《ホウ・レン・ソウ》

 『ホウ・レン・ソウ』という言葉は、お聞きになったことがあると思いますが、私は平成8年に人事の仕事をスタートした時に初めて耳にしました。実は、意味が解らず恥ずかしい経験をしたことを覚えています。
 念のために確認をしておきたいと思いますが、仕事の現場で使われる言葉で『報告・連絡・相談』のことです。もうすぐ新入社員が会社にやってきますね!今日は『ホウ・レン・ソウ』について書いてみたいと思います。

 職場における『ホウ・レン・ソウ』の重要さについては改めて説明する必要はないと思いますが、内容は仕事を頼まれたら途中経過や結果を“報告”し、外出先から“連絡”を入れ、困ったことがあれば“相談”することです。
 仕事を任されて、それをキチンとやることはもちろん大切です。ただ、任せる側は、それがどういう状況になっているかをとても心配しています。仕事に慣れていない人に任せた場合にはなおさらです。

 『ホウ・レン・ソウ』は、意味を伝える行為ですが、実はそれを通じて意識の共有も行っています。意識が共有でき、信頼関係が築けるようになると、意味を伝える回数が減っても相手は心配しなくなります。ですから、信頼関係が築けていない間の『ホウ・レン・ソウ』は特に大切なのです。
 弊社で使用している人事考課シートの考課要素『ホウ・レン・ソウ』の内容です。
①上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが出来ず、業務に支障あり。
②上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが不足し時々支障があった。
③上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが行われ、業務がスムーズ。
④上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが適切十分で、業務も円満。
⑤上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが的確で、業務に貢献した。

 5段階評価です。自己評価してみてください。

《今でしょ!》

 最近のテレビコマーシャルで『今でしょ!』と言ってる予備校の先生が話題になっているようですね。賛否は色々とあるようですが、ちょっと新しいコマーシャルの切り口に感心しています。

 私が、初めてこのコマーシャルを見た時に注目したのは『でも』『しかし』という言葉でした。コーチングでは、『キラーフレーズ』と呼ばれています。自分自身との対話、いわゆる“セルフトーク”では、『でも』『しかし』という接続詞の後には《言い訳》《出来ない理由》等、自分を正当化する言葉が続きます。結果的に消極的な自己イメージがつくられて、行動を回避するということにつながっていきます。

 他人との会話の中でも、『でも』とか『しかし』という言葉を頻繁に使う人がいます。私は、こういう人との会話はどうも苦手です。表現を変えると“疲れてしまいます”。私が話したことをことごとく否定されたような気がしてしまうのです。仮に反対の意見だったとしても、一度受け入れてもらってから、自分の考えを説明してくれると随分と印象が変わると思うのですが、いかがでしょうか?

 『佐藤さんの考え方は理解できます。例えば、このような視点から私は逆に・・・・・と考えるのですが』etc.

 最近、お客様の所で数十名の社員の個別面談を実施しながら、色々と考えておりました。

《人材育成ほめるが大事》

 読売新聞の記事より

 『ぐうたら』は『自分の気持ちに正直』、『オンチ』は『誰にも真似できないアレンジ』。ネガティブな言葉を、ちょっと笑えるポジティブな言葉に置き換えた『ネガポ辞典』をご存じだろうか。
 叱られ、否定されるよりは、ポジティブな言葉で褒められる方がやる気が出るし、言う側も明るい気分になれる。何かとストレスがたまる世の中で、ネガポ変換が人気を集めるのは納得ができる。
 企業の人材育成も“ネガ”より“ポジ”に重点が置かれているようだ。
 外食大手サイゼリヤは昨年三月、相手の長所を褒め合うグループ研修を取り入れた。社員同士がお互いの良さを認め、ささいな行き違いやトラブルを避けるのが狙いだ。実際、アルバイトの離職率などが減るなどの効果が出ている。
 褒めるのにとどまらず、仕事でのミスを表彰するユニークな企業もある。機械部品製造の太陽パーツは、チャレンジ精神を育むため、半年に一度、新しいことに取組んで失敗した社員に『大失敗賞』の賞状と賞金二万円を贈っている。
 米国の著述家、ディール・カーネギーはロングセラー『人を動かす』の中で、人に注意する場合は『まずほめる』のが大事で、その後『遠回しに注意を与える』べきだと説いている。褒めることは、やる気を引き出すだけでなく、相手が指示を受け入れやすくする上で不可欠というわけだ。
 さて、現場の記者が書いてくる原稿をチェック、手直しする我が身はどうか。『褒めるのが大事』と頭では理解しているが、思わずカッとなって原稿の欠点をまくし立てることも少なくない。褒めて育てるのは難しい。つくづくそう思う。

