《約束を守る》

 船井幸雄氏の本より

 船井は、今までの40年間に約束を破ったことは、7回しかないと言います。そのうちの4回は約束の時間に遅れたことだそうですが、その遅れた時間も、5分以内のことだったそうです。ちなみに後の3回は、講演を依頼された日に、お母様が亡くなって葬式の喪主を務めた時と、体調不良で一切声がでなくなってしまったときが2回ほどあった時のことです。

 現在は、携帯電話が普及し、ひと昔前までには考えられないくらいに便利な世の中となりました。

 しかし、その弊害として、携帯電話があるから約束の時間を守らなくても良い、というような認識ができてしまっててるように思います。

 こだわらずに生きる、という船井の哲学を少し聞くだけでは、彼は自由奔放に生きているように誤解してしまいますが、船井は決めた約束や決まりごとは必ず守るという特性を持っています。

 約束を完璧に守るということは簡単なことで難しい。

 船井の魅力の秘訣は、その約束を必ず守るということから発生する絶対的な信頼性からも来ているように思います。

 ひとひひとつ、自分で決めた簡単な約束でもいい。

 まずは、『朝何時に起きる』というところから、約束を守ることをはじめてみませんか!

 船井幸雄氏の秘書  兒玉裕子さんのコメントです

《片づけのコツ伝授》

 新聞にタイトルの“片づけのコツ伝授”の記事が掲載されていました。こんまり先生の本がミリオンセラーになったりと、ブームが到来なのでしょうか!

 読売新聞の記事より

 片づけや収納が楽にできる仕組み作りについて学ぶチャリティーイベント『ライフオーガナイズ もっと心地いい暮らし方』が、5月30日まで各地で開催される。

 主催は、片づけのプロを養成している『日本ライフオ―ガナイザー協会』(大阪市)。衣替えなど片付けや整理に適したこの時期に、プロの手法や考え方を広く紹介しようと企画した。

 東京都中央区の日本橋公会堂では22日午前10時から“子供と暮らすラクに片づく部屋づくり”の著者・宇高有香さんが『ママ・妻として私ができること』をテーマに話す。親が暮らす家を片づける【親片術】や、持ち物を徐々に減らしていく『ダウンサイジング』に関する講演などもある。

 ほかに名古屋市や福岡県春日市など3都市でも片づけのプロによる講演会やパネルディスカッションが予定されている。いずれの会場も参加費3千円。

 当たり前のことが出来なくなっているのでしょうか・・・・!

《イエスセット》

 コミュニケーションスキルの中に、“イエスを積み上げる”イエスセットという方法があります。
 天候のように、誰もがわかっていて“イエス”と言うところから話を切り出して、さりげない質問をすることがスタートラインになります。頻繁に会えるようになれば、その良い関係がイエスを押し上げてくれます。
 “前回の合意の確認”を行い、イエスと言えるところから始めることも、イエスを継続させるための有効な方法です。

 D・カーネギーの本『人を動かす』の中にも次のように紹介されています。
 オ―ヴァストリート教授はこういっている
 『相手にいったん、ノーと言わせると、それを引っ込めさせるのは、なかなか容易なことではない。ノ―と言った以上、それをひるがえすのは、自尊心が許さない。ノ―と言ってしまって、後悔する場合もあるかも知れないが、たとえそうなっても、自尊心を傷つけるわけにはいかない。言い出した以上、あくまでもそれを固執する。だから、初めから“イエス”と言わせる方向に話を持っていくことが、非常に大切なのだ』

 話し上手な人は、まず相手に何度も“イエス”と言わせておく。すると、相手の心理は肯定的な方向へ動き始める。これはちょうど、玉突きの玉がある方向へ転がりだしたようなもので、その方向をそらせるには、かなりの力がいる。反対の方向にはね返すためには、それよりもはるかに大きな力がいる。

 イエスセット、逆はノーセットになりますね。

《組織活動》

 弊社のお客様は、社員数1名~数百名規模までで業種も様々です。社員数3・40名規模であれば、しっかりした“戦略”と“計画”を策定して丁寧に経営を行っていけば安定した事業運営が可能と考えます。学校で例えれば、教師が1クラス管理・運営をするイメージでしょうか!

