《強みを生かすということ》

 強みを生かして成果をあげる、等と言われますが、どのようことなのでしょうか!

 ドラッカーは“組織といえども、人それぞれがもっている弱みを克服することは出来ない”と言ってます。とても興味深いことです。
 組織という生き物は、人の集合体ですから各人の強み(長所・得意)を組合わせることは充分可能な事だと思います。これは、逆から見れば『人の弱みを意味のないものにすること』です。とかく、私たちは人の弱み(欠点・短所)に目がいきやすいものですが、人の強みに目を向けることにより【人の弱みを最小限に抑える】のではなく【人の強みを最大限に発揮させる】ように努めなければならない。特にリーダはこのような視点を持つべきです。

 また、強みに焦点を合わせることは成果を要求することです。ここでのポイントは、『何ができないか』を考えるのではなくて、『何を非常によくできるか』に焦点をあてることです。

 もう一つ最後に、上司の強みも生かさなければならないということですが、上司の強みを生かすことは、部下自身が成果をあげるカギなのです。上司の強みが発揮できるような形での提案をし、上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、部下も成果をあげられるようになるのです。上司の弱みを強調したのでは、部下の弱みを強調した時と同じように意欲と成長を妨げることになります。

《コーチングについて》

 コーチングのテーマは『変化』です。
 “人も組織も好むと好まざるにかかわらず永遠の変化が必要である”といった考え方ですが、この変化のプロセスを確認してみたいと思います。

 【ステップⅠ】 戦略アセスメント、戦略ビジョン構築を通して次のことを行う。
 ①現状をつかみ
 ②組織の目標、ビジョンを決め
 ③かかるコストと利益を明確にし
 ④つぶすべき障害を見つけ
 ⑤成果の測定を定義づける

 【ステップⅡ】変化の哲学は、深層心理学に基づく
 ①企業組織は、世の中に開放された機構であるが外からの干渉から逃れ、自らを守る努力をする
 ②意義ある継続的変化は、まず内面より起こり外に現れるものである

 【ステップⅢ】変化に対する教育
 ①望ましい変化とするためのスキル
 ②また、変化が可能であり、しかも望ましいスキル

 【ステップⅣ】アプローチ
 ①変化の必要性に気づかせる
 ②不安のない環境、干渉への抵抗を消えるようなコーチング
 ③個人のリーダー才能を磨き、ファシリテーターに養成する

 目的はファシリテーターを養成し『組織改革の内製化』にあります。

《タイムマネジメント》

 タイムマネジメントは、私たちにとって大きなテーマです。今日は、少しタイムマネジメントについて考えてみたいと思います。

※まずは【80対20の原則】
 この考え方は、ほとんどの組織で【結果の80%は活動の20%から生み出される】、従って必要な活動を決める為には【結果に対して最大のインパクトをもつ】この20%が何かを見極めればよいということになります。
 以上の考え方に基づいて二つの視点からみてみると、第一に、する必要のまったくない仕事、いわゆる、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけて、それを捨てなければいけません。そのような浪費を見つけるには、仕事の棚卸(記録)に出てくる全ての仕事について、『まったくしなかったらば、何が起こるか』を考えればいいのです。『何も起こらない』が答えであるならば、明らかに結論は、その仕事をただちに止めよということになります。
 第二に、『他の人でもやれることは何か』を考えることです。平易な言葉を使えば『他人に任せられる仕事を探す』ことですが、自らが行うべき仕事を任せるのではなくて、まさに自らが行うべき仕事に取り組むために、他の人でも出来ることを任せることは、タイムマネジメントで重要なポイントです。

《成長点の考え方》

 成長点という言葉を辞書で調べると
『植物の根や茎の先端部にあり、とくに細胞分裂のさかんなところ。分裂組織の細胞でできていて、根や茎のもとのほうに向かって、次々に新しい細胞をつくりだしている。根では根冠をかぶり、茎では小さな葉のようなものにつつまれ、保護されている。』とあります。

