《就業規則を考える》

 『みんなの就業規則』から  下田直人・日比野大輔共著

 一般的に就業規則は企業秩序の確立と維持、そして労働時間や休日、賃金などの労働条件の明確化のために作成されます。

 労働条件がはっきりしなければ、どのように働き、いつ賃金がもらえるのかなど不明瞭であり従業員は困ってしまいます。それについては、労働基準法でも就業規則の中で必ず明示する事項として定められています。

 もう一つの作成目的は、会社という人の集合体が、集団としての望ましい状態を保つためです。その為には、一定のルールを確立する必要があるからです。これが、『服務規律』『懲戒処分』などという項目でルール化されています。

 これらが一般的な就業規則の作成目的です。この作成目的、つまり『何のために作るのか?』の部分が実は非常に重要です。ここに会社の考えが落とし込まれるからです。しかし、現実にいろいろな会社をみていると、この目的が抜け落ちてしまい、ただ就業規則を作成することが目的となってしまっているのです。

 また、作成目的が明確になっていたとしても『会社にとって不都合な従業員をうまく処分できるように。できれば、会社から去ってもらうことができるように』ということが主目的になっている会社が多いようにも思えます。そのために、禁止事項としての『服務規律』を詳細に定め、それに違反した場合の懲戒処分をこれまた詳細に定めます。あたかも従業員は放っておけば必ず悪さをするので、会社が先回りして禁止事項を定めておき、厄介な事に巻き込まれないようにするためにルールを定めているように思えます。もちろん、就業規則を作る目的は会社によって様々ですし、いかなる目的があろうが否定しません。しなしながら、私たちは『経営者が従業員と一緒に会社というコミュニティー発展のために活動していく』ことが経営者も従業員も幸せになる道であると信じており、就業規則もそこにつながってく必要があると考えています。

 規則で縛る・罰する⇒コミットメント(参加)⇒共生へ と組織運営の手法が変化してきているのだと感じました。
 まずは、経営理念を第1条に
 服務規則は社員に考えてもらう
 丁寧な社員説明会の実施
 以上のような改正ステップをふむようです。
 

《マイナンバーQ&A》

 読売新聞の記事より

 Q・・・マイナンバー制度とは?
 A・・・社会保障サービスの提供や徴税を適正に行うため、国民に12桁の番号をつける仕組みを指す。『税務』『社会保障』『災害対策』に用いられる。税務当局は納税者の情報を把握し、申告漏れを防ぐ。

 Q・・・具体的な利用法は?
 A・・・年金や雇用保険、災害時の支援金の受給資格の確認などにも活用する。関連法の改正案が成立すると、医療分野の一部にも広がる。地方自治体や健康保険組合が行う予防接種やメタボ検診の記録も番号で管理でき、引っ越しや転職をしても記録を引き継ぐことが出来る。希望すれば2018年から金融機関の預貯金の口座番号とマイナンバーが結び付けられる予定だ。

 Q・・・どう通知するのか?
 A・・・今年の10月、国内に住民票を置いている人に、番号の『通知カード』が簡易書留で届く。来年1月以降、市区町村の窓口で通知カードと引き換えに、顔写真と住所、氏名、性別、生年月日が記された『個人番号カード』を受け取る。カードは公的な身分証明書としても使える。

 Q・・・システムは?
 A・・・政府と自治体をつなぐシステムの完成時期が、今年3月末から7月末に延長されるなど作業が遅れている。自治体同士で情報をやり取りするのは17年からだが、対応は大変だ。

《休みの種類》

 同じ『休み』でも、法定の休日と有給休暇、それに公休とでは扱いが異なります。
 
 法定休日は、労働基準法で企業が労働者を休ませなければいけない日のことで、働く義務はありません。一週1休または四週4休が最低基準で、年に換算すると52日。

 一方の有給休暇は、労働義務がある日に給与をもらって休める日ということになります。正社員の場合、6か月以上働き、8割以上出勤すれば、1年につき最長20日が与えられます。未消化分の繰り越しもできます。パートさんたちも要件を満たせば一定の有給休暇を取得できます。会社は有給休暇の申し出を原則として拒否できないし、取得の目的も問われることもありません。

 公休は、一般的に土日・祝日など会社の就業規則で定められた休みのことで、年間100日以上とする企業も多いですが、法定休日を超える分は、会社が独自に上乗せをしたものとなり、公休が消化できていなくても、法定の休日が守られていれば違法ではありません。

※有給休暇の義務化
 正社員・パートを問わず、年10日以上の有給休暇を取得できる労働者を対象に社員に日程等の希望を聞き、5日分を取得させる義務を負うようになります。