 九月に書き込みましたが、読売新聞の記事で《叱る、ためらう上司・親》もありました。
 

《マネジメントとリーダーシップ》

 少し前の話になりますが、ハーバード・ビジネススクール教授 ジョン・コッタ―が『リーダーシップ論』の著書の中で、リーダーシップとマネジメントの違いについて次のように書いています。
【複雑な環境にうまく対処するのが、マネジメントの役割】
【リーダーシップとは、変革を成し遂げる力量を指す】

 ジョン・コッタ―流に言えば、外部環境の変化を的確に予測し、それに対して手を打っていくことがマネジメント。これは比較的理解できるのですが、一方の『リーダーシップとは、変革を成し遂げる力量を指す』は?私にはナカナカ難しい表現です。
 
 では、大きな変革を成し遂げる為には、どのようなリーダーシップを発揮したら良いのでしょうか!おそらく、惰性的生活に安住している人達に変革が必要であるという論理を示すことで、人々が考え方や行動パターンを変え、リーダーの言う変革に力を貸すようになることと、その変革を何としてでも成し遂げたいという情熱、欲求を持たせるということだと考えます。
 平易な言葉を使えば、“実行力” “行動力” という表現になるのでしょうか!!
 コーチングでは、『快適ゾーンからの脱却』という伝え方をしています。
 
 いずれにしても、しっかり向き合って答えを考えていきたい大きなテーマです。

《セルフイメージ》

 仕事や人生全般で高い成果を出している人たちは何を持っているのでしょうか?
※学歴
※行動力
※国家資格etc.

 確かに有った方が有利なものですが、これで上手くいくとは限りません。私が、色んな方々との出会いの中で気付いたことは【セルフイメージの高い人が、成果を出し幸せな人生を過ごしている】ということです。

 セルフイメージとは、自分に対する期待・自分に対する意見・自分はこんな人間だ・これが自分だ等、人は自分自身のイメージを持っています。セルフイメージの形成プロセスには、セルフトークが大きな影響力を持っているのですが、コーチングではこのセルフトークをコントロールする技術を学習して頂きます。

 このセルフイメージは、私たちの日常の様々な場面で恐ろしいくらい影響していきます。
 例えば、身近なところから言うと、思考パターンや行動パターン、立ち居振る舞いに大きく影響します。さらには、年収、これから就くポジション、出会う人やパートナー、これらすべてに影響していきます。

 セルフイメージは、生れてから何年もの歳月を重ねて形成されてきました。母親からの影響もありますが、基本的には生れてから自分で身につけてきたものです。【後天的に身につけていますから、後から変えていくことが可能な訳です】ポジティブ思考・ネガティブ思考、セルフトークをコントロールすることで理想の自分に変化できるのです。

 マーティン・セリグマン博士が、『世界でひとつだけの幸せ』の本に“楽観的で前向きな人は、幸せで、長生きで、成功する!!”と書いています。

《ロミオとジュリエット効果》 

 若者の行為に親が圧力を加えることが逆効果を招いてしまうことを最も鮮やかに描き出したものに『ロミオとジュリエット効果』として知られている現象があります。
 ロミオ・モンタ―ギュとジュリエット・キャピュレットは、お互いの家同士の不和のために二人の愛を裂かれてしまったという、シェークスピア劇の悲劇の主人公です。
 彼らを離れさせようとする親たちの企てに逆らって、このティーンエイジャーたちは、自由意思を行使する究極的な手段、すなわち心中という悲劇的行為によって永遠の愛を勝ち取ったのです。
 どうして、こんなに若い二人の間に、愛の炎があれほど急速に燃え上がったのでしょう!心理学者たちは、『親の干渉と障壁』が置かれたことで、情熱の炎に油を注いだことになったと指摘する。

 このような記事がありました。
 去年のクリスマスに私は27歳の男性と出会いました。当時、私は19歳でした。本当は私のタイプというわけではなかったのですが、交際するようになりました。たぶん、年上の男性とデートするのは一種のステータス、という気持ちもあったと思います。でも、私の家族が彼の年齢が高いことを心配し始めるまで、それほど強く彼に惹かれていたわけではありません。家族が二人のことについてうるさく干渉すればするほど、私は彼を恋するようになりました。結局、彼とは5ヶ月続きましたが、もし両親が何も言わなかったら1ヶ月で終わっていたと思います。

 自由を制限されることへの反発(リアクト)なのですが、まずは『二歳児のリアクト』として現れ、十代にも再度現れるそうです。

《電話口 “何様ですか?”と聞く新人》

 読んだ方もいらっしゃると思いますが、読売新聞にサラリーマン川柳の記事が載っていました。笑ってしまいました。

 第一生命は19日、恒例のサラリーマン川柳の入選作品100作品を発表した。ことしもサラリーマンの悲哀を詠んだ秀作が多くそろった。
 インターネットの人気交流サイト『フェイスブック』の機能に絡めた
※辞めてやる!会社にいいね!と 返される
※電話口 何様ですか?と 聞く新人
※気遣いは 昔上司に 今部下に
など、職場での嘆きの句が多く寄せられた。
 耐久性が高い発光ダイオード(LED)や人気のロボット型掃除機にひっかけた
※すぐきれる 妻よ見習え LED
※妻の言う 『うちのルンバ』は 俺のこと
など、家庭での切ない立場を詠んだ句も目立った。
 人気を集めている格安航空会社(LCC)を題材にした
※LCC 缶コーヒーかと 上司言い
※ワイルドな 妻を持つ俺 女々しくて
など、新語や流行語を反映したものもあった。
 このほか、
※党名を 覚える前に 投票日
など、政治を風刺した作品も寄せられた。
        