 ところが、社員数が50名を超え100名、200名と増えていく、あるいは増やしていこうと考えている場合には《組織活動》に注意を向けなければいけません。
 ポイントは4つです。

※役割分担(適材適所の人材配置)
※モチベーション(社員のモラルの維持)
※制度の構築(人事制度・報告の仕組み・情報共有等)
※リーダーシップ(ビジョンリーダーの存在)

 組織を永続させるために必要な要素を挙げてみましたが、どこかに問題(故障)があると上手く機能しません。定期的に4つの部品をチェックして故障があればメンテナンスを施す必要があります。

 将来的に事業規模の拡大を考えている場合には、組織の管理と運営という課題に早めに着手する必要があります。 

《人を動かす》

 アドラー心理学の本を何冊か読んでいましたが、アドラーの影響を受けたという人のなかに“D・カーネギー”の名前がありました。30年程前に読んだ、D・カーネギーの“人を動かす”を改めて読み直しています。

 本の表紙に、このような言葉が書かれています。

 議論や理屈で
 打ち負かしても、
 相手は決して納得しない。
 逆に反感をつのらすだけだ。
 人を動かすには、相手の立場に立ち、
 望んでいることをつかめ。
 正当に評価せよ。
 誠実な心で接すれば、人は必ず心を開く。
 人を動かすには人の心を動かすことだ。

 本文の中には、次のように紹介されています。
 人を動かす秘訣は、この世に、ただ一つしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること・・・・これが、秘訣だ。

 実にシンプルですね。組織とか人事をテーマにして仕事をしていると、必然的に“モチベーション”という課題に向き合うことになります。時々原点に戻るってみる必要性を感じました。

《潜在意識をとことん使いこなす》

 新聞の広告に≪潜在意識をとことん使いこなす≫というタイトルの本が紹介されていました。ベストセラーなのだそうですが、ポイントが何個か記載されていました。

※あなたの思考が正しかろうと間違っていようと、潜在意識はそれを現実化する。
 ガ―ページイン・ガ―ページアウトの考え方ですね。2×2=5とプログラムすると、パソコンからは、5という間違った答えがアウトプットされることになります。潜在意識もこのようになり、自動的に修正をしないということです。

※潜在意識は反論しない、という事実。

※私たちは2歳までに魔法をかけられる。
 2歳程度までは、他者評価によって自己が形成されるということでしょうか。

※自分を変えるには『自分が自分をどう見ているか』を変えればよい。
 セルフイメージとセルフトークのコントロールですね。

※『○○が欲しい』と潜在意識に伝える実験。
 アファメーションの技術により伝えることが可能となります。

※自分の中の『悪い思い込み』を発見すべき理由。
 自分のなかのビリーフが自分自身を制限しています。

※人生に起きるすべてのことの責任は私たち自身にある。
 ローカス・オブ・コントロール。今の自分は自分で選択した結果。

 等など・・・・・。 

《アドラー心理学Ⅱ》

 前回に引き続きアドラー心理学で強く印象に残ったことを御紹介します。

 課題の分離・・・・アドラーは言います。ある事実に対して他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であってあなたにはどうにも出来ないことなのです。私の提案はこうです。まずは、『これは誰の課題なのか?』を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。そして、他者の課題には介入せず、自分の課題には誰一人として介入させない。これば具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

 自己受容と自己肯定・・・・アドラーは言います。自己肯定とは、できもしないのに『わたしはできる』『わたしは強い』と、自らに暗示をかけることです。これは優越コンプレックスにも結びつく発想であり、自らに嘘をつく生き方であるともいえます。一方の自己受容とは、仮にできないのだとしたら、その『できない自分』をありのまま受け入れ、できるように前に進んでいくことです。自らに嘘をつくものではありません。『変えられるもの』と『変えられないもの』を見極めることです。ありのままの『このわたし』を受け入れること。交換不能なものを受け入れること。そして変えられるものについては“変えていく勇気”を持つこと。それが自己受容です。

