《チームアプローチ》を考える

 最近のテレビ番組で、外科医のドラマを見ることが多いような気がしますが、そう感じているのは私だけでしょうか。

 医療の現場ではドラマの世界も現実の世界も同様だと思いますが、医師・看護師・麻酔師・検査技師などの医療スタッフが実に的確に判断し行動している光景を目にします。【ほとんど指示・命令なしに】働いていますし、素晴らしい成果をあげていますが、どのようにしてマネジメントしているのかを考えることがあります。
 おそらく、患者様への貢献【価値観】・明確な治療方針・行動計画が医療スタッフ間で確実に共有されているのだと思いますが、この『共有』という言葉が曖昧だったりします。『共有』ってどうゆうことか解りやすく説明して下さい!って求められたらどのように答えますか?
 英語のシェア【分かち合う】という意味もあると思いますが、弊社では【一緒に考え、一緒にゴール設定すること】と定義づけています。課題・問題・対策を一緒に考えることから、まずはスタートです。

 古いインタビューの内容ですが、ご紹介します。
 ベトナムのジャングルにおける若い歩兵大尉へのインタビューで、『この混乱した状況でどう指揮・命令しているか』との質問に対する答えです。
 『ここでは、責任者は私である。しかし部下がジャングルで敵と遭遇し、どうしてよいかわからなくとも、何もしてやれない。私の仕事は、そうした場合どうしたらよいかをあらかじめ教えておくことだ。実際にどうするかは状況次第だ。その状況は彼らにしか判断できない。責任は私にある。だが、どうするかを決めるのは、その場にいる者だけだ』

《月次報告書とは》

 私は、会計事務所に勤務していた経験があるので《月次報告書》という言葉を聞くと、月次貸借対照表・月次損益計算書・キャッシュフロー計算書・二期比較計算書・経営分析チャート等々数字で集計された資料をイメージしますが、皆さんはいかがでしょうか!
 確かに一定期間内の経営活動結果として集約されたものであることは間違いないですし、数値として明確化されているので解りやすいですね。特に経営者の方々は財務諸表の結果を気にされていたように思います。
 今思うと当時は、いわゆる【結果指標】に標準を合わせての報告・管理・指導が中心だったような気がします。何を言いたいのかというと【プロセス指標】の視点が抜けていた、ということです。結果の前にプロセスがあって、プロセスの積み重ねが最終結果であることを忘れてしまって、結果だけを分析・評価していました。あれから二十数年が経過しまして最近やっと理解できました。【結果を出すにはプロセスの質を高めること】を!!

 最近は、月次報告会の場では《月次財務報告》の他にプロセスに意識を向けて、問題・課題の整理と提案をして頂いてます。

《聞く力》

 阿川佐和子さんの『聞く力』という本が、ミリオンセラーになったようですね。残念ながら私はまだ読んでいませんが、本の紹介に次のようなことが書いてあります。
 『相槌をケチらない』 『分かります』は禁句 『楽しそうに聞く』 『事前に用意する質問は3つまで』 興味が湧いてきます。

 確かにコミュニケーションでは、『相槌をうちながら聞く』ことは大切なことだと感じます。聞き手が『なるほど』とか『うむ、うむ』と言いながら、かるく頷いてる場面の会話は盛り上がっているような気がします。
 少しズレるかもしれませんが、行政書士業務も行っている関係で《ある裁判の傍聴》に行ったことが有ります。裁判の内容は忘れてしまいましたが、今でも強く記憶に残っているのが『弁護人』の相槌です。被告人の話すことに対して【絶妙のタイミング】で相槌を打つのです。傍聴席の私でもその相槌に引き込まれそうになりましたから、きっと『裁判官への印象』も強いものがあったのかな!と思います。
 難しいことだとは思いますが、言葉とか反応だとか質問を意識してコントロール出来るようになると《良好な人間関係》を築くことが出来るのでしょうね。
 ただ、相手を操作・コントロールしようといったような【少々行き過ぎ感のあるコミュニケーションスキル】は、如何なものでしょうか!

 『分かります』は禁句 って? 本を読んで確認してみたい気がします。

《良いところを見つける》

 どんなに不快な物事にも良い面はあるものだ。正しい判断力でよいところをすぐに見きわめよう。蜜バチは甘い蜜にまっすぐに向かい、毒ヘビはその苦い毒に酔いしれる。人も同じだ。良いところに目がいく人もいれば、悪いところに目がいく人もいる。
 良いところがたくさんあるのに、そこからたった一つの欠陥を見つけ出す天才も中にはいて、その欠陥をあげつらう。なんとも情けないこの人たちは、そのまずい選択をした罰を受けているのだ。欠点を探し回るのではなく、どんなことにも良いことのかけらを見いだせるほうが幸せなのに。
 どれほど不運であっても、その中にまばゆく光る幸運をひとつみつけよう。たまたまそこにあっただけだとしても、その幸運に着目するのだ。正しい判断と選択をしたことで必ず報われる。
 『賢人の知恵』パルタザール・グラシアン より 
   

《人間関係》

 まずは、次の文章を読んでみてください。

 お客様として招かれれば、誰よりも先にそこのお酒を褒めたたえ、御主人と並んで控えながら『あなたもナカナカ美食家ですね』といい、食卓の上から何か一品取り上げ『これはまたなんとも素敵な品ですね』ともいう。さらに、寒くはないでしょうか? 何か掛けたくはないでしょうか?
私が着せてあげましょうか!とうかがい、加えて、そのようなことを口にしながら相手の耳元へ身をかがめてこそこそと密談もするし、他の者としゃべりあう時も御主人のほうへ目を注いでいる。
 劇場では、小者から座布団を奪い取って、御主人の為に自ら敷きならべる。
 また、家が見事だとか、屋敷の植え込みが上出来だとか、彫像が生き写しだとか愛想をいう。

 お世辞、へつらいの人間関係のみごとな描写ですが、この文章から何を連想されるでしょうか。実力者の前で揉み手をしている代議士か。社長に呼ばれた重役か。煙草をくわえた上司にさっとライターを差し出すサラリーマンか。この文章は現代社会の人間関係の一面をあざやかに描いています。しかし、この文章はじつは二千年以上も昔にギリシャの哲学者テオフラストスの『人さまざま』からの引用なのです。

 科学技術は大変な進歩をしてきているのに、《人間関係》というものは二千年前と比べてあまり進化していないように感じるのは私だけでしょうか。コミュニケーションと言われるものは、普遍的な要素をもっているのでしょうか。最近ちょっと疑問に感じたことを書いてみました。

《セミナーを終えて》

 昨日は、山形テルサを会場にして“人事・経営セミナー”を開催してきました。講師である 株式会社 大商金山牧場の小野木社長には大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。

 セミナーの内容に少しふれてみると『環境整備』『経営計画発表会』『人財育成』をテーマに講義を受けました。
 『環境整備』については、整理・整頓・清潔を習慣化し定着するために、詳細な実行計画書とチェックリストに基づき社長自らが先頭に立って愚直なまでに突き進めていることが良く分かりました。社長の姿勢がとても大切であるということ、ぶれてはならないことを実感させられました。

 次に『経営計画発表会』ですが、セミナー参加者の方々は、社長が発表する“経営方針書”の詳細な内容に驚いている様子でした。ちなみに、“経営方針書”は、数十ページに及ぶものですが、手帳にして社員一人一人に配布され毎日の『活力朝礼』で読み合わせをして確認されています。

 最後に『人財育成』に関しては、東京で開催される経営塾にミドル階層の社員を定期的に参加させているようです。ミドルアップダウン型の組織を完成する為には、課長職を中心に教育をする必要があるとおっしゃっていました。前期は、2100万円の教育費をかけたそうです。

 2時間弱のセミナーでしたが、充実したものとなりました。ご参加頂きました皆さま、有難う御座いました。

《思考が現実化する》から

今日も“思考が現実化する” ナポレオン・ヒル著 から一編の詩を紹介します。

負けると思ったらあなたは負ける
負けてなるものかと思えば負けない

勝ちたいと思っても
勝てないのではないかと思ってしまったら
あなたは勝てない

負けるのじゃないかな、と思ったらあなたはもう負けている
というのも、成功は人の考えから始まるからだ
すべてはあなたの心の状態によってきまるのだ

自信がなければあなたは負ける
上に登りつめるには高揚した精神が必要だ

人生の戦いに勝つのは
必ずしも最も強くて、最もすばしっこい人ではない

最終的に勝利を収めるのは
“私はできる”と思っている人なのだ

“できると思い込むか” “できないと思い込むか” このちょっとした差が大きいのでしょうね!

《五〇セントの教訓》

 『思考は現実する』ナポレオン・ヒル著から

※五〇セントの教訓
 ある日の午後、大農場を経営していた伯父の粉挽き小屋の扉が静かに開き、黒人の小作人の小さな娘が入ってきた。
 伯父はその幼い女の子に目をやり、荒っぽく聞いた。
『何の用だ』と、
 女の子は弱々しい声で答えた。
『ママが五〇セント貰ってくるようにって言ったの』
『あー、ダメ、ダメ。さっさと家に戻るんだ』
『はい』
と彼女は返事をすることはしたが、いっこうにその場を動こうとはしなかった。伯父はそのまま仕事に気をとられていたので、彼女がそこを立ち去らずにいることに気づかなかった。それで再び顔をあげた時、彼女がまだそこに立っているのを知り、思わずどなりつけた。
『家に帰れと言ったのがわからんのか。早く行かないとこらしめるぞ!』
その女の子は、また『はい』と答えた。それでも彼女はそこを動こうとはしなかった。伯父は小麦の袋を床に置くと、そばにあった天秤棒を手に取り、けわしい顔つきで彼女のほうへ近寄っていった。それは、気の短い伯父がその子に今にも襲いかかるのではないかと思わせる勢いであった。
 ところが伯父が彼女に近づく前に、彼女の方が先に一歩踏み出し、そして伯父を見上げて、甲高い声でこう叫んだのである。
『ママはね、どうしても五〇セントがいるの!』
 伯父は立ちすくんで、しばらく彼女の顔を見つめていたが、やがてゆっくり天秤棒を床に置いた。そして何とポケットから五〇セントを取り出して彼女に渡したのである。 
 

《ビジョンへの参加とフィードバック》

 ビジョンは、組織にエネルギーを与え、組織を動員していくためのイメージですし、力強く、統合していく力でもあります。そこで、ビジョン実現にあたって必要な【約束と責任との結びつき】・【フィードバック】ついて書いてみたいと思います。

※約束(コミットメント)と責任の結びつき
 約束とは信頼に基づき行動する決心です。リーダーの仕事は約束を取り付け、約束と行動との間にどれだけのギャップがあるか語り続けることです。また、責任とは次のことを意味しています。それぞれの仕事がうまくいく責任は、一個人の玄関口で終わってしまっています。皆に責任があるということは、実は誰にも責任がないという結果になっているのです。与えられた仕事に対して責任を持つべきものが他人の支援を乞い、委員会を設置し、代理人からも助けを求めるかもしれません。しかし、最終結果に対する責任は、誰にも代わってもらうわけにはいかないものです。

※フィードバック
 策定され、ファイルの中にしまい込まれている戦略行動プランは、チャートに詳細に要点が示され、それらがチームの会合や計画セッションの議論の焦点となっているプランよりもずっと成功の確率が低いといえます。
 どんなに効果的な戦略行動プランでも、つねに『我々は今、目標のどのあたりにいるのだろうか』『どんな調整がなされるべきか』『どんな革新的アイディアが飛び出しているか』という質問に答えていかなければなりません。フィードバックは私たちを正しい軌道に乗せ、プラン策定時には明確でなかった新たな方法を私たちに気づかせてくれます。
 ショートタイムでのフィードバックが大切です。
  

《動機づけをテーマに》

 動機づけに関しては、時々書き込みをしていますが、今日は先日食堂で昼食をとりながら読んでいた週刊誌の記事に、野村監督の【動機づけ】について書いてありましたので、ご案内します。

 まずは、野村流動機づけ
① 恐怖で動かす
② 強制で動かす
③ 理解して動かす
④ 情感で動かす
⑤ 報酬で動かす
⑥ 自主的に動かす
 以上六つの手法が書いてありましたが、コーチングの視点で確認したいと思います。
 
 ①・②の恐怖・強制で動かすというのは、言葉で表現すれば(~~しなければ) (~~すべき)といったような、恐れ・強制・圧力が行動を促します。いわゆる【制限的動機づけ】ですが、この場合“必要最低限”が実現されやすい、といわれてます。
 ⑤の報酬で動かすというのは、“馬の鼻先に人参”といったような、報酬・褒章・表彰等の外部からの刺激による動機づけです。【外発的動機づけ】ですが、この場合、通常同じ成果を得る為には“引き続き刺激を増やしていかなければ”なりません。
 ④の情感で動かす、ということは(誰かの為に)とか(好きな人の為に)といったように、相手の感情にうったえることでしょう。ナポレオン・ヒル博士の本の中に“人は、愛する仕事に関わっているとき、または、愛する人の為に仕事をしているとき、最も効果をあげる”と書いています。
 ③の理解して動かすということは、相手に行動を起こす意味を理解し、納得させるということですが、その為には、丁寧な説明が必要になります。
 最後に⑥自主的に動かすですが、これは【内発的動機づけ】になります。言葉で表現すれば(~~したい)という自己実現動機ですが、(~~しなければならない)と感じる場合とは動機づけにおいて本質的に異なります。自己実現動機には、強いエネルギーを感じます。

 さて、あなたの~~したいこと、好きなことは、何でしょうか!