《マーケティングを考える》

 平日に近くにある“産直”に行ってみました。知人に最近できた“産直”の話を伺いまして、ちょっと興味がでたものですから!

 平日の午後二時頃に寄ってみたのですが、広い駐車場の入り具合は10%程度でした。ラーメン屋・丼もの中心の飲食店・野菜鮮魚中心の産直店・コンビニ等が軒を連ねていましたが、お客様はパラパラの状況でした。私はコンビニに入って暑い日だったのでアイスを買って外にあるラウンジのテーブルに座ってゆっくり観察も含めて時間を過ごしましたが、お客様の入り具合は今一つという感想です。せっかくだったのでライバルであろう“道の駅”が車で15分程度なので足を延ばしてみたところ、駐車場の入り具合は80%位で各店舗もお客様で賑わっていました。

 この二つの事業所の違いはどこにあるのでしょうか?店舗数・駐車場の面積等の規模の違いは確かに有りますが、お客様の入り具合は規模の差だけではないように感じました。ここは私の専門外≪マーケティング≫の分野の問題と思いますが、いわゆる“集客方法”に何か大きな差があるのでしょう!

 実際にほぼ同時刻に2か所の事業所を回ってみて色々と勉強になりましたが、私が一つ感じたことは≪中途半端感≫です。上手く伝わると良いのですが、各店舗の扱っている商品の種類・クオリティー・量・値段が中途半端なんです。お客様を引っ張る力が足りないように感じました。

 経営戦略の三つの視点≪差別化戦略≫≪コスト戦略≫≪集中化戦略≫に基づいて、商品戦略・顧客戦略・エリア戦略あたりの練り直しが必要だと思いながら帰ってきました。

《お客様第一主義を考える》

 コーヒー用ミルクの“スジャ―タ”で有名な名古屋製酪という会社を創業した日比孝吉社長は、ロングライフ牛乳を開発した時、その容器をどのようにするかでずいぶん迷ったと言います。選択肢は≪従来の瓶詰≫≪紙パックA≫≪紙パックB≫の三つでした。

 当時はまだ使われていない≪紙パックA≫に切り替えるには年間二千万円、さらに滅菌した≪紙パックB≫にすると四千万円の経費増が見込まれました。迷いに迷った末に日比社長はある所に相談に行きました。出てきたのは経営とはおよそ縁のなさそうなおばあさんでしたが、
『私は、難しいことはわからないが、お客さんはどれを一番喜ぶのかね』と聞きます。
『それはもちろん滅菌した紙パックです』と日比社長が答えますと、
『それがわかっているのなら、何も私に聞くこともあるまい』とおばあさんは言うのです。
『でもうちはえらい損をします』
『損をするといってもお客様が損をするわけじゃないなら、それがいいにきまっておるわ』

 この一言で日比社長は≪紙パックB≫の採用を決め、それがロングライフ牛乳の大ヒットにつながりました。

『損と得の道があれば損の道を行く』といったダスキン、いまの三倍の価格にしても必ず売れるのに『これで十分採算があっています』という世界一のシンビジウム苗メーカー、河野メリクロンなど、みなお客様第一主義を貫き成功している企業です。
  
 船井幸雄 “自然の摂理に従おう”から

《コスト削減とは!》

 最近の事例ですが、≪コストダウン≫について考えさせられました。
 
 専門家派遣事業での経営相談で、テーマは【経営戦略】【経営計画】です。時間的な制約の中での支援事業で、手法としては題解決型のアプローチになりました。
 
 問題点は【売上高減少】【資金繰りの悪化】の二つに絞れます。決算書等をお借りして分析を実施してみると、ここ数年減収減益で、当然資金繰りも連動して悪化という状況でした。このような経営状況に対してどのような対策を行ってきたのかをお聞きしたところ≪ケチケチ対策≫ということ。節約をすることに、もちろん異論は無いのですが『節約してよいコストと、節約をしてはいけないコスト』の選別がなされてないのではないかと感じました。。
 
 具体的に言うならば、集客のためこコスト【販促費】がまったくカットされていることと、【原価率】が低いこと等です。弊社からの提案は、毎月【販促費】の予算を計上すること、【原価率】4%アップすることの2点としました。結果が出るのは数カ月先になると思いますが、広告宣伝を打つことと商品の質を高めることを同時に実行して集客アップを狙いとします。

 『広告宣伝は毎月出さなくても良いのではないか!』とアドバイスをする方もいるようですが、沈没しそうな船を浮上させる為には中途半端な対策ではダメなのだと思います。過去の方法を繰り返すだけでは改善は難しいでしょう。

 医者だけでなくて、事業経営にも“セカンドオピニオン”の必要性を強く感じた事案でした。

《動機づけ理論》

 今日もアルフレッド・アドラーの名言からです。

 叱られたり、ほめられたりして育った人は、
 叱られたり、ほめられたりしいと行動しなくなる。
 そして、評価してくれない相手を
 敵だと思うようになるのだ。

 いまだにアメとムチ、すなわち、ほめたり叱ったりすることで人を育てることが正しいと信じている人が多くいます。それは明らかな間違いです。ごほうびやほめ言葉につられて、私たちの言う通りの行動を取る人がいたとしたら、その人は自分の意思で行動しているのではありません。ですから、私たちがごほうびやほめ言葉をやめてしまえば、その行動を取らなくなります。つまり、ごほうびやほめ言葉で相手を釣る限りは、一生それをやり続けなくてはならないということになります。しかも、私たちが見ていないところでは、相手はその行動を取らなくなる。私たちが見ている時にしか、その行動を取らないのです。

 その逆であるムチ、すなわち罰や叱ることで相手の望ましくない行動を防ぐのも同じことです。自分の意思で行動をやめるのではないですから、強制がなければ問題行動を続けるに違いありません。私たちの監視の目が届かないところでは、相手は問題行動を取るでしょう。つまり、アメとムチは何の問題解決にもならないのです。

 それだけではありません。アメとムチ、ほめたり叱ったりすることでコントロールされることに慣れた相手は、自分をほめてくれない時に私たちを敵だと思うようになります。『なぜほめてくれないのか』と責めるのです。私たちは相手をコントロールしようとしてはいけません。それは教育ではありません。むしろ逆効果になってしまうからです。

 テーマは『動機づけ』ですが、難しいですね!

《アドラーの格言》

 人生が困難なのではない。
 あなたが人生を困難にしているのだ。
 人生は、きわめてシンプルである。

 人生が辛く、苦しいのではありません。あなたが、自分の手でわざわざ『人生を辛く苦しいものにしている』のです。アドラーは、それをこのように例えました。
 
『高さが1.5mしかない戸口を通り抜ける方法には二つある。一つはまっすぐ歩くことであり、二つ目は背中を曲げることです。最初の方法を試せば、横木にぶつかるだけです』と。つまり、“人生が辛く苦しい”と感じている人は、低い戸口に対してまっすぐ進み、頭をぶつけているだけのこと。事前に背中を曲げていれば何も問題はないのです。しかし、多くの人は低い戸口が原因であり、自分は悪くない、と言います。そうではありません。腰を曲げない自分が悪いだけなのです。
 
では、どのように生きれば人生が辛く、苦しくなり、どのように生きれば、人生がシンプルになるのでしょうか。その答えを1行で言い表すことはさすがにできません。現段階でお伝えできることは、現在の人生を決めているのは運命や過去のトラウマではなく、自分自身の考え方である、ということです。
 
だからこそ、私たちは、いつでも決意さえすれば、自分の人生をシンプルにすることができるのです。そろそろ、自分の頭を横木にぶつけるのをやめてはいかがでしようか。『人生を困難にしている』のをやめればいいのです。
  
 アルフレッド・アドラー

《動機づけ理論》

 二つの動機づけ理論を紹介します。

※マクレランドの欲求理論
 デイビッド・マクレランドらのグループが、作業の場には三つの主要な動機、ないしは欲求が存在することを提唱した。

Ⅰ達成欲求・ある一定の標準に関して、それをしのぎ、あるいはそれを達成し、成功しようと努力すること。
Ⅱ権力欲求・ほかの人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求。
Ⅲ親和欲求・友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求。

 もう一つの動機づけ理論によると、個人は『自分の行動が望ましい結果を導くだろうと予測する限り、動機を持ち続ける。これは合理的な交換のイメージである。つまり、従業員は基本的に自分の努力を給与・雇用確保・昇進等と交換しているのである。』一方仕事においてモチベーションの高い人々は、仕事に対して感情的にコミットしているといえる。『ゴールを目指して、業務という経験に肉体的、認知的、そして感情的にも没頭するようになるのである。』 

 動機づけに関していつも考え続けているのですが、難しいですね。、最近≪~~しなければならない≫に基づいた行動と≪~~したい≫に基づいた行動との違いについては、少し理解できた感があります。

 仕事でも人生でも≪~~したい≫と思うことをたくさん見つけることが出来たら素晴らしいと思います。

《フィードバックとは》

 フィードバックという言葉は、電気回路の出力の一部を入力側に戻すという意味がありますが、コーチングではコーチがクライアントに、クライアントがどんな印象や影響をコーチに与えているか、またその人の行動がどのようにみえるのかを≪ありのまま≫に伝えることを、フィードバックといいます。

 私たちが自分の感覚だけで把握できることには限界があります。外からの情報がまったくない状態では、正しい方向に進んでいるつもりでも、間違った方向に進んでいるということもありうるわけです。宇宙船が、地上のオペレーターからのフィードバックを受けて軌道修正を繰返しながら進むのと同じように、私たちも自分が目標に向かって最適な方法を選択しているか、目標まであとどのくらいか、軌道からズレてはいないか等といった客観的情報、つまりフィードバックがあることで、目標達成まで最短で最善の方法をとることが可能になるのです。

 フィードバックは、忠告や批判とは違います。相手から伝わってくること、聞こえていること、触れている感覚も含め、≪客観的事実≫について、ありのままを伝えるのです。また、見て、聞いて、そして自分自身が内側で感じている≪主観的事実≫について、ありのままを伝えるのです。

 第一人称(私は・・・・)で、適切なタイミングで、必要性や相手の行動が変わる可能性を感じながらフィードバックして下さい。

《指示命令型のリーダーシップ》

 指示命令型リーダーシップのスタイルでの問題は、それを続けていると部下の創造性を奪ってしまうということです。仕事では常に不測の事態が生じ、プランどおりには進みません。つまり仕事では、不測の事態への対応能力が求められるわけですが、指示命令型リーダーシップのスタイルでは、言われたことしかできない人を育ててしまうのです。

 自分で考えて行動できる人が減っているとこぼしながら、指示命令型リーダーシップのスタイルをとり続けるのは矛盾しています。不測の事態に対応できる部下を育成したいと望むなら、自分の頭で考えさせるようにすべきです。

 人は元来、他人に指示されたり命令されたりすることを好みません。それでも緊急で重要な案件に対しては指示命令は有効です。これまでのマネジメントは、指示命令と厳しい管理でした。コーチングは、質問を繰り返すことで“気づかせようとする”アプローチ手法です。

 ここ十数年コーチングの考え方が組織運営に支持されるようになり≪一緒に考えるアプローチ≫≪気づかせるアプローチ≫が管理者のリーダーシップスタイルとして定着してきた感があります。ただし、上記にもあるように緊急な場面等では≪指示・命令≫することは、きわめて重要なことだと感じています。

《コミュニケーションって?》

 “コミュニケーションってなんでしょうか?”という質問を投げかけると、興味深いことに色んな答えが返ってきます。おそらく私の質問が抽象的なので余計にそのようなことが起きるのだと思います。

 『ゆっくり会話を交わすことです』『相手の話を聞いてあげることです』『アイコンタクトを取ることです』等々たくさんの返答が出てきます。ここで少し整理してみたいのですが、コミュニケーションの≪手段≫と≪目的≫についてです。例にあげた返答は≪手段≫ではないでしょうか。この手段には“バーバル”なものと“ノンバーバル”なものがあります。バーバルコミュニケーションとは、言葉を通じてのコミュニケーション。一方のノンバーバルコミュニケーションとは言葉以外の目や耳とか五感を通じてのコミュニケーションです。福祉施設の若い職員の中には『利用者の方々とゆっくりコミュニケーションが取れないのです』といったような悩みを持っている方がいます。彼らの多くは“バーバルコミュニケーション”のことを問題にしているようで、ちょっと気になります。
 
 日々業務に追われて忙しい中、たっぷりと時間をとって会話をするナカナカ難しいと思います。ですから“ノンバーバルコミュニケーション”に意識を向けて、握手をしたり、肩にさりげなく触れたり、ニコッとアイコンタクトを取ってみたりすることで相手との距離や信頼関係を構築してほしいと感じています。

 また、コミュニケーションの目的についてはもう少し考えてみたいと思います。

《ビジネスメール》

※返信は早めに簡潔に!   読売新聞の記事より

 一般社団法人、日本ビジネスメール協会が8月に発表した『ビジネスメール実態調査』によると、過去1年間に仕事のメールで不快な気持になったことのある人は、51%とほぼ半数。理由としては、『文章が曖昧』などメールの内容に関するものが上位を占めたが、『返信が遅い』こと自体を不快に感じる人も17%と目立った。
 同協会の直井章子さんは、『丸1日たっても返事がこないと、不快、不安に感じがち。せっかくのビジネスチャンスをフイにしかねません』と指摘する。すぐには結論を示せない場合でも、メールを受け取ったことと回答できそうな時期を記して、なるべく早く返信すべきだという。
 仕事での返信メールは、本文の最初に相手の名前と会社名を記入し、数行空けて『お世話になります。○○の▲▲です』などと、自分の会社名と名前を記す。互いの肩書は省いても構わない。『かしこまった時候の挨拶は不要です。曖昧な表現は避け、簡潔にまとめましょう。文面が冷たいと思うなら、本題に入る前に、まだまだ暑いですね。等と一言添えると和らぎます』と直井さん。
 受け取ったメールの文章を全文引用して返信するか、部分的に引用するかは、相手や状況による。一般的には、交渉ごとなど、やりとりの経緯をまとめて残す必要があれば全文引用、ポイントを簡潔に記すだけでよいなら、部分引用の方が分かりやすい。

 ≪返信のポイント≫
※受け取ったらなるべく早く返信を。丸一日以上相手を待たせない。
※重要なメールは返信した後、電話でも受け取ったことを相手に伝える。
※打合せ場所や日時などを伝えるだけなら、部分引用の方が分かりやすい。