2月20日 読売新聞より

《目的のすり替わり》

時々、知り合いの方から(社)倫理研究所で毎月発行している職場の教養を頂戴します。1月号の記事に《目的のすり替わり》という内容のものがありました。どのような事かというと、『目的と目標を混同しないで、目的に沿った目標をたてる』ということです。まずは大きな目的があって、その目的を実現する為に複数の目標が存在するということになります。表現を変えれば、長期的な目的・短期的な目標ということですね。

職場の教養から抜粋
打開策の一例に『もう一度、目的を明確にする』という方法があります。まず最終的にどうしたいかをハッキリさせるのです。あくまでも目標や計画は『目的』を達成する為の手段だからです。
仕事や生活において、目標に重きを置くあまり、それが本来の目的とすり替わっていることはないかを、常に振り返る必要があるでしょう。
部署ごとに目的を明確にして、職務に取組んでいきましょう。

《管理者とリーダー》

 組織における管理者とリーダーの位置づけについては、どのように考えていますでしょうか!
 
 受講生の皆さんに『管理者とリーダーはどちらが上位でしょうかね?』と訊ねることがあります。理由も添えて答えて頂くのですが、実に様々な答えがあり、管理者が上位という回答や、逆にリーダーが上位だったりします。同じ組織の中で、言葉が共有されていない事に気づかされる瞬間だったりします。
 
 ここで私は、ジョエル・パーカーの『パラダイムの魔力』から説明をします。1990年代に書かれた本ですが、私が『リーダーとマネージャーの違い』に悩んでいた時に、スッキリできた内容なんです。
 ジョエル・パーカーはまず次のように表現しています。
 『管理はパラダイムの中でおこなうもの。パラダイムの間を導くのがリーダー』
 この文章を読んでスグに理解できる方は、素晴らしいです。私は、理解できるまでに何度か本を読み返しました。
 まずは、『パラダイム』の言葉の意味を確認したいのですが【枠組み・規制・規則・固定観念等】となります。仮にパラダイムを組織における規制として捉えた場合には、与えられた規制の中で組織をコントロールするのが《管理者》ということになります。一方、リーダーは規制に捉われることなく、もう少し加えると【環境の変化に対応して規制をどんどん変える者】と言えると思います。
 今、外部環境の変化スピードが速くなっています。リーダーシップが問われている時代だと感じています。
 
 管理者とリーダーは、どちらが上位であるか!というよりも、それぞれに役割と使命があるのでしょうね、
 

《営業活動の基本動作》

 最近聞いた話で、営業とは『お互いの利益の交換』とは、ナカナカ上手いことを言うものだと感心していたのですが、今日は“営業活動の基本動作”のステップについて簡単にまとめてみたいと思います。

 第一ステップ《マーケティング》
 これは、相手と自分・市場とお客様という『ベース』となる商品知識を学ぶことで、自分の持っている商品やサービスはどのような人・会社に売ればいいのか、誰のお役にたてるのかを考えます。 
 お客様の動向・経済の流れ・自社の商品シェア・競合商品等も知識として入れておいて下さい。

 第二ステップ《アポイント》
 対象者のリストを用意したり、宣伝などで集客したりして、『誰に売るか』を明確にする段階です。商品があっても、企画があっても、売り込む対象がなければ、何も始りません。『アポイントの種を』つくるのです。

 第三ステップ《プレゼン》
 商品の説明の段階に入りました。
①会社の紹介 ②商品の特徴 ③期待できる効果 ④期待できる付加価値 ⑤お客様の声 ⑥商品への意思確認

 第四ステップ《金額の提示》
 ようやく自分の商品の金額をお伝えします。
 金額=価値、もしくは金額<価値になっていないと、購入したくなりません。人は、その金額がとってもお得であると感じたいのです。

 第五ステップ《契 約》
 この段階で決断をしてもらいます。一つだけの選択からの『イエス・ノ―』ではなくて、多少の選択肢を用意し相手にイニシアティブを持たせたいものですね。コロンビア大学のシ―ナ・アイエンガ―博士が『選択の科学』で書いていましたね。【マジックナンバー7±2】

 第六ステップ《フォロー》
 契約で終わりではありません。丁寧なフォローがリピータ―に、あるいは新規顧客のの紹介に繋がっていきます。
 営業マンのゴールは、お客様のスタートです。