、28年1月以降各市町村で、本人が申請をすることによって≪通知カード≫から≪個人番号カード≫に切り替えることが出来ます。初回は無料のようですが、写真入りで本人確認も≪個人番号カード≫で出来るというメリットがあります。
 

《経営計画の策定》

 弊社で提供している《経営計画》は、小さな会社向けにパソコンを使用して一日程度で策定できるものです。決算が確定した時点で、新年度の計画を実績を考慮しながら積上げていきますが、計画する項目は次のようなものです。

※計画の項目
①売上計画 ②売掛回収計画 ③原価計画 ④買掛支払計画 ⑤人件費計画 ⑥経費計画 ⑦設備投資計画 ⑧借入計画 ⑨その他・・・といった項目の順に策定していきます。目的にしていることは≪一年先の予想利益≫と≪向こう一年間の月別の予測資金繰り≫を把握することです。計画段階で予想利益が赤字になったり、予測資金繰りがマイナスになったりした場合には、何度か修正を加えていきますが、そこでは正確さを求めるものではなくて、経営者の納得感だったり目標として機能するのかを重要視します。

 策定した経営計画は使い込むことが大事になるわけですが、まずは毎月試算表が出来た段階での予実比較の作業です。計画通りに進んでいるのか?未達成の場合にはどのようにして不足を埋めるのか!検討しなければなりません。ショートタイムチェックのマネジメントが求められているのです。

 コーチングでは“思考が現実化する”とか“人は目的志向な生きものだ”といいますが、経営計画という手法を使い目標を設定し管理・運用することは企業の発展に大いに役立つと実感しています。

 経営計画を運用して頂き、ここ数年で売上2.5倍 利益5倍を実現した建設業者、計画して半年で前年比20%増の売上を達成した飲食店と効果は確実に出ています。

 経営管理の一つの方法として《経営計画》は有効です。 

 

《コア・トランスフォーメーション》

 今話題のNLPから《コア・トランスフォーメーション》の基本ステップを御案内します。
※コア・トラとは、自分のコア(中心)の部分を変革するということです。

1取組むパートを選ぶ
 あなたが改善したい、好ましくないと思っている感情や反応、行動を選びます。
 (初めて行う場合や練習の際には、程度の軽いものから扱います)

2どこで、いつ、誰が
 1で選択したパート(部分)が現れるのはどこですが、いつですか、誰といるときなのかを書きとめます。

3実際に起きた時のことを考えます。そして、嫌だと思う行動、感情、反応をするときの気持ちになってみます。
 
4リラックスして内面に意識を向ける
 目を閉じ、リラックスできる環境に身を置き、あなたの内面に向かいます。

5その出来事を再体験する
 あなたの改善したい行動、感情、反応が起きた実際の場面に入り再び体験します。
 あなた自身の目で見て、あなた自身の耳で聞き、あなた自身の感情を感じます。

6反応が始まるのに気づく
 その行動、感情、反応が始まると、あなたの内面で何が起きるでしょうか。好ましくない行動、感情、反応に伴って生じてくるイメージや音、感情に気づくようにしていきます。

7そのパートをつきとめる、歓迎する
 そのパートがどこに『生きて』いるのかを感じられるようになります。例えば、身体の中で強くその感情を感じる部分があったり、内側からの声のように感じ取ったり、空間にイメージのように見えるかもしれません。そして、そのパートを意識の中にゆっくり迎え入れましょう。
 こうすることで、あなたがそのパートを認め、歓迎することが容易になります。

8そのパートに感謝する
 このパートがあなたの為を思っているとは知らなくても、何らかのポジティプな目的を持っているらしいと考えることはできます。
 このパートの存在に対して、それがあなたに有益なことを願ってベストを尽くしていたことについて感謝しましょう。

9目的を尋ねる
 そのパートへ、『~~をすることで、私の為に何を望んだのですか?』と問いかけて、答えが返ってくるまで待ちましょう。
 あせらずに、答えが返ってくるまでじっくり待ちましょう。

10答えに感謝する
 答えが返ってきたら、答えてくれたことに感謝しましょう。

 以上のステップを辿ることで、あなたは嫌だと思っている感情や行動、反応であっても、自分が納得できるポジティブな目的があることを知ることができるようになるのです。そして、感情・行動・反応に対して以前よりも穏やかな気持ちが持てるように変化していくのです。

 

《銀座のママさんの人材育成》

 ナカナカ参考になります。

 働く年数が増えてくると、だんだんと人に教える機会が増えてきます。
 
 『どうしたらもっと上手に教えられるんだろう』といろんな本を読むようになったのですが、どの本を読んでみても『部下を伸ばすためにはとにかく褒めること』という内容が多いのです。
 
 ただ、精神的にも若かった私は『こんなの無理だよ。褒めるところがない子も褒めなきゃいけないってことなの?』と友人にグチをこばしたことがあります。
 
 すると友人は『褒めなくていい。認めればいいんだよ。例えば≪笑顔であいさつ出来るようになったね!≫って事実を口にするだけでいいんだよ』とアドバイスをくれました。

 無理にいいところを見つけてベタ褒めするのではなく、『仕事を休まない』 『必ず時間を守る』と、出来ているところを認めるようにしました。

 今でもそのスタンスは変わりませんが、人とのコミュニケーションを取るには、そうして相手のことを認めることが大前提なのだと思います。

 “銀座の教え”という本のなかの一節ですが、私も共感しました。≪事実を認めること≫が大切なのだと思います。

 

《人事考課制度》

 組織を運営していくうえでは≪人事考課・評価≫は必要な制度であると考えていますが、日本生産性本部の最近の記事“新入社員の 春の意識調査”によると、ちょっと頭を抱えたくなるような結果でした。

 質問の内容は?