 これを読んだ時に、組織活動における《人材育成》の有り方を垣間見た気がしました。組織の教育としては、【職種別研修】【階層別研修】【知識・スキルの研修】【コーチング研修】等々各種ありますが、『成長点による視点』からの研修とか育成といった考え方を持っているのだろうか?と、ふと疑問に思いました。

 多くの組織は、階層管理によって運営がなされていると思いますが、最近は等級や階級を示して上を目指させる(上昇志向)というような手法だけでは通用しなくなってきています。そこで、この『成長点』の視点で組織人材の中から『成長点人材』を見つけて栄養分を徹底して与えていく必要性があるのではないでしょうか。

 ポイントは、若い人材の中に発見して【教育】【コミュニケーション】【プレッシャー】といった栄養分を大いに注いであげることことです。

《ポイント式賞与》

 弊社でもポイント式賞与・ポイント式退職金の提案をするようになって、十数年が経過しましたが、未だに賞与の支給基準に悩んでいる会社は意外と多いです。
 老舗繁盛店の社長もそうでした。なまじっか利益が出るものだから、支給額とその配分方法に困っています。特に、個別配分ルールがないものだから、対人比較で検討するということになります。(いわゆる相対評価)
 提案するポイント式賞与を運用するに当たっては二つの条件をクリア―して頂く必要がありますが、一つは人事考課制度による五段階評価の実施です。中には目標管理による目標評価だけで五段階評価を行っている会社もあります。今一つは、等級制度の構築ですが、弊社では7等級制を提案しています。
 人事考課制度と等級制度が完成していよいよポイント式賞与の運用に進んでいくわけですが、まずは【月収比例50%】【成績比例50%】からスタートして段階的に【成績比例100%】に持ち込みます。

 成績別配点表(例)をご案内します。

等級 代表職位   S  A  B  C  D
7  部 長   700 500 400 320 250
6  課 長   500 400 320 250 200
5  係 長   400 320 250 200 160
4  主 任   320 250 200 160 125
3  指導職   250 200 160 125 100
2  担当職   200 160 125 100 80
1  担当職   160 125 100 80 65

※ 賞与配分式
  各人の賞与額=(月収比例分+成績比例分)×出勤率
※ 成績比例分の計算方法
  1点単価=(賞与総額-月収比例分総額)÷Σ(等級別成績別人員×成績別配点数)

《賞与の予算》

 たまに、『賞与の支給基準がなくて困っているんですが』といった相談を受けることがあります。このような時には、《利益三分法》の考え方をご紹介します。ご存知の方々も多いと思いますが、確認をしておきましょう。

 仮に、利益が一億円計上されたら、①社員 ②会社 ③株主で 3,333万円ずつ三等分しましょう!という考え方ですね。分かりやすいし、納得感も高いと思います。ただ、お気づきになった方もいるように日本では利益に対して“税金”が徴収されます。仮に40%を税金で支払うことになると、税引後利益は6,000万円。これを三等分すると、それぞれ2,000万円(一億円に対して20%)ということになります。

 以上のように、計上された利益(結果)を分配するという考え方も宜しいとは思いますが、総額人件費管理、目標管理の立場からいけば、賞与を3,000万円支払うことを前提に、売上目標や粗利目標を設定し【達成に向けて全力投球する】ことが常道であると考えます。

《スピードについて》

 最近知った《スピード》についての捉え方について短い内容ですけど、深い中身に関して書きます。

 ※ニュートンの運動の第二法則より
 私は、文系なので理系の公式などは不得手なのですが、この公式の意味することはとても良く理解することが出来ました。
 F=mα この公式の意味するところは、F(力)は、m(質量)とα(加速度)すなわち『スピード』で決まるということ。
 小さな組織が(質量が小さい)大きな組織(質量が大きい)に勝つには『スピード』しかない。
 “小よく大を制す”ことも十分に可能だからこそ、面白い。
 