《脳の話し》

 人間をコントロールしているのは大脳です。大脳は脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質の三つに大別されますが、脳幹の上部には間脳があって、ここが自律神経の働きとホルモン分泌の働きを調整しています。

 現代の神経生理学は、あらゆる実験を通じて人間の潜在意識(実は間脳の働き)が、神経細胞のひとつひとつにまで管理力を及ぼしていることを証明しました。間脳は強力にイメージしたことを現実化していきます。間脳意識(潜在意識)でガンも治り、植物人間も甦るのです。

 また、間脳の働きは、サイコ・サイバティネクス(心の自動制御装置)の働きをします。間脳に情報を入れると、間脳は入れられた指示通り、その目標にむかって自分で舵取りをして進むのです。

 有名なアメリカの整形外科医マクスウェル・マルツは、1960年に『サイコ・サイバネティクス』という本を書き、ベストセラーになりました。

 その中で潜在意識は人間のサイバネティクス(自動制御装置)であると書かれています。潜在意識に目的を与えるとサイバネティクスが働きはじめます。人はきわめて精巧につくられている自動装置で、どんなコンピューターも及ばないというのです。

 マルツのいう潜在意識とは、間脳意識にほかなりません。間脳(潜在意識)を有効に活用して目標の実現を手にしたいものです。

《社内コーチ養成》

 社内にコーチを養成することを目的に二年がかりで研修を実施してきたある法人で、年度末に役職者を対象にした研修が実施できたことの報告を頂きました。嬉しかったので少しだけご案内します。

 研修のテーマ“活力ある組織を作るためには”
 社内コーチ二名が役職者10名に上記テーマで研修を行った。
 研修最後のフリートークで次のような話が出たそうです。

①皆が同じ目標を持ち、同じ方向を向く
②異動が当たり前という意識を持つ 新しい風
③職員の意識を変えるリーダーの役割
④昔からのやり方からの脱却、新しい考えを取り入れる
⑤モチベーションの上げ方は?
⑥指示されたことしかやらない
⑦朝礼のスタイルが10年変わっていない
⑧今やっていることを捨てられない
⑨和気あいあい・狎れ合い 緊張感も必要
⑩個々人の温度差

 役職者の方々に組織の運用とか管理といった課題意識が出てきたように感じました。元気な組織が創られることを期待します。

《65歳超雇用企業増加》

 読売新聞の記事より

 65歳を過ぎた社員を引き続き雇う企業が増えている。景気回復で国内全体の雇用が改善し、若年層の採用が難しくなる中、豊富な経験や人脈を持つ高齢の社員を求めている企業が多いようだ。

 大和ハウス工業は27日、年齢の上限なしで働き続けることができる新たな雇用制度を4月に導入すると発表した。定年の65歳を超えた社員が対象で、週4日勤務の嘱託契約となる。月額20万円の固定給で、正社員の半額程度のボーナスも支給される。3月に定年を迎える約30人のうち9人の継続雇用が決まっている。

 機械工具商社のトラスコ中山も4月から、定年を63歳から65歳に、定年後の雇用延長の上限も65歳から70歳にそれぞれ引き上げる。安定的な雇用を約束することで社員のやる気向上を目指す。

 不動産仲介業の東急リバブルも、一定の基準を満たす社員について、70歳までの最長5年間、契約社員として雇う制度を2014年4月に導入した。

 政府は13年4月施行の改正高年齢者雇用安定法で、企業が25年度までに希望者全員を65歳まで雇用することを義務づけた。

 さらに65歳を超えた従業員を雇うのは中小企業が多い。雇用全般の改善に加え『学生の大手企業志向が強まり、若手人材の確保が難しくなった中小企業が高齢者の雇用を増やさざるを得なくなっている』との指摘もある。

 ただ、企業にとっては、定年を過ぎた高齢者を雇うと総人件費の増加につながりやすい。このため、65歳を超えた人の雇用には慎重な企業も多い。

《承認の欲求》

 心理学者“マズロー”の欲求五段階説という考え方が有ります。
 
 少し説明をすると、人の欲求は下から満たされていくということが一つ。

 次に一つの欲求が満たされると一つ上の段階の欲求に変化する。

 欲求は五段階あって次のようになっている。
 ①生理的欲求
 ②安心・安全の欲求
 ③愛の欲求
 ④承認の欲求
 ⑤自己実現の欲求

 そこで、動機づけに応用するとした場合第四段階の承認の欲求を満たしてあげることが有効になります。具体的には『ありがとう』『おかげさまで』『さすがですね』等といった言葉を積極的に使用してみるということです。

 そこで一つ注意です。

 百点満点に対して、『すごい』と褒めることは良いことだと思います。四〇点に対して『すごい』ということは、“おだてる”ことで相手をつけあがらせることにつながります。へたをすると『これでいいのだ』と満足して成長をストップさせてしまうかもしれません。
 ダメなことはダメ、大切にしたいです。

《マイナンバー周知不十分》

 来年1月開始 システム開発遅れ   読売新聞より

 国民ひとり一人に番号を割り振る共通番号(マイナンバー)制度の開始を来年1月に控え、政府や地方自治体は準備を急ピッチで進めている。個人情報を扱うだけに万全を期しているが、一部の基幹システムは開発が遅れ、国民の制度への理解も進んでいない。今年10月から国民に番号が通知されるが、ハード・ソフトの両面で課題は少なくない。

 マイナンバー制度の対象になるのは、社会保障、税務、災害対策の3分野が中心だ。年金や雇用保険の給付、所得税の確定申告、災害にあった人への支援金の支給などの手続きで利用される。例えば、年金の給付資格を得るのに、現在は申請書に住民票を添付して提出しなければならないが、マイナンバーを用いれば住民票は要らない。

 引っ越した場合、転居先の自治体が予防接種の履歴を前に住んでいた自治体から引継ぐなど、一部の医療分野でも使われる。個人の預貯金口座と番号を結びつけ、適切に納税されているかチェックすることにも利用される見通しだ。

 自治体は今年10月から、住民に12桁の番号を郵送で通知し、来年1月以降に顔写真付きの『個人番号カード』を交付する。利用者は17年1月から運用されるインターネットの専用ページ『マイ・ポータル』で、自分の番号がいつ、何に使われたかを確認できる。

 個人情報を自治体間で提供し合う基幹システムの開発は、当初の予定より4カ月遅れている。担当する総務省は『全体のスケジュールには影響しない』とするが、全国の自治体への導入が遅れると、つトラブルにつながりかねない。

《真水でも生き抜いた鯛の教訓》

 男の器量 “童門冬二”著より

 殿様は、ある家臣にいった。
 
『池の水を、全部海水にしてくれないか』

 突然何をいいだすのだろうと家臣たちは顔を見合わせた。しかし殿様のいうことである。いわれたとおり真水をかい出して海から水を引き込んだ。海水が満々と池にたたえられると殿様はいった。

 『この中に鯛を入れてくれ』

 家臣たちはいうとおりにした。たくさんの鯛が池の中で泳いだ。海水だから鯛も喜んで泳いだ。翌日殿様がいった。

 『池の水に少し真水を混ぜてくれ』

 家臣たちは変な顔をしたが、いわれたとおりにした。殿様は、毎日少しずつ真水を池に入れさせた。そして、端の方から海水をその分だけ排出するようにした。ところが、こういうように海水に少しずつ真水を入れられても、鯛たちは平気で泳いでいた。別に死にもしない。やがて、池の水は全部真水に変わってしまった。しかし、鯛は泳ぎ続けている。これを見て、殿様がいった。

 『どうだ?鯛は塩辛い水ではなく、真水の中でも泳いでるではないか』

 家臣たちは顔を見合わせた。この実験が何を意味しているか、彼らにもハッキリ分かったからである。この殿様は、既成概念など、考え方を変えることによっていくらでも振り払うことができる、ということを池の実験によって示したのである。

 もちろん、この実験で殿様自身も決して真水の池で鯛が養殖できるとは思っていなかった。ただ、頭から『そんなことは出来ません』という家臣の気持ちの持ち方に反発したのでした。

《ポジティブ思考》

 ナポレオン一世の有名な言葉『わが辞書に不可能という文字はない』は、≪自分はできる≫という自己暗示の言葉だったのかもしれません。

 遺伝子の研究者で、筑波大学名誉教授の村上和雄氏は『心や意識が脳を動かす』として、脳と心の関係を次のように解き明かしています。

 『脳は私たちが“できる”と思っていることしかできない。逆に言えば“できない”と考えていることはできないのだ』

 氏は“できる”という指示を脳に伝えることが重要であり、そのために思い込みや固定観念を捨てること、素直になること、心配しないことが大切だと説きます。

 私たちには【思い込み・信じ込み・決めつけ・先入観】があります。過去の経験、あるいは周囲の評価によって≪自分の性格は○○だ≫とか≪自分の能力はこれぐらいだ≫と、自分勝手にレッテルを貼ったり枠組みを決めたりすることがあります。

 人間の能力、可能性は計り知れません。“自分にはできる”という前向きな意欲を持って、努力を怠らずに、自分の可能性を広げていきましょう。

 職場の教養より