 “自分自身が希望する職場の給与体系は?”
 ≪年功序列型≫それとも≪能力主義型≫どちらを望みますか!

 それに対する全国の新社会人(会社員・公務員)200人の回答結果は次のようになっています。
※年功序列型・・・51%
※能力主義型・・・25%

 弊社では、仕事給の賃金体系を提案していますが、運用にあたっては《人事考課・評価》を大切にしています。何故なら仕事給の賃金体系においては、職務遂行能力・役割・業績等を適正に評価して昇給・昇格・昇進・賞与・教育・配属等に反映することになるからです。人事考課制度の運用によって、自分が求められている能力・期待されている役割・業績等が明確になります。社員一人ひとりの目的がハッキリすることで、結果的に活力ある組織が創造されることにつながると考えています。

 能力・役割・業績よりも≪年齢・経験≫を重視した賃金体系に問題があることに多くの方々は賛同してくれるものと思いますが、最近の若者たちの意識が変化してきているということは、事実として受け止めないといけないのでしょうね!

《セルフイメージと自信》

 セルフイメージとは“自分自身に対して、心の深い部分でどんなイメージを持っているか”ということですが、私たちの日常生活の様々な場面で恐ろしいくらいに影響をあたえています。

 例えば、『自分は、仕事で成功するタイプの人間だ。自分は運がいい』といった、ポジティブで高いセルフイメージを持っている人は、このような考えのもと、高い能力を発揮し、自信を持って望ましい結果を得ているケースが多いと考えます。

 これとは反対に、『自分はいつも上手くいかないタイプなんだよなー』というセルフイメージ(思い込み)を持っていたとしたら、そのような考えのもと、自信なさげに行動し能力も発揮されていないのではないでしょうか。

 セルフイメージを形成するプロセスには二つあります。一つは『他者評価』による影響力。もう一つは『自己評価』です。

 自己評価の中に生きている人たちは、周りの人がいくら認めても自分で認められなければ自信を持ちません。逆に他人に認められなくても、自分で正しいと思えることに自信を持っています。

 他者評価に一喜一憂している状態では、本当の意味で自信を獲得したとは言えないと思います。もちろん、自分が『よくない』と思っていても、周りの人から『すばらしい』と認められて『そうなんだ』と思える。そして、それが自信につながる。そういった段階もあると思います。

 しかし、最終的に大事なのは自分がどう感じるか、どう解釈するか。人が決めた現実ではなく、自分が現実をつくりだすことだと思います。

 セルフイメージは、自分自身で身につけたものです。だから、後から自分で変えられます。

《スコトマ・盲点》

 毎月ダスキンさんの“喜びのタネまき新聞”を楽しく読ませて頂いてますが、今月号も共感する内容でしたので、ご紹介します。
 
≪見え方・感じ方≫
 
 同じ話を聞いていても感じ方や見え方は人それぞれに異なり、街を歩いていて同じ道でも行きと帰りとは景色が違ってきます。

 先日、学生時代の先輩が知人から新しい仕事の取り組みについて話を聞いたそうです。先輩は『魅力を感じなかったので自分は何とも思わなかったが、一緒に聞いていた友人はすぐにその仕事に取り組み、大きな成果を出した』と言い『同じ話を聞いていても感じ方が違う』と話していました。

 日々の生活の中でテレビや新聞などから情報が入り、また街を歩いていても何気なく見ている風景から様々なことを感じます。しかし、その見聞きした情報などを活かす機会は少なく、ほとんど変わりなく過ごしているように感じます。同じものでも見ている位置によって見え方が異なるのと同じように、同じ話でも置かれている立場によって感じ方が違ってくるのではないでしょうか。

 私も仕事においては一方向からだけではなく、様々な視点で物事を見聞きして考え行動するように心がけていますが、仕事を離れるとつい同じ行動パターンを繰り返しているように思います。休みの日でも、いつもと違った方向から考え行動することで視野が広まり、様々な感じ方ができれば新たな発想や発見ができるのではないかと思います。
 
 ダスキン社長 山村輝治
 
 タイトルの“スコトマ”とは、ギリシャ語なのですが、直訳をすれば“盲点”ということになります。もう少し平易な言葉を使えば『思い込み・信じ込み・決めつけ・固定観念』ということになるでしょう。私たちの日常生活で色々なスコトマがきっと存在しているのだと思います。