 昨日の日曜日は、地域の公民館祭りが実施され、世話役を引き受けている関係で朝から準備をして色んなイベントを楽しみました。イベントの一つにチビッ子相撲があり、幼稚園児から小学生までが参加され奮闘しておりました。取組の中に身体の大きな子供さんと少々劣る子供さんの対決が有ったのですが、予想に反して身体の小さな子供さんが勝利する場面がありました。そこには、『すばしっこさ』があったような気がします。

 こんなこともよく言われますね。『スピードの速い飛行機ほど安定度が高い』

《ピーターの法則》

 “ピーターの法則”という言葉を時々耳にします。ネットで検索してみると色んな情報が書き込まれていますが、一言でまとめてみると『能力主義の階層社会において、その構成員は、いずれ無能レベルに達する傾向がある』といった感じでしょうか!
 つまり、企業においては主任・係長・課長・部長と昇進していって、それぞれの地位で有能な実績を残すことができるが、最後の昇進は無能レベルの昇進とならざるを得ないということになります。そして、階層社会のすべてのポストが無能レベルに達した人たちで占められていることになると・・・・。仕事をするのは、まだ無能レベルに達していない社員によってなされるというのである。
 『名刺部長・待遇課長』等という方々の中にも、ここにいう『無能レベル』に達した人がいるかもしれません。時間外対策の為の管理職等も同様に組織に与えるダメージは大きいものと考えます。
 従って、弊社ではこれら無能レベルに陥ることを防ぐため、『上位等級の等級適正』があるかどうかを、重要な昇格判断の基準とするように指導を続けています。
 

《動機づけ》

 動機づけの理論について整理してみます。

 《建設的動機》
 ※内発的動機 【自己実現動機】
 ※外発的動機 【報酬・褒章・表彰等】

 《制限的動機》
 ※『~~しなければならない』という強制的なものに基づくもの。

 以上に示した動機づけの中で、最も望ましいものは“内発的動機”によるものと考えます。自らの意思で自主的に行動しますから、大きな推進力とエネルギーを持っています。一方“制限的動機”はどうでしょうか。それをしなければ何か恐ろしいことが起こるといったような、プレッシャーが背後に感じられ心理的に後退したイメージです。必要最低限が実現されると言われています。

 私たちの行動をチェックする一つの方法は、生活のどの分野が『しなければならない』か、また『したいこと』に基づいているかを考えてみることです。私たちが、『自由に何かをやりたい』という場合と、『何かをしなければならない』と感じる場合とは、動機づけにおいて本質的に異なります。『自ら選択したもの』『自らそれをしたいと感じたもの』といった【自己実現動機】に基づいて前進していきたいものです。

《思い込みの壁》

 今日は、思い込みの壁《自己イメージ》について考えてみたいと思います。

 私たちは、自分自身に対して心の深い部分で自分に対するイメージを持っています。
 例えば、
 『自分は、仕事で成功するタイプの人間だ。または、自分は運がいい』等など。このように、高い自己イメージを持っている人は、このような考えのものと、高い能力を発揮し、満足のいく結果を得ているケースが多いと考えられます。
 これとは反対に、
 『自分はいつもうまくいかないタイプなんだよナ・・・・』という自己イメージを持っていたとしたら、そのような考えのもと、自信のなさげな能力や行動力を発揮している可能性が高いと予測されます。
 
 自己イメージは、日常の様々な場面で私たちに影響を与えています。
 例えば、
 身近なところでは、思考パターンや行動パターン、そして立ち居振る舞いに大きく影響します。
 さらには、
 年収、これから就くポジション(役職)、出会う人やパートナー、これらすべてに影響していきます。

 自己イメージは、セルフトークの積み重ねによって後天的に身につけたものです。だから、セルフトークを意図的にコントロールすることで変えていくことが可能なのです。

 セルフトークに意識を向けてみてください。