 最後に、アドラーは言います。『幸福とは貢献感である』と。

《アドラー心理学》

 組織とか人事の仕事をしていると、動機づけとかコミュニケーションについて考える機会が多くなり自然と心理学に関心を持つようになり、時々そのような本を読みます。最近出合った“アドラー心理学”について少し紹介します。

 フロイト・ユングについてはよく耳にしますが、“アルフレッド・アドラー”については今回初めて知りました。アドラー心理学は欧米では絶大な支持を得ているようで、『どうすれば人は幸せに生きることができるか』という哲学的な問に、きわめてシンプルな答えを提示しています。私は一冊の中に何個か興味を持った部分がありました。

 まずは、『トラウマを明確に否定します』・・・・アドラーは『経験それ自体』ではなく、『経験に与える意味』によって自らを決定する、と語っています。例えば、幼いころに虐待を受けたという出来事が、人格形成に及ぼす影響がゼロだとはいいません。影響は強くあります。しかし、大切なのは、それによって何かが決定されるわけではない、ということです。私たちは過去の経験に『どのような意味を与えるか』によって、自らの生を決定している。人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。

 認知心理学で説明している、『ある事実をどのように認知するか』によって“楽観的”になったり“悲観的”になったりすることと共通しているように感じました。『ある事実』は、基本的にニュートラルであり、それをどのように自分が認知するか?あるいは意味づけをほどこすか?ということなんでしょうね。

 ふたつ目は、『承認欲求を否定します』・・・・・アドラーは、他者から承認される必要などないといいます。むしろ、承認を求めてはいけないと。承認されることを願うあまり、他者が抱いた『こんな人であってほしい』という期待をなぞって生きていくことは、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。

 マズローの承認欲求との関連について私なりにゆっくりと考えてみたいテーマになりました。

 もう少し書きたいことがありますが、次回にします。

《変わらない味》

 職場の教養より

 創業以来『変わらない味』を看板に掲げ、繁盛している店があります。

 親子三代で通い続けるファンがいる、ある老舗ラーメン店は、実は少しずつ味を変えているそうです。『日々の進化なくして、変わらない味は守れない』と、店主はきっぱりと言い切ります。

 時代や嗜好の変化に合わせて、少しずつ味を変えていかなければ、食べ手が昔から『旨い』と感じている料理にはならないからだそうです。

 人気店や老舗店ほど、実はこうした日々の研鑽を重ねているものです。小さな改良を積み重ねてこそ、世代を超えた多くのファンに支持されるのでしょう。

 これは飲食業界に限らず、他の多くの業界にも当てはまります。世の中は常に移り変わっています。

 時代やお客様のニーズに応えられるように、変えるべきは変え、守るべきところは断固として守りぬく。そうした姿勢が、地域に深く根を下ろし、お客様から永く愛される会社であるために必要なのでしょう

《言葉を大切に》

 職場の教養より

 人格は言葉に表れると言われます。Fさんがそのことを実感したのは、今から20年ほど前のB氏との出会いからでした。

 初めて会って話した時、しぼんだ風船がパッと膨らむように、自分の心が温かくなっていくのをFさんは感じました。

 ≪何故だろう、B氏がいろいろなことを知っているからだろうか?人柄が穏やかだからなのか?≫考えても理由がわかりませんでした。

 ところが、二度三度と会ううちに、あることに気がついたのです。

 Fさんが何か尋ねると、B氏は必ず『あなたも知っているように』と言ってから、的確に答えてくれるのです。その言葉には、たとえ年下であっても、話し相手の人格を尊重する心がにじみでています。

 質問するたびに『えっ、そんなことも知らないの!』と言われたら、聞く気も失せてしまうでしょう。B氏を尊敬し続けるFさんは『あなたも知っているように』は、話し相手の人格をも向上させる言葉だと